第310話 「賞与の給与化」が新卒採用の武器になる

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第310話 「賞与の給与化」が新卒採用の武器になる

2026-06-10

 
何事にも共通しますが、やってみなければ分からないことはたくさんあります。ソニーが始めた「賞与の給与化」は、これまで支払っていた賞与を、毎月の賃金に振り分ける取り組みです。

ソニーでは、新卒採用のために初任給を上げるのが目的で、この賞与の給与化を行いました。現在は社内でさまざまな問題が発生しているとも聞きます。しかし、どのような取り組みでも、実際にやってみなければ分からない点が多いことは事実です。そうした意味でも、先行して取り組んだソニーの事例を敬意を表しながら研究し、中小企業もこの賞与の給与化に取り組んでいく必要があります。

世の中にはまだ賞与の給与化の事例がほとんどありませんので、成功事例を見たことがない方も多いかもしれません。しかし、すでに賞与の給与化によって、大手企業との採用の競争に勝って新卒を採用できた中小企業の事例があります。大手企業に勝てるなんて信じられないと思うかもしれませんが、これは実際にあった話です。

ある中小企業では、賞与の給与化により初任給を上げたことで5人の新卒を採用できました。賞与の給与化ももちろん勝因の一つでしたが、それ以上に入社を決めた理由は「採用三種の神器」があったからです。採用した新卒社員に聞いたところ、上場している大手企業には”採用三種の神器”がなかった一方で、この企業には採用三種の神器があったから将来を考えて入社を決めたそうです。

採用三種の神器の「3階層の成長シート」「ステップアップ基準」で入社後の具体的な成長ステップが分かり、「モデル賃金」によって入社後40年間の賃金がどのように増えていくのかが具体的な金額で示される。こうした入社後の将来に対する安心感を、説明会の時点で伝えたことで、大手企業に負けずに採用することができました。

この事例から、中小企業は大手企業に勝てないと諦めるのではなく、いろいろなことに挑戦していく必要があると改めて感じるでしょう。

さらに、賞与の給与化に取り組んだことで思わぬ効果が出てきたという報告も、多くの中小企業経営者から届いています。それは、社員が今までとは全く違うくらい高いモチベーションで仕事をするようになったというのです。

ここでいうモチベーションとは、仕事に取り組む意欲のことです。毎月の賃金明細を見るたび、賃金が大きく増えたように感じられ、その期待に応えようとする気持ちが強くなったのでしょう。

とはいえ、本来であれば賞与として支給される金額を、毎月の賃金に加えて前払いで支給するようなものですので、年収は以前と変わりません。もし会社の業績が良いのであれば、その分はまた賞与として受け取ることになるでしょう。

ある経営者は、これを中国の古典になぞらえて「朝三暮四」と表現していました。これは、見せ方を変えることで受け取り方が大きく変わる、という意味です。もちろん、そのことを期待して賞与の給与化をしたわけでは毛頭ありません。

企業にとっては、年収が同じであるためリスクはありません。
一方で、毎月の給与を増やすことによって、社員はとても喜び、その期待に応えようとして仕事に取り組むようになります。その説明を受け、私はその効果に本当に驚きました。

すべてのことは、やってみなければ答えは出ません。経営は実践あるのみです。やったことすべてが成功するとは限りませんが、改善を重ねながら取り組むことで、最終的には成功することができるでしょう。

まだ賞与の給与化に取り組んでいない経営者には、ぜひ一度取り組んでみる価値があることを知っていただきたいと思います。ただし、そのためには「賃金制度」が必要です。社員が納得する賃金制度について知りたい方は、ぜひ弊社の行っている無料セミナーにまずはご参加ください。わずか2時間で正しい人事制度が分かります。

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