第171話 中途採用で押さえるべき経験より大切なこと

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第171話 中途採用で押さえるべき経験より大切なこと

2023-08-22

中途採用する時に求めていることは何でしょうか? 一般的に即戦力を求めているでしょう。中途で採用する以上、早期に成果を上げる優秀な社員を採用して経営を楽にしようという考え方は、当たり前といえば当たり前でしょう。

しかし、それだけの実力があるかどうかは、入社してみないと分かりません。日本の場合、面接時には「何ができるか」ということばかりが採用の決定要素になっています。大事なことは入社後にどれだけの成果を上げることができるか、応募者に入社前に明確に数値で説明してもらわなければなりません。

中途採用の場合には事業規模の急拡大、または欠員募集といった緊急度が高い採用のために、採用時の賃金が高額になることは往々にしてあります。

基本的に、入社から半年も経てば社員が実際どれだけの実力を持っているか明確になります。このとき、面接時の評価と入社半年後の評価にギャップがあり、賃金を払い過ぎていると後悔する場合があります。そのため、半年後にはこの賃金の見直しができるようにして採用しなければなりません。

しかし、仕事ができるかどうか以上に重要なのは、我が社の組織風土に合うかどうかです。

会社にはそれぞれの考え方があるでしょう。その考え方に共感するかどうかは、6か月間あれば十分判断できます。そして会社の考え方に共感しているかどうかは、社員の行動で判断することになります。

それが勤務態度の遵守です。組織風土に基づいた具体的な社員の行動、守ってもらうべき態度です。

この態度が守れるかどうかがとても重要であることに気がついている会社はあまりありません。つまり、成果を上げる仕事はできても、勤務態度を守らない社員がいます。

「協調性がない」や「責任感がない」といった、我が社の社員としてふさわしくない状況があったとすれば、それはこの会社で定着する可能性は低いことを知らなければなりません。

なぜなら、日本企業の場合は基本的に一般階層で優秀な社員を次の中堅階層にステップアップさせ、部下育成の仕事をしてもらうことを期待しています。

勤務態度が悪い社員を上司にすることはできないでしょう。上司が最初に取り組む仕事は部下の勤務態度を守らせることだからです。例えば「遅刻をしない」「仲良く仕事をする」「困っている人を助けてあげる」ができていない上司が、その勤務態度を部下に指導することはできません。

つまり、中堅階層にステップアップする社員は勤務態度を守っていなければならないのです。そのため、中途採用で成果の高い優秀な社員を採用する場合でも、必ずこの勤務態度が守れることを採用の条件にしなければならないのです。

今すぐこの会社全体の業績向上に貢献してもらいたい気持ちは経営者の中にあるかもしれません。

しかし、結局定着しないような社員を採用してしまえば、指導した努力が全て無駄になってしまいます。この繰り返しをしてはならないでしょう。

成果を上げられる以上に、必ず採用する時に我が社の勤務態度が守れるかどうか判断することが大事です。一度我が社の勤務態度を確認してみてください。難しいことは一つもないはずです。小学校・中学校・高校レベルの守るべきことしか書いてありません。

勤務態度の内容は企業によって若干違いはありますが、どれも難しく理解できないものではないでしょう。我が社の勤務態度を大事だと思って守れるかどうか。たったそれだけです。

高い成果を上げられるかどうかだけでなく、勤務態度が守れる社員を中途採用しているでしょうか?



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