成長塾修了企業に聞く - 株式会社千代田設備様 -

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株式会社千代田設備様

社員が成長し、会社の業績を向上させる人事制度を作りました。今年で運用9年目です。


左:佐藤信久社長、右:鈴木元伸総務部長(千代田設備 両川営業所にて)新潟県新潟市の株式会社千代田設備は、平成17年に新人事制度を導入して以来、社員の成長を基軸とした業績向上に取り組んでいます。
今回は、千代田設備代表取締役社長・佐藤信久氏(写真左)と、総務部部長・鈴木元伸氏(同右)に、社員成長支援制度を導入した経緯、9年間にわたる制度運用の成果や、今後の展望などについて、詳しく伺いました。

(株式会社千代田設備について)
新潟県下越・中越地域を中心に水道、空調などの建設工事、メンテナンスを手掛けるほか、産廃処理、不動産売買、リフォーム、住宅設備修理サービス、エコ発電など多岐にわたり事業を展開。社員の技術力は高く、技能グランプリ(参加対象:一級技能士)、技能五輪(同:22歳以下)など国内外の技能大会において優秀な成績をおさめている。グループ企業7社。近年では埼玉、宮城など県外にも関連企業を設立。昭和40年創業、従業員238名(平成25年6月現在)。

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1.進化する人事制度――「人事制度は、生き物です」
2.社員数が100名を超え賃金決定に苦慮、社員からは「賃金内容が不明瞭」と不満が続出
3.大手企業向けの人事制度は、自社では運用できない
4.松本先生の「100号俸もある人事制度は、中小企業では運用できない」に共感
5.社員の現場に対する取り組みが向上し、離職率は半減
6.「立派な日本人になろうよ」――社員の成長に願うこと

1.進化する人事制度――「人事制度は、生き物です」

-- はじめに、千代田設備についてご紹介ください。

千代田設備創業者:佐藤袁也会長(千代田設備パンフレットより)
佐藤社長)千代田設備は、昭和40年に、父である前社長の佐藤袁也会長が創業しました。事業内容は給排水や空調の管建設工事、保守、営繕のほか、グループ企業で住宅設備修理サービス、リフォーム、エコ発電、産廃処理などの分野も手がけています。

当社は、前社長がリュックサックに配管修理の道具を詰めて、一人で起こした会社です。徐々に社員が増え、今では社員約240名。社員数の増加とともに、社員のつてで「こんな仕事をやってみないか」とお声をいただく機会も増えて、自然と事業が拡大していきました。

当社では、創業以来、施工技術の向上に力を入れています。社員の中には、自ら進んで配管の技術を競う技能五輪、技能グランプリなどの大会に挑戦して、優秀な成績をおさめる者も多くいます。会社としても社員のチャレンジを積極的にバックアップしています。

第25回全国技能グランプリ金賞作品  所狭しと並ぶ数々の受賞歴

技能五輪ミュンヘン大会(2013)の練習をする社員  多様なパーツが整然と並ぶ資材置き場

-- 千代田設備の人事制度について教えてください。


佐藤社長)千代田設備の人事制度は、松本先生のご指導のもと、平成17年に構築しました。現在では『社員成長支援制度』の名称で、運用9年目になります。

当社では「社員の成長なくして会社の業績向上はありえない」と考えています。でも、社員にただ「がんばれ」とだけ言っていても、社員は動いてくれませんよね。
社員成長支援制度では、「この会社で、何をどう頑張ればいいのか」「会社は、社員の成長のためにどんな支援ができるのか」「成長した結果、賃金や待遇がどう変わるのか」を具体的な項目をあげて、社員に伝えています。
「何をどう頑張ればいいのか」という評価の基準をまとめたものが『成長計画シート』です。一般的に言う評価シート、松本先生が成長シートと呼ばれているものにあたります。

