第99話 2019年以降の優秀な営業社員は生産性が高い社員

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第99話 2019年以降の優秀な営業社員は生産性が高い社員

2022-02-22

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今までの日本では、成果の高い社員は優秀な社員と褒められていました。この成果の高い社員の特徴の一つに「がむしゃらに仕事をしていた」ということがあるかもしれません。

優秀だと褒められていたある社員は、残業を厭わずに仕事をしていました。さらに、休日出勤も嫌がらずにしていました。つまり、長時間労働と引き換えに高い成果を出していたのです。
この実態から、高い成果を得るためには残業をすること、そして休日出勤をすることが条件のように思え、そうした社員を褒める習慣が日本では長く続いてきました。

しかし、本当に優秀な社員は「成果の高い社員」ではなく、「生産性の高い社員」であることを明確に、そして数字で語ってこなかったことが今大きな問題になっています。

今まで、人事制度の構築支援をしてきた会社で、営業社員の賃金の中に固定残業代を支給している確率は80%以上という現実があります。これは「通常の所定内労働時間ではとても高い成果を上げることはできない」という意味合いで出しているのでしょう。これが営業社員の生産性を下げる結果になっていることに気がついていません。

例えばカーディラーで、月間20台販売しているA社員と、月間19台販売しているB社員ではどちらが優秀でしょうか? これは誰が見ても月間20台販売しているA社員となるでしょう。しかし、これに1台販売するのにかかった時間(生産性)を出すと、そうとも言えないのです。

A社員は残業含めて300時間で20台を販売しています。B社員は残業含めて200時間で19台を販売しています。生産性を出すとA社員は15時間で1台、B社員は約10時間で1台販売しています。どちらが優秀か、生産性を考えれば明らかにB社員の方が優秀なのです。

このB社員があと100時間残業したらどうでしょうか。さらに10台売れることは計算上はっきりと分かります。大事なことは成果を上げるのではなく、生産性を上げることです。生産性を上げる考え方を会社の中に取り入れれば、いつかは200時間で19台から170時間で19台を販売できるようになっていくでしょう。

この生産性が高い社員が優秀だという評価の仕方が、ほとんどの会社の評価の中には入っていないのが現状です。生産性の高い社員を優秀だと認め、そしてその生産性の高い社員をモデルにして、成長シートをつくることが求められるようになりました。

実はこの考え方を持つと、営業社員は原則的にエンドレスで成果を上げることが可能になります。今までのように残業をして成果を上げるやり方はどこかで必ず問題が出てきます。今の長時間労働によって成果を上げていることは、この先会社にとっても本人にとっても利益はありません。大きく舵を取る時が来たと言えるでしょう。

生産性の高いやり方を共有化するだけで、会社全体がとんでもなく高い生産性を実現することができます。

私はそのやり方で人時生産性2,600円から5,600円にすることができましたが、これは生産性の高いやり方を共有化した結果に過ぎません。全ての社員が優れたやり方を共有化する組織は、今後の時代に生き残ることができる会社と私は断言します。

どうぞ生産性向上に取り組んで下さい。



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