第259話 評価と昇給・賞与は完全一致していることが最低条件
2025-05-21
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人事制度は一般的に、評価を決めて昇給・賞与を決めるための制度です。ところが、この評価と昇給・賞与が一致している人事制度はほとんどありません。意外に思われる経営者は多いでしょう。そのため、社員は「成長した」と会社から評価されたとしても、それによって昇給や賞与がどれぐらい増えるのか、まったく分からないのです。「まったく」です。
昇給・賞与に関心がない社員はいないでしょう。なかには、上司に対して「どうしたら昇給・賞与が増えますか?」と聞いてくる部下もいるかもしれません。しかし、上司に質問しても答えを得られることはまずないでしょう。それは、上司自身も評価と昇給・賞与がどのように決まっているのか、まったく分からないからです。
質問した部下は、上司でさえ分かっていないことに気づくことになります。部下にとっては驚きでしょう。実は、これが人事制度に対する不平不満の温床となっているのです。
社員は「早い」「遅い」の違いがあったとしても確実に成長しています。その社員の成長に伴って、経営者は昇給・賞与を増やしていることは間違いないでしょう。しかし、このことが仕組みになっていないために、社員は評価と昇給・賞与の関係を理解することができていません。
つまり、社員は「この会社で何年働いても自分の賃金がどうなるか分からない」状況で仕事をしているのです。相当不安でしょう。
今までのように、企業によって賃金がそれほど大きく変わらなかった時代であれば、それでも問題はなかったかもしれません。ですが、今は多くの企業、特に大手企業が初任給と中途採用の賃金を上げて採用活動を行っています。こうしたニュースは多くの中小企業の社員の耳にも届いていることでしょう。
賃金が高いことは、社員にとっては願ってもないことです。しかし、多くの場合は欠員補充の募集だから採用時の賃金が高いわけであって、評価の結果として賃金が高いわけではありません。
日本では、欧米のように産業別に賃金相場が決まっていません。そのため、欧米のように転職する度に賃金が上がることはほとんどないのです。
ですから、転職したことで賃金が上がったとしても、それはそのときに限ったことであり、そのまま賃金を維持するには相応の厳しい条件がつく可能性は否めません。残念ながら、日本では転職によって賃金を上げていくことは現実的ではないのです。
その教育を、経営者は在職社員に対してしなければなりません。このことを教育するためにも、自社の評価と賃金が一致している仕組みをつくったうえで社員に説明しなければならないのです。
ENTOENTOの成長制度では「成長シート」の評価(成長点数)で昇給・賞与を決定します。成長シートで社員を評価し、その結果である成長点数によって昇給・賞与がいくらになるのかが全て仕組みになっています。仕組み上で評価と賃金が完全に連動させることができるのです。
この説明ができることで、今いる社員を定着させるだけでなく、採用活動でも活用することができます。ますます厳しくなっていく採用環境においても、社員が採用できるようになっていくのです。
特に「当社では、社員が成長して会社の業績が向上することで賃金がどのように増えるか」を示した「モデル賃金」を用いて明確に説明できることが、採用において有利となる仕組みといえるでしょう。特に、中小企業には有利な仕組みです。
賃金を上げることはとても重要です。しかし、こうした評価と昇給・賞与が完全に連動していることが明確に分かる仕組みづくりがそれ以上に重要であると早く気づいてください。
この仕組みをつくるのは簡単です。グループコンサルティング「成長塾」にお越しください。
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