鈴木部長)当社の社員成長支援制度は「とにかくシンプルに」を心がけています。
賃金表の継軸号俸が多すぎると、賃金決定が複雑になってしまって、当社では運用に無理があります。社員としても、数百円単位の昇給では、賃金が上がったかどうか、よくわからないのではと考え、
当社では、等級は5等級まで、評価テーブルは最大20。等級が上がるにつれて評価テーブルが増えるシステムになっています。

平成25年度 経営計画  平成25年度 社員成長計画(工務課長の場合)毎年まとめられています。

佐藤社長)毎月一回、グループ会社も含め幹部社員12名で『社員成長支援制度プロジェクト会議』を開いています。会社の状況や時代の流れをふまえて、より社員の成長を的確に支援できる制度になるよう改善を重ねています。
全社員の個々の成長目標は、会社全体の成長目標にもつながります。社員成長支援プロジェクト会議は、人事のことだけでなく、会社の経営計画についても話し合う、次期経営者会議の役割も果たしています。

鈴木部長)人事制度は生き物なんですね。社員成長支援プロジェクト会議に参加してわかりました。
会議では、部署の違う社員と意見を交換するので、とても勉強になります。私は総務の人間ですが、ふだん建設現場で働く職人の社員の明るさや現実的なものの考え方に、いい影響を受けています。

2.社員数が100名を超え賃金決定に苦慮、社員からは「賃金内容が不明瞭」と不満が続出

-- 社員成長支援制度ができるまで、どのように社員の賃金を決定していたのですか。

佐藤信久社長
佐藤社長)会長(注:当時は社長職)が、長年の経験に基づいて全社員を評価して、賃金を決めていました。

社員が少ないときはそれで良かったんです。創業30年目には、会社が大きくなって社員数が100名を超えました。そうなると、社員一人ひとりの能力を正確に把握するだけでも大変ですよ。会長の負担は、傍目にも相当なものでした。

当社では、即戦力になる職人を中途採用したことが多いので、社員の勤続年数と技術力が必ずしも一致しません。技術力はさほどでなくても会社を長く支え続けてくれている社員もいるし、技術者としてではなく現場を取りまとめる監督者として頑張ってくれている者もいます。有資格者、無資格だが能力の高い者、さまざまです。だから余計に、社員の評価は複雑になってしまうのです。

会長は賃金計算のような事務作業は、通常の勤務時間外にやる人です。夜や休日に一人でコツコツと計算して、ときには悩んでいる姿を、毎月の給料日や年三回の賞与のたびに垣間見てきました。

鈴木部長)会長の中では評価基準は明確にあって、社員としても朝礼などで会長の話を聞いて、ある程度理解していました。でも、その基準を、目に見える形では共有できていませんでした。

-- 社員は、自分の処遇や賃金決定について、どう思っていたのでしょうか。


鈴木部長)平成13年ごろ、社員に人事制度に関するアンケートを取りました。
アンケートの回答には、「賃金内容が不明瞭」「結局、長く勤めている人が優遇されているのではないか」「人を見て査定している気がする」など、会社の評価に対する不信が見えました。 このころの当社の離職率は、10%を超えていました。

佐藤社長)中途採用で腕に自信のある社員は「自分はよくやっているのに、なぜ評価されないんだ」という不満がありました。
社内の雰囲気も、決してよくはなかったですね。
工事現場での態度も、社員によって差がありました。冬の寒さの厳しい夜など、水道管の緊急修理に出てくれる社員を探すのは一苦労でした。

3.大手企業向けの人事制度は、自社では運用できない

-- 社員成長支援制度の導入前に、人事制度を作ったことはありますか。


佐藤社長)実は、松本先生に出会う前に、ある大手コンサルティング会社の指導を受けて人事制度を作ろうとしたことがあります。
幹部社員数人で、1年ぐらいかけて既存の給与体系を賃金テーブルにあてはめる作業をしました。
人事制度の構築にかかった費用は百万円を超えていたと思います。コンサルタントの先生には、月に何回か来ていただいて、そのつど料金が発生しました。

