株式会社グリーンケア様(外構の設計施工、ガーデンデザイン等 神奈川県)
社員の半数が一斉退社して落ち込んだ売り上げを、成長塾の人事制度を活かしてV字回復させた株式会社グリーンケアの代表取締役 河越 徳秀 氏に、社員の成長を促した工夫や、成長塾の魅力について詳しく伺いました。
●会社プロフィール
社名 株式会社グリーンケア
所在地 〒214-0021 神奈川県川崎市多摩区宿河原2-29-1
設立 2002年8月
社員数 16名(2022年5月現在)
事業内容 お庭、外構、エクステリアの設計施工
ガーデンデザイン/ガーデンリフォーム/植物メンテナンス
URL https://www.gardeningya.com

1.庭と外構エクステリアのデザイン&リフォーム事業を展開
――グリーンケアの会社概要をお聞かせください。

グリーンケアは、2002年に設立したお庭と外構エクステリアのデザイン&リフォームの専門店です。
エクステリア業者と言えば、カーポート作りやタイル張りといったハード面だけが強い会社が多いところ、弊社では植物の取り扱いも得意としている点が特徴。腕の良い職人さんとも厚い繋がりがあるため、お客様の想いと環境とを上手く取り入れたトータルバランス力、デザイン力のあるご提案と施工を実現しております。
なお集客は、ほぼ自社ホームページからというのも大きな特徴のひとつです。弊社では15年ほど前から専任のWebデザイナーを社員として雇っており、ホームページの制作と更新に力を入れています。
その結果、Google検索では「庭のデザイン」などいくつかのキーワードで一番上に表示されますし、月間PVは約15万と多くのアクセスをいただけるようになりました。
そんなホームページ集客により、ハウスメーカーさんの協力会社としてやっているエクステリア会社がほとんどの中、弊社では直接やりとりをする個人のお客様100%を実現できています。
2.経営者の想いやビジョンを具現化できる人事制度に関心
――成長塾を受講した背景をお聞かせください。
私は現在の職に就くにあたって、旧三菱銀行で11年間、経営企画部で会社の仕組み作りに取り込んだ経験や、建築コンサルのベンチャー企業で2年半、役員として会社を10名から約100名まで育て、上場申請まで持って行った経験を重ねてきました。その過程の中で、会社を大きくするうえで、また人材の育成において、会社の仕組み作り、人事制度づくりがとても大切だということを学びました。
そこで2002年の創業から、常に試行錯誤を繰り返しながら、いろんなセミナーを受講したり、書籍を購入して勉強していました。しかし、なかなか弊社にぴったりくるものが見つかりませんでした。
というのも、そうしたセミナーや書籍の多くが、大企業の人事制度に向けたものだったからです。中小企業向けを謡っているものもありましたが、それも学んでみると、大企業向けの内容をコンパクトにしただけのもので、切り口は同じでした。
そんな中、インターネットで松本先生の存在を知りました。セミナーを受講したり、メールマガジンや『社員が成長し業績が向上する人事制度』(日本経営合理化協会)という書籍を購読してみて、「この先生は他とは違う。本物だ」と思うようになり、2017年の8月開催の成長塾を受講させていただくことにしたのです。
――具体的に、どんなところが違うと感じたのですか?
社長の想いや会社のビジョンを、人事制度で具現化してくれるところです。
他社の人事制度では、「形」がきっちりと定められていて、単にそれを活用するだけです。しかし松本先生の教えでは、想いやビジョンを可視化して自社だけの人事制度を生み出すことができます。経営側としては想いが形になりますし、社員としては全ての疑問に説明してもらえるので内容が腑に落ちますし、良いこと尽くめだと感じました。
またたくさんの企業の人事制度を手掛けられているという実績をしっかりお持ちな点も、説得力がありました。
3.社員の一斉退社を乗り越えて新たな人事制度を導入
――人事制度の導入において苦労した点があれば教えてください。
制度を浸透させることに、最も苦労しました。というのも当時の弊社は、「顧問の先生」と「私」との「二頭体制」のような状態になっていたからです。
会社の設立にあたって、エクステリア業界に詳しい方を顧問の先生としてお招きして、様々な業務を教えていただいていました。しかし私がシステムを重視するタイプなのに比べて、顧問の先生は「ルールはいらない」という職人気質で、まったく逆の考え方でした。
当然、新しい人事制度の導入にも顧問の先生は反対の立場。例えば成長シートをつくっても「もっと簡単にしろ」と顧問の先生に言われ、最終的に3~4個の成長要素しかない簡易なシートになってしまったり、成長支援会議も無駄だと参加してくれなかったりと、なかなか思うような形で運用することができなかったのです。
――そんな中、どうやって制度を浸透させていったのでしょう?
転機は2019年です。顧問の先生が我が社の営業社員を大勢引き連れて独立退社されました。いわば会社がふたつに割れた形ですね。社員は半分に減り、営業担当は私も入れて2名しかいないような状態になってしまいました。
売り上げは大きく下がりました。しかし逆にそのお陰で、私の考えを理解してくれる社員だけが残ったため、人事制度の導入はしやすくなったのです。
そのため次に挙げる定量的成果では、運用を本格スタートさせた2019年度と、そこから運用が形となった2021年度との比較となっています。
4.人時生産性が業界トップクラスの5,700円になり、売り上げはV字回復!
――では人事制度を本格導入した後の定量的成果をお聞かせください。
一見すると、売り上げや粗利益が下がってしまっているだけに見えますが、これは先の理由により、社員が半分近くにまで減ったことが理由です。業務内容の改善を図り、人時生産性が1300円以上アップしたことによって、実は2020年度は1億7,000万円近くまで落ち込んでいた売り上げは、その後2億円以上までV字回復してくれています。また残業時間も月平均で14時間も減りました。
――どうやって人時生産性や残業時間を改善できたのですか?
