第281話 社員は評価や昇給・賞与に対して不平不満を口にすることはありません
2025-10-29

日本人の特性として、会社の「評価」や「昇給・賞与」に納得できないことがあったとしても、直接会社には言わないことが挙げられます。そのため、社員が何も言ってこないからといって不平不満がないということではありません。不平不満があっても口に出さないだけです。
こうした会社に対して不平不満を持ったときの社員の行動は、大手企業と中小企業によって違いがあります。大手企業の社員は、評価や昇給・賞与の決め方に不満があっても我慢します。中小企業の社員は、評価や昇給・賞与の決め方に納得できなかったら建前の理由を言って会社を辞めるのです。
このとき、中小企業の社員は不平・不満を口に出すことはほとんどありません。辞める理由を聞いても「評価や昇給・賞与に納得できないから」とは言わず、「家庭の事情」などの引き留めることのできない理由を口にして辞めてしまいます。aa
こうした背景から、退職を防止するための対策ができないと相談に来られる経営者がいらっしゃいます。「社員が辞めないようにするにはどうしたらいいですか?」という質問ですが、基本的に対策は簡単です。
それは社員を成長させるための「成長制度」をつくり、運用しながら成長制度に対する不明点や納得できない点を社員から直接質問してもらうことです。これは会社に対する批判ではなく、運用されている成長制度に対する質問や不平不満になるため、社員からすれば口にしやすくなります。
ときどき「成果が低い社員に限って質問が多く、一生懸命仕事をしなくても不平不満を言えば自分の評価や昇給・賞与が上がると考えているのではないか」と、社員からの質問に腹を立てて相談される経営者もいます。
しかし実際はそうではありません。運用をはじめた「成長制度」に不平不満がある社員は「自分は一生懸命仕事をしているのに評価や昇給・賞与が低い」という思いで質問してきているのです。
大前提として、ほとんどの社員は日々一生懸命仕事に取り組んでいます。だからこそ、会社の評価や昇給・賞与に納得できないと質問してきてくれるのです。仕事に本気で取り組んでいる証拠です。とてもありがたいことです。
そこで、その質問に丁寧に答えていくことで、社員は自分が誤解していたことに気がつくようになります。そしてこの社員は「成長制度がいかに社員のためにつくられたのか」を正しく理解することになるでしょう。
「成長制度」は社員のためにつくります。社員が感じている評価や昇給・賞与に納得できないといった不平不満を解消し、どうしてその評価、昇給・賞与になったのかを納得できる説明をすることができるのが「成長制度」なのです。
「中小企業で社員が辞めないようにするためにはどのような対策が必要ですか?」に対しては「成長制度をつくって運用すること。そして納得できないことを社員に質問してもらうこと」と簡単な方法をいつもお伝えしています。成長制度によって社員は評価や昇給・賞与に納得できないといって辞めることはなくなるでしょう。つまり、本音の退職理由を解決することができます。
人事上の問題は3つしかありません。「採用・定着・成長」です。この3つの分野で経営者は悩んでいます。この悩みを抜本的に解決するため、社員が会社に対して何でも質問しても良いよう、「成長制度」を大至急つくってください。これが今の時代に求められています。
「成長制度」をつくり、運用することで、社員が辞めてしまう全ての問題を仕組みで解決することができます。「成長制度」の構築はグループコンサルティング「成長塾」で行っています。お申し込みは簡単です。
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