第277話 中途採用中心から新卒採用への切り替え
2025-10-01

新卒採用がますます厳しくなってきました。2年ほど前から、中小企業の経営者を中心に「思ったように新卒が採用できない」といった相談が増えてきています。
その原因の一つが「新卒初任給30万円」というニュースです。これにより多くの大手企業が採用のため、初任給の大幅な見直しをするようになりました。
こうした経営環境により、新卒採用自体を諦めてしまった中小企業の経営者もいます。しかし、企業の存続発展を考えると、どうしても新卒採用はしなければなりません。なぜなら、日本の中小企業は現在も「メンバーシップ型雇用」が中心だからです。
中途採用の場合、欧米のようなジョブ型雇用であればジョブディスクリプション(職務記述書)によって賃金を決めることになりますが、日本の場合はどうしても応募者の生活も考慮した金額を提示して採用するため、採用時点で評価以上の賃金を支給してしまうことがほとんどです。
事実、中途採用を中心に行っている会社の労働分配率は5%以上悪化しています。中途採用をされている方であれば経験したことがあると思いますが、経験者を採用しても、自社ですぐに高い成果を上げられることはなかなかありません。それは同じ職種であっても企業によって褒めていることが違う、認めていることが違うからです。
同業種・同業界だとしても、企業によってさまざまな仕事があり、内容もそれぞれ異なっています。たとえ経験を積んでベテランになったとしても、それはその会社においてベテランなだけであり、他の会社で通用する可能性は1%にも満たないでしょう。わずか1%です。
ENTOENTOの人事制度(成長制度)では、そうした経営者によって異なる評価を「成長シート」として可視化します。つまり、成長シートの内容は同じ職種であっても1社1社全く異なるのです。
成長シートは作成した会社では非常に役立ちますが、他の会社では全く役に立つことはありません。「この会社の社員として必要なものは何か」を成長シートで明確にすることで、中途採用時には自社の評価を示し、その評価に見合った賃金を決めることができます。
しかし、中途採用した社員のほとんどは前勤務先のやり方を持っています。「前勤務先のやり方」から「自社のやり方」に変えていく大変さを考えたら、新卒採用の方がよほど成長させやすいことは確かです。中小企業は徐々に中途採用による人材確保から新卒採用に切り替えていかなければなりません。
もちろん、新卒採用だと一から育てることになりますので、社員教育が大変だと思われるでしょう。新卒採用した社員を一人前にするまでに、5年から10年はかかるのが前提です。会社としては、できるだけそのスピードを早めていく必要があります。
そこで「成果を上げるための仕組み」をつくり、新卒社員でもすぐに高い成果を上げられるようにしなければならないのです。大手企業と中小企業の業績の違いの一つは、この仕組みの数の違いといってもよいでしょう。
成長シートがあれば、この仕組みをつくることができます。成長シートで評価する項目「重要業務」で、全ての社員が成長基準5点中4点以上を獲得することができたとき、その「重要業務」を成長シートから外して「仕組み」にしていくのです。
これまで社員がやっていたことを仕組みにすることで、新卒社員はその仕組みを活用するだけで成果を上げることができるようになり、労働分配率が大幅に改善し、賃上げ原資の捻出が可能になるのです。
企業を存続発展させるためには、中途採用から新卒採用に切り替えることが大切な人材採用戦略であると知らなければなりません。そのためにも成長シートの作成は必須です。
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