第322話 人事制度で「成功」するために必要なもの
2026-09-09

ある経営者から、成長シートをつくって運用した結果、「社員全員が一緒に学び合う組織風土」ができたという、うれしい報告をいただきました。
その際、私は一つ質問しました。
「成長シートは、これまで何回くらい見直しましたか?」
すると、その経営者は「3年前につくってから、一度も変更していません」と言うのです。
私は驚きました。成長シートの内容を3年間一切見直ししていないということは、3年前から現在まで、社員があまり成長していないことになります。
成長シートは、優秀な社員をモデルにしてつくります。優秀な社員が何をしているのかを、会社全体で可視化・共有化し、全ての社員が同じように高い成果を上げられるようにするためです。
成長シートの成長基準5点以上に成果を上げた社員がいれば、その社員が実践していることをその都度成長シートに反映します。その内容が3年間変わっていないのであれば、会社の業績は3年間であまり向上していないことを意味します。
もちろん、社員全員が一緒に成長する組織風土になることは重要です。しかし、会社全体の業績向上につながっていないのであれば大問題です。
成長シートの見直しが必要になることは、これまで優秀だった社員が、さらに高い成果を上げたことを意味します。つまり、目指すべき「優秀な社員」というゴールがさらに高くなったことになります。
私たちは、社員にも「成長シートのつくり方」を学んでもらうことが重要だと考えています。
一般的な評価シートをつくる場合、その内容を決めるのは、経営者や人事担当者の仕事だと思われています。しかし、成長シートには「社員全員でつくり運用する」という大原則があります。その原則を守って見直していくことが必要です。
経営者や幹部からこの原則の説明を受けた社員は、成長シートは全ての社員が優秀になるためにつくられていることを理解します。見直しにも喜んで取り組むようになるでしょう。
前勤務先(魚力)では、全社員の協力で成長シートをつくり、運用を始めました。その結果、社員の成長スピードは高まり、基本的に3か月に1回は成長シートを見直すようになりました。
経営者が現場で頑張っていた当時の時間粗利(1時間あたりの粗利益)は2,600円でした。ところが、成長シートを運用後、経営者が「経営者本来の仕事」をするために現場を離れてから、時間粗利は継続的に高くなり5,600円にまで上昇したのです。やることが同じでは5,600円にはなりません。
これほど高い生産性を実現したのは、経営者一人が頑張ったからではありません。現場で働く社員が経営者と一緒に成長シートの見直しに取り組み、優秀な社員を目指して成長していったからです。
人事制度には「社員の協力」と「社内での見直し」が必要不可欠です。その後も3か月ごとに成長シートを見直していったことで、時間粗利は毎年5%以上継続して上昇し、その結果5,600円という当時の小売業では実現できなかった日本一の数字を達成できました。
現在、成長シートは大きな注目を集め、多くの企業でつくられて運用されています。運用されている企業の皆さまには、成長シートの見直しがどのくらいの頻度で行っているか、一度確認していただきたいと思います。
仮に、成長シートをつくった後、一度も見直していないのであれば、成長シート本来の役割を果たせていない可能性があります。成長シートの「見直し」を継続して行っているかどうかが、人事制度における成功と失敗の分かれ目になるでしょう。
他にも、人事制度で成功している企業は数多くの成功条件をクリアし、社員を成長させて業績を向上させています。2026年9月現在、人事制度の成功と失敗の理由を解説する無料オンラインセミナーの申し込みを受け付けています。
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