とても有益な体験にはなりましたが、人事制度の運用にはいたりませんでした。

-- なぜ、その人事制度を運用できなかったのですか。

鈴木元伸総務部長
鈴木部長)大企業向けの人事制度をそのまま自社にあてはめてしまったからです。
大手コンサルティング会社は、大企業が専門でした。その会社に提示された人事制度は、100号俸以上あり、賃金は500円きざみでした。

佐藤社長)「このやり方はうちには合わない、とてもじゃないが運用できない」と、人事制度の運用は断念しました。そのコンサルタントの先生には、申し訳なかったですけど。

4.松本先生の「100号俸もある人事制度は、中小企業では運用できない」に共感

-- 新人事制度を知ったのは、いつ、どのようなきっかけですか。


佐藤社長)松本先生を知ったのは、ちょうど前の人事制度の実用化に行き詰まった直後の、平成16年のことです。
この時期、新卒者の採用も始め、営業所やグループ会社を次々と設立していました。
社員には、ただ「頑張れ」と言い続けてはいましたが、社員にしてみれば、どうすれば給料やボーナスが上がるのかわからない、会社は大きくなるけれど、自分の頑張りと会社の業績が結びついていると感じられない――そんな時期でもありました。

業界団体の雑誌で、松本先生が、カリスマ体育教師で教育研究家の原田隆史さんの講演会を紹介している記事を読みました。原田さんの講演会に行って、講演会場で松本先生に初めてお会いしました。

これがきっかけとなって、松本先生のセミナーにも参加するようになりました。
何回目かに参加したセミナーで、松本先生の「号俸が100もある人事制度は、中小企業では、まず運用できません」との言葉に、「よくわかっている方だ!」と。
さっそく、新・人事制度研究会の会員として、松本先生の指導を受けて、新しい人事制度の構築に取り組むことに決めました。

-- 具体的に、どのように新人事制度を構築したのですか。


佐藤社長)まず、幹部社員6人でプロジェクトチームを作りました。私は当時専務としてプロジェクトメンバーに加わりました。
まず、以前作った100号俸あまりの賃金テーブルをメンバーで討議して見直しをはかりました。項目の統廃合が主な作業で、新しい項目は設けませんでした。

工事現場の廃棄物をリサイクル。佐藤会長のアイデアです。
鈴木部長)新・人事制度研究会からは、制度のひな形と、構築方法がまとめられたパッケージが送られてきました。
プロジェクトメンバーで、新人事制度のひな形に、当社独自の基準をあてはめていきました。
会長が常日頃、朝礼などで私たち社員に話していることも、文章に改めて、評価項目に盛り込みました。

-- わからないことがあったときは、どうしていましたか。


佐藤社長)新・人事制度研究会では、月に何回か、松本先生に電話で相談できる時間があるんですよ。
電話の前に、プロジェクトメンバーがわからないことをまとめておいたので、松本先生には、時間内に的確にお答えいただきました。
電話コンサルティングのおかげで、「どうしたらいいかわからないから、プロジェクトが進まない」ということは、なかったですね。


5.社員の現場に対する取り組みが向上し、離職率は半減

-- 新人事制度の運用を開始して、社員に変化はありましたか。

「経営計画は、ボロボロになるまで何度でも読み返してほしい」(佐藤社長)社員の読みやすさを追求し、フォントや紙質にも配慮した。
佐藤社長)要所要所で、会長のチェックも入り、半年間の準備期間ののち、翌年度のスタートと同時に、新人事制度の運用を開始しました。
新人事制度導入当時は『社員評価制度』という名前でスタートしました。この『評価』という部分で、引っ掛かりを覚える社員がいたのは事実です。
この制度は、社員を成長させて、会社の業績を向上させようというところから始まっている、と社員に何度も説明しました。
「みんなが成長しないと会社の業績もよくならないんだよ、そのためには、具体的にこういうことをしようよ」って。

