標準昇格基準に基づき、ステップアップしていく社員が現行の賃金体系の中でどのように賃金が増えていくのかということを示したもの。
通常、高卒・大卒等の新卒社員を対象にして作成することになります。18歳(22歳)から60歳ぐらいまでの間に年齢給、勤続給、職能給及びその他の諸手当がどのように増えていくのかを、いくつかの前提条件を決めながらまとめていきます。
社員は「どのように賃金を獲得する可能性があるか」ということを示されることにより、自分の成長と獲得できる賃金の関係を知ることができます。
また、新卒社員を対象にするモデル賃金が一般的ですが、現在いる社員にとっても今後どのように賃金を獲得することができるのかということを知ってもらうことができます。
それぞれの年齢で今後の成長度合いに合わせ、どのようなモデル賃金になるのかという1つの賃金の目標を示すことは現在の在職社員にとっても大いに役に立つことです。
比較的優秀な社員がどのくらいの評価をどのくらいの年数をかけて取り、最初の等級から最後の等級までステップアップするのか、その内容をまとめたもの。
この標準昇格を知ることにより、社員は自分の人生設計を考えることができ、じっくりと成長しようという考え方を持てるようになります。
社員を評価する目的で使われるシート。
この評価シートを使って処遇を決めるということを社員が知っているため、評価シートにおける自己評価が高くなる傾向があります。
しかし、評価シートを使って評価する本来の目的は、成長を確認することにあります。その誤解を払拭するため、新・人事制度研究会では成長シートという名称を使っています。
社員の成長度合いを確認するために行なうもの。
今まで、評価は処遇(昇給・賞与・昇格)を決めるために行なうものとされてきました。そのため評価とは、社員にとって好ましいものではなく、上司にとっても進んで行ないたいとは思えないものでした。
しかし、評価をする目的は処遇を決めることではなく、社員の成長を確認することです。評価が決まらなければ、社員は次の成長の目標を設定することができなくなります。
成長支援制度を運用するためには、「評価」について組織的に正しく理解していることが大前提です。
社員1人ひとりの成長段階のこと。成長シートの点数によって決めることができる。
一般的には職能資格等級のことを差します。しかし、この職能資格等級を決めるためには膨大な分析が必要になり、中小企業ばかりか大手企業においても運用は困難を極めています。
このため、新・人事制度研究会では、等級を成長の一里塚として活用することを勧め、他の等級制度の等級と区別するために「成長等級」と表現しています。
プレーイングマネジャーの層。
一般職層を卒業した社員がステップアップする層が中堅職層です。一般職層ではプレーイング、自分で成果を上げることによって評価されてきましたが、中堅職層では部下を指導するという新しい重要業務に挑戦することになります。
成長シートの点数をS・A・B・C・Dと5段階に区分したもの。
通常、成長シートによる評価点数で社員の成長度合いを確認し、指導します。また、その評価点数に基づいて、処遇を決定しなければなりません。
しかし、評価点数ごとに処遇を決めると、非常にたくさんのパターンに分かれ、簡単に決めることが困難になってしまいます。そこで、評価点数をいくつかに区分して処遇を決定することが容易になるようにします。
昇給・賞与・昇格はこの総合評価(S・A・B・C・D)に基づいて決めています。
管理職に対応する、プレイヤーとして最高の階層。
通常、一般職から中堅職、そして管理職というコースに従って成長していくのが一般的と考えられています。
しかし、管理職というのはマネジメントが中心です。部下を成長させ、それを喜びとするというのはすべての社員に適性があるわけではありません。自分で成果を出すことが得手で、その道を極めることで成長していく社員が必ずいます。
そのために、自分で成果を上げることで成長していく社員が組織の中で成長を続けられるよう、専門職という成長の方向性を示していきます。
多くの会社で、一般職から中堅職にステップアップしたときに、部下指導が上手にできないことで、今まで優秀だった社員が一遍に低い評価になってしまう事例を見てきました。そしてそのかつては優秀だと言われた社員が社外へ流出してしまうという残念な結果も見てきました。
そこで社員の成長の方向性として、管理職と専門職、2つの成長の方向があることを事前に社内に周知を図ってください。これによって優秀な社員の社外流出も防げるようになります。
中堅職に対応する、プレイヤーとしての成長の第2段階。一般職よりも高い期待成果を実現することが求められる。
どのような勤務態度で、どのような知識・技術を持ち、どのような重要業務を遂行して、どのような成果を上げることが期待されているのかということをまとめたシート。階層別・職種別にまとめられており、社員自身や企業が社員の成長を確認するために使用する。
一般的には評価シートと呼ばれ、昇給や賞与を決めるために社員を評価するためのシートだと思われています。
昇給・賞与を決めるための評価であれば、高く評価してもらいたいと考えるのが社員の当然の心理です。ですから、自分の点数が低いことに大きな不満を持ちます。
しかし、成長シートで評価する目的は現在の成長を確認し、次の成長を目指してもらうことにあります。ですから、点数が低いことは問題にはなりません。
入社してから満点である100点を獲得するためには、最低限必要な年数があります。それが仮に10年であるとすれば、80点を10年かけて、つまり1年ごとに8点ずつの成長をしていけばいいということです。
大切なことは、毎年成長をし続けるということです。そのために新・人事制度研究会では、評価シートではなく、成長シートという名称を使っています。これによって、社員に自らの成長を確認するためにあるのだということを理解してもらいます。

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