第157話 社員は自分の賃金の増やし方を知っているか?

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第157話 社員は自分の賃金の増やし方を知っているか?

2023-05-09


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賃金はどのように増えるのか?
この教育がとても重要な時代になりました。

そもそも社員の賃金は物価高によって上がるのではなく、社員の成長によって上がることが最も大切な要因です。社員を大事にする経営者は、社員を成長させて業績を向上させ、そして賃金を上げたいと考えています。この考え方は欧米で生まれた経営学では一切触れていません。

損益計算書について理解している社員からすれば、社員の賃金を上げることは営業利益を減少させることになるため、経営者は賃金を上げることに対してあまり積極的ではないと思うでしょう。

ところが、経営者の中には業績が良くなったらその分昇給・賞与を増やしてあげたいと考えている方が少なからずいます。その考えを具体的に社員に説明しなければならないでしょう。

経営者が昇給・賞与の支給合計金額を決めるときには必ず損益計算書を見ています。そして、その内のどこかの利益が前年よりも増えていたときは、その増えた分昇給・賞与の合計金額を増やそうと考えているのです。これは実際に過去の昇給合計金額や賞与合計金額と損益計算書を見比べれば、はっきりと分析することができます。

当然ながら賃金を上げることは将来の人件費を増やすことにつながり、リスクを増やすことになります。しかし、実際にそのリスクを承知の上で昇給・賞与を増やしているのであれば、この昇給合計金額や賞与合計金額を何に基づいて決めてきたのかを分析し、社員に発表することが可能になります。

そして昇給金額は社員の成長度合によって違います。例えば、評価が20点の社員と40点の社員と60点の社員と80点の社員ではそれぞれ昇給金額が違います。これは、差をつけているのではなく社員の成長によって増やしています。賞与も全く同じです。これは各社員の過去の昇給・賞与の実績を分析するとはっきりと分かります。

この社員の成長によって金額が異なることも、社員に前もって説明することが必要な時代になりました。

社員に「頑張ったらたくさん昇給・賞与を出す」という言い方では問題があります。一番昇給・賞与の多い社員一人だけが頑張っていることになります。まずは会社の業績を良くすること、その業績が良くなった分だけ昇給・賞与が増えることを事業年度の最初に説明することができるようにならなければなりません。

そして、成長することによって金額がどの位増えるか前もって分かることで、社員はこの会社で成長することが自分の昇給・賞与を増やすことにつながると分かります。

このときに必要なのが「成長シート」です。この会社でどのように成長することができるのか、そして今どれだけ成長しているのかを社員が自分で確認できるよう、仕組みにしなければならないでしょう。

この「成長確認」は曖昧なものではいけません。しっかりと絶対値、成長点数として分からなければならないのです。成長点数が増えていくことで昇給・賞与が増えていく。その前提として会社の業績、例えば経営目標が実現できたときにはいくらになるか。またはその経営目標が実現できなかったときには昇給・賞与はどのように変わっていくのか、このことを前もって教育している会社は本当に少ないと言わざるをえません。

物価高によって賃金が次から次へと上がっていく今の時代においては、この教育がとても重要になりました。会社の業績、そして成長点数によって自分の昇給・賞与が前もって分かる会社になることで、社員はこの会社で成長していくことに安心感を得るでしょう。

社員の定着率を高めるためには、目先の金額を上げることよりも、この会社でじっくりと成長しながら賃金を上げていくことがしっかりと計画されていなければなりません。

日本では転社した全員の賃金が上がることはありません。欧米と違って賃金交渉することが一般的ではないからです。賃金が上がる人の割合もせいぜい2割でしょう。入社後も継続して賃金が上がる保証はありません。今の会社で成長していくことで将来的には転社するよりも高い賃金を得られるのです。

転社にチャレンジするよりも、社員を成長させる人事制度のある会社で成長することがとても重要です。そのことを教育しているでしょうか?



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