第318話 「すぐに」業績を上げる方法
2026-08-05

業績向上のためにすることといえば、さまざまな新しい挑戦に取り組んだり、そのための方法を学んだりすることでしょう。そのために、それを現場の社員に説明し、実際に取り組ませるといった手順を踏むことになります。
しかし、その取り組みが実際の成果につながったかどうかを確認するには、最低1か月はかかると一般的には考えられます。成果(結果)が確認できるまで1か月もかかるような方法を継続的に実施するのは、よほど企業風土が良くなければ難しいでしょう。
多くの企業では、業績検討会議を毎月行っています。私の書籍を読んだ方やセミナーに参加された方であれば、業績検討会議では成果の高かった店舗、営業所、ライン拠点などの担当者に、なぜ高い成果を上げられたのかを尋ねるかもしれません。
ところが、そこで業績を上げた方法を具体的に確認するのは、ほとんど不可能だと言わざるを得ないでしょう。それは、エビングハウスの忘却曲線があるからです。
忘却曲線とは、人が時間の経過とともに学習した内容を忘れていく割合を示したものです。1か月が経過すると、8割以上を忘れてしまうとされています。つまり、なぜ成果が高かったのかを1か月後の業績検討会議で説明できる人は、ほとんどいないと考えた方がよいでしょう。
では、これが毎日計測できればどうでしょうか。私の以前の勤務先では、毎日「時間粗利」を算出していました。時間粗利は従業員1時間あたりに稼いだ粗利益を示します。
この会社も当時、業績が良い店舗の店長に対し何をしていたのかを会議中に尋ねても、曖昧な答えしか返ってきませんでした。そこで、各店舗の生産性を毎日算出する仕組みをつくったのです。
この仕組みによって、店舗間の生産性の違いだけでなく、従業員一人ひとりが昨日と今日でどのような行動をしたことで業績がどれだけ変わったのかも明らかにすることができるようになりました。
営業部長は、毎日各店舗から報告される生産性(時間粗利)を見て、特に生産性が高かった日の「やっていることの違い」を共有するのがメインの仕事になりました。これにより、他の店舗の店長も、毎日生産性を上げた店舗の具体的な取り組みを知ることができ、次の日から同じことをするようになりました。
このように、昨日と今日で生産性の違いが明確になれば、次の日には他の店舗でも同じ「高い生産性を上げる取り組み」をすることができるのです。この方法によって、前勤務先は35年前の小売業界の中で最も高い、時間粗利5,600円を実現することができました。
すぐに生産性を上げるために必要なのは、生産性を上げた方法を即時確認し、即時共有をすることです。たったそれだけです。すぐに(毎日)生産性が向上する様子が目に浮かぶでしょうか?
このような仕組みをつくることは難しいと思えば、難しいかもしれません。しかし、私たちは既に大手メーカーである「トヨタ」からこのことの重要性を学んでいるはずです。
トヨタには問題が発生した際に異常を知らせる仕組みとして「アンドン」というものがあります。問題が発生したらすぐにラインを止めて原因を追究します。そして、不良品を出さない仕組みをその都度改善しているのです。
もしトヨタが、不良品が出た1か月後に業績検討会議で対策を練っていたら、いつまで経っても不良品を出さない仕組みをつくることはできなかったでしょう。
大切なのは、社員を頑張らせることではありません。成果(生産性)の高い方法をすぐに見つけ出し、すぐに共有することです。これを仕組みにして継続できるかどうかで、大きな業績の差が生まれます。そのことに気づかなければなりません。
すぐに実行できる取り組みを、いち早く共有できる仕組みをつくることが重要です。今回、この仕組みづくりも含めて、「早く」「簡単に」「お金をかけず」に成果を上げるにはどうすればいいのかを説明する無料のオンラインセミナーを開催します。
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