鈴木部長)導入当時は、社員の反応が二極化しましたね。
年齢層が高めの社員は、自分のキャリアが新しい制度できちんと評価されるのか不安だったようです。若い社員は比較的理解が早くて、「こうすれば自分の成長が認めてもらえて賃金も上がるし、賞与もいっぱいもらえるんだな」とプラスに受け止めてくれました。

「具体的に自分がどうすれば給料が上がるのか」がわかると、社員の仕事に対する取り組みがガラッと変わりました。
まず、深夜の緊急修理工事にも自ら手をあげて出動してくれるようになりました。「現場への緊急対応」が評価項目にあるからです。今では、夜中の出動を嫌がる社員は、まずいないですね。
「現場での態度」も評価されるとわかってからは、建設現場でも個人のお客様の修理工事でも、礼儀正しい態度が自然と定着しました。この変化は、個人のお客様のリピート率の向上という形で表れていると思います。

社員成長支援制度が社員に定着するにつれ、会社の評価基準に対する不安や不満は自然と解消されました。制度導入の翌年には、離職率は6%台と、ピーク時の半分以下になりました。

6.「立派な日本人になろうよ」――社員の成長に願うこと

-- 今後、千代田設備では、どのように社員の成長を支援していきますか。

技術力が輝く 第50回技能五輪全国大会 優勝作品
佐藤社長)「社員の成長なくして会社の業績向上はありえない」という理念のもと、これからも社員の技術力向上に尽力していきたいですね。
社員の技能五輪、技能グランプリへのチャレンジも、会社としてできる限りのことをしてやりたい。先輩社員が培ったノウハウを、後輩社員に伝えられる環境も充実させていきたいですね。

技能大会への参加は、今いる社員の技能向上だけでなく、新卒の入社希望者のレベルアップにもつながっています。ホームページで当社社員の技能大会受賞歴を見た高校生が「自分もこの会社で世界を目指したい」と応募するようになりました。

鈴木部長)時代の流れでしょうか、一方で、今の若い世代はプライベートの時間をとても大切にします。なかには「あんまり無理して働きたくない、昇進すると大変そうだし、いち社員としてやっていきたい」という者もいます。

佐藤社長)これからの時代、定年が65歳、70歳と伸びていくときに、若い職人と同じように働くのはムリでしょう。どうなっちゃうんだろうと思いますよね。
配管工として十代、二十代で入社した社員にも、60歳近くなって身体の無理がきかなくなっても、賃金が下がることなく働き続けてもらいたい。だから、当社では新入社員にも管理職層の成長計画シートには「新人の育成」が評価項目にあることを繰り返し伝えています。
自分が現場で働いて成果をあげるのではなく、自分と同じように現場で成果を上げられるよう後輩社員を育てていくことで、賃金を増やしていけるんだ、と。
社員幸せづくり計画
当社では、毎年、年度当初に全社員に会社の一年間の経営ビジョンを示した『経営計画』を配布しています。今年度は、『社員幸せづくり計画』という、社員成長支援制度とリンクした内容を盛り込みました。
『社員幸せづくり計画』では、会社が社員の人生設計のために、どんな支援をするのかを明確に打ち出しました。

-- 最後に、松本先生に、メッセージをお願いします。


佐藤社長)これからも、有益な話をたくさん聞かせてください。

経営計画セミナーや全国大会も、これからも時間の許す限り参加させていただきたいと思っています。新人事制度を取り入れた企業の成功事例は勉強になりますし、当社と同じく、社員の成長を真剣に考えている社長さんとお話するのは、励みになりますね。

私はいつも社員に「立派な日本人になろうよ」と話しています。
新潟という、人口の限られた地方都市を拠点に仕事をさせていただいているのですから、自分だけ儲かればいいという狭い視野では商売できません。
世の中には、誤った人事制度もたくさんあるなかで、松本先生の提唱する新人事制度が広まれば、地域が、世の中がもっとよくなると思います。
松本先生、今後とも、よろしくお願いします。

株式会社千代田設備様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。


株式会社千代田設備様のホームページ
※ 取材日時2013年


 

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