第203話 社員には高い経営目標を「ありがたい」と言ってもらいたい

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第203話 社員には高い経営目標を「ありがたい」と言ってもらいたい

2024-04-09

過去、さまざまな企業から「経営計画書の発表会」での記念講演を依頼されてきました。この発表会では今期の経営目標を会社が発表しますが、出席している社員のうち約2割は、必ずといってもいいほど経営目標の実現を最初から「無理」と諦めています。

経営者が「この目標を実現しよう!」と言っているにもかかわらず、最初から「それは無理だ」と断言する社員がいることに驚きを隠せません。もっとも、これは規模に関係なく、全ての企業が同じ状況にあることは間違いないのです。

目標が高ければ高いほど、革新的なことをしなければなりません。つまり、今までのやり方では目標を達成することができないため、約2割の社員は「苦労しなければならない」という思いが頭をよぎり、実施する前から達成できないと結論づけてしまうのでしょう。

このままでは経営目標の実現は無理です。目標とは、全ての社員が一致団結して取り組むことで初めて実現するものであり、ごく一部の社員が頑張ることで実現するものではないからです。

では、一人残らず全ての社員に「経営目標を実現しよう」と思ってもらうにはどうすればよいのか。その悩みは尽きず、解決方法もなかったでしょう。しかし、今このような時代でも全ての社員が経営目標を実現しようと考えるようになる方法があります。それは、経営目標と賃上げ率を関連づけて一緒に発表することです。経営目標を達成することで自分の賃金が上がると理解することで、全ての社員は経営目標の達成にまい進するようになります。

ここで重要なのは賃上げ率の説明です。仮に経営目標達成時の賃上げ率が【平均】3%だったとしても、各社員の成長によって賃上げ率は異なり、全ての社員が一律で3%アップするわけではありません。つまり「賃上げ率は【平均】3%」であることを前もって説明できなければなりません。

大手企業の賃上げ率は労働組合との交渉によって決まる場合が多く、そのほとんどが全社員一律の賃上げ率をかけて賃上げする方法をとっています。しかし、これは現実的ではありません。例えば、同じ一般階層の社員であったとしても「入社したばかりの社員」「ある程度仕事ができる社員」「優秀な社員」では当然、賃上げ率はそれぞれ異なります。このことを事前に発表し、社員に理解させることが必要です。

中小企業では、もともと全社員に同率の賃上げ率をかけて賃上げはしていませんでした。このことを理解すると社員には、大事なことが伝わります。それは「成長すれば、その成長に沿って段々賃金が増える」ことです。このことに納得したうえで、全ての社員が「この経営目標を実現することが大事だ」と学びます。「全社員の賃金が一緒に増える」がポイントです。

全ての社員が「賃上げするためには経営目標の実現が必要だ」という共通認識を持ち、目標達成に向けて全社員一丸となって取り組んでいくようにしなければなりません。そのためには、経営目標の発表時点で、経営目標の実現が賃上げにどのように影響するのかを説明するのです。

もし「経営目標が実現できたとき、社員個々の賃上げがどれほどの金額になるかを経営目標【発表時】に社員に知らせたい、そして納得してもらいたい」と思っている方は、ぜひ成長塾にご参加ください。賃上げの金額が「経営目標発表」という期初の段階で説明できるようになります。その後の社員の成長に驚いてください。

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