第60話「人事制度に失敗する共通の理由の確認」

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第60話「人事制度に失敗する共通の理由の確認」

2019-11-04

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経営者は自分の評価や賃金の決め方に自信を持てず、コンサルタントを頼って人事制度を構築します。

経営者にとってみれば、今までが自信のない決め方でしたから、コンサルタントにお願いをして人事制度をつくれば、社員は喜んでくれるものと考えています。

もっとも、マスコミから報道される情報の中に、人事制度で社員が元気に成長したという報道はありませんので、概ね社員は不安を持ちます。

そして、つくった人事制度を説明するときに

「優秀な社員にはたくさん昇給・賞与を出す」

という発言によって、社員の誰しもが思っている

「たくさんの昇給・賞与をもらいたい」

という気持ちをさらに増幅させることになります。

一般職層で高い成果を上げている社員は、どうすれば自分がたくさんの昇給・賞与をもらえるか、と考えながらこの人事制度を見ることになります。

この人事制度に、評価が高ければ昇給・賞与が高くなる、と書いてあるとすると、社員は高い成果を上げない低い成果のままの社員がいた方が良いと考えることになります。

それによって、優秀な社員は成果の上がっていない社員に対してアドバイスをしなくなります。

自分の成果を高めることよりも、成果の上がっていない社員の成果のギャップを拡大させることによって、昇給・賞与をたくさんもらおうとするのです。

人間としては最低の人間になることになりますが、その気持ちを止めることはできません。誰しもが昇給・賞与をたくさんもらいたいと考えているからです。利己主義の世界です。

こうやって人事制度を導入した会社が、導入する前よりも業績の伸びが遅くなったり、組織風土が悪化する理由はこのような原因があるためです。

経営者は社員の処遇について、どのように思っているでしょうか。何らかの縁があって入社したすべての社員の昇給・賞与を上げてあげたいと思っています。

導入した人事制度の良し悪しは、導入後に経営者の思ったとおりの組織になっているかどうかで、判断することになります。

もし人事制度を導入して、社員の仲が悪くなったり、組織風土が悪くなったり、さらには今まで以上に業績が悪化してしまったとすれば、それは人事制度に問題があります。

私が人事制度の構築指導をするときには、結果で見ることをお話しています。

人事制度導入後に、全社員が一緒に手を取り合って

「この会社で一緒に成長しよう。そして一緒に昇給・賞与を増やそう」

と考え行動したときに、経営者の想いを正しく可視化した人事制度であることが分かります。

人事制度そのものが良いかどうかは、つくって運用した後で、はっきりと分かります。社員が成長し業績が向上したら「良い人事制度をつくった」と喜んでください。

また逆の場合であれば、すぐその人事制度の見直しをしないと、せっかく作成した人事制度が組織の成長発展を大きく阻害する要因になってしまうでしょう。

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