第11話「阻害要因を発見し解決する」

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経営者は様々なことで悩みを持ちます。その悩みを、毎日のように多くの経営者から「相談」と言う形で持ちかけられます。1か月平均100人です。

例えばある経営者はこうでした。
「当社はどうしても人間関係がうまく行っていません。私は社員に、同じ会社に入社したのだから皆で仲良くやっていきたい、助け合っていきたいと話をしていますが、一向に改善するようには見えません」

どうしてこの組織風土が悪いのか、当社に集まる社員はそんな人間ばっかりなのかと肩を落としていました。

ところがその経営者とお話しをしていると、その会社では営業社員に歩合給を採用していることが分かりました。

その経営者に私はこう伝えます。
「歩合給を採用していることが、この職場の雰囲気を悪くしている原因の1つですよ」

その言葉に経営者は驚いたような顔をしてこう答えます。
「歩合給ほど公平な賃金の決め方はありません。社員も歩合給なら賃金の決め方がとても分かり易く、公正・公平ですと喜んでいました」

そうかもしれません。特に成果の高い営業社員ほど喜んでいたかもしれません。
であれば、その会社は全員が喜んで素晴らしい組織風土の会社になっているはずです。
ところがそうなっていないのは、何か理由があると思わざるを得ないでしょう。

社員の立場で考えたら、次のことを考えるようになります。

「成果を上げるやり方が段々分かってきた。コツも少し見えてきた。いろいろ苦労しながら自分自身で掴んだこの秘訣を、とても他の社員に教える気にはならない」

「場合によっては他の社員が失注したお客様を私が後でアプローチして自分の成約につなげることも可能である」

とても残念な考えを持つようになってくるのです。

この成果の高い社員は、他の成果の上がっていない社員が聞いてきても教えることはありません。自分のことしか考えない社員が、歩合給の多い社員と言えるのです。

この社員も最初はそんな社員ではありませんでした。他の社員に聞かれたら教えていました。ところがこの賃金制度がその社員を変えてしまったのです。

変わってしまった社員を見て、そして社内の雰囲気を見て、「どうしてこうなっているのか」と社員の問題として取り上げてはいけないのです。

この会社にはその社員がそうならざるを得ない、成長することを阻害する要因が歩合給と言う形で存在しているのです。

過去何百社という会社が、成長塾でこの歩合給をやめてきました。それによっていままであった、「社内の風土が悪い、教え合わない、仲が悪い」という問題を一気に解決していきました。

何か問題が発生したら、「当社にはそうならざるを得ない何かがある」と観察分析をして欲しいと思います。それを人事制度をつくって運用したら、今抱えている問題が一気に解決する。これが人事制度のパワーです。

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