業務の横割りと明文化を行ったことがポイントですね。
以前の業務は縦割りで、営業マンは最初の打ち合わせから引き渡しまで、すべてひとりで担当していました。しかし今は各社員ごとに役割を決めて、自分の担当が終わったら次のセクションに回したり、担当外の仕事を外注やパートさんに依頼するように変えたのです。
そうすることで、社員にとっての「やるべきこと」がより分かりやすくなったと思います。
併せて社内の様々な要素を明文化しました。具体的には、優秀な社員を可視化する「成長シート」や「業務プロセスのチェックシート」、「会社のルールブック」などを作成したり、「モデル賃金」や「ステップアップ制度」の可視化を行っています。
業務内容、進むべき方向、評価される内容がはっきりしたことで、社員がなにをやれば良いか分からず右往左往するような時間は、圧倒的に減ったと感じています。
5.成長塾の学びを取り入れるために工夫したこととは!
――成長塾での学びを取り入れるにあたって、工夫されたことがあれば教えてください。
大きくは次の3点について工夫を行っています。
●職種別の成長シートのカスタマイズ
ひとりひとりの業務内容に合わせて、成長シートをカスタマイズしている点です。
弊社の社員は、パートやアルバイトを含めても16名しかいないため、複数の業務を兼任していることが多いからです。「総務人事」、「広報」、「経理」、「現場監督」、「営業」、「技術」と6つの部門ごとの成長シートを軸に、例えば営業と現場監督を担当している社員がいれば、2種類のシートを組み合わせた成長シートをつくっています。
●後継の育成や失敗の共有も評価軸に
また「後継の育成」や「失敗の共有」を、社員の評価のポイントとしました。例えば失敗した時は、本人の責任ではなくて会社の仕組みに問題があるというロジックで、その報告をした社員を褒めるようにしたのです。
そうすることで、社員の意識に変化が訪れました。以前までは、自分のスキルを高めることだけに注力し、どちらかと言えば失敗を隠そうとしていました。それが今では、「後輩のためになにかしてあげよう」、「失敗を共有して繰り返さないようにしよう」という考えに変わってくれたと感じています。
●上司ごとの評価の差をなくす注釈の挿入
上司の主観で、社員の評価が変わってはいけません。そのため弊社では成長シートの中に「これをしたから3点」、「これができたから4点」など、具体的な事例を含めた注釈を入れるようにしています。同時に、この注釈の内容を成長支援会議で上司同士で共有するようにもしました。
お陰で評価基準がより公平になりましたし、評価される社員側の納得感が高まってくれたように感じています。
6.実績豊富かつ常にアップデートしている点が成長塾の魅力
――実際に「成長塾」を受講して感じた、良かった点を教えてください。
たくさんありますが、主に次の3点です。
●常にアップデートを続けている
実際にたくさんの企業が導入し成果が出ている点と、そこで満足せずに、常にアップデートを続けられている点は、素直に凄いですね。常に効果的かつ時代のニーズに沿った人事制度をつくり上げられているのは、こうした研鑽があるからこそだと思います。
●松本先生のお話が聞ける
また松本先生のお話を聞ける点も魅力です。松本先生の話は、とにかく説得力があってためになります。なにか質問を投げかけた時も、豊富な実績に裏付けされた経験を持って、非常に的確なご返答をいただけるので、全面的に信頼しています。
●便利なソフトウェアが用意されている
「成長シート作成ツール」や「昇給・賞与シミュレーションシステム」、「モデル賃金設計ソフト」など、人事制度を構築するためのソフトがたくさん用意されている点もありがたいですね。例えば「昇給・賞与シミュレーションシステム」を使えば、ボタンをポンと押せば自動的に昇給や賞与が算出されるため、とても便利に活用しています。
――成長塾への受講を検討している企業に向けて、先輩経営者としてのアドバイスがあれば教えてください。
成長塾での学びは、どんな規模・業種の会社にも活用出来ます。まだ小さい会社だからと受講を尻込みしている方がいらっしゃったら、ぜひ受講してみてください。社員2~3名の会社でも、成長塾の人事制度により社員から厚い信頼を得られると思いますよ。
また受講される際は、年に一度開催されている「全国大会」にも参加して欲しいですね。全国大会では、松本先生のお話を直接聞く機会があるだけでなく、成長塾を修了した経営者の事例発表と、そのディスカッションが行われます。他社さんの人事制度の実践事例を聞く貴重な機会が得られますし、その頑張りを聞くと自分も頑張ろうと思えるのでおすすめです。
7.次世代の担い手を育てることが今後の目標
――今後の展望を教えてください。
弊社は「人材育成」を第一義に置いて、社員教育に力を入れています。ですので今後も引き続き、社員の成長を促しながら、会社の成長も共に目指してまいります。そして社員にとって、安心して楽しく勤められる会社にしていきたいですね。
またその中で、会社の次世代の担い手を育成していけると良いなと思っています。そのためには、私自身の成長、ブラッシュアップも必要です。今後も勉強会やセミナーなどを催される機会があれば、積極的に受講したいと思っていますので、ぜひどんどん企画していただきたいです。そしておこがましいかもしれませんが、一緒に成長していければと考えています。
川崎多摩店で撮った社員との集合写真。主にここに写っている社員たちと共に、力を合わせて2019年に起きた会社の危機を乗り越えてきました。
株式会社グリーンケア様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
※株式会社グリーンケア様のホームページ(https://www.gardeningya.com)
※取材2022年10月
※ 成長塾についてはこちら ※ 資料請求はこちら ※ 松本順市の書籍はこちら