第260話 転職しても賃金は上がらない本当の理由
2025-05-28
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転職を考えている社員が確認している情報の一つは「転職後の賃金」です。現在より賃金が上がる会社を探しています。
「賃金が上がるから転職する」
これは普通の判断であることは間違いないでしょう。
しかし、日本では転職後も継続して賃金が上がることは約束されていません。日本には欧米のような「産業別組合」がなく、各業界における賃金相場が存在していないからです。つまり、スキルアップによる賃金の上昇が約束されていません。
異業種への転職は賃金が上がらないのは当然だと思えますが、同業種への転職でも相場がないために賃金が上がる保証はないのです。このことを経営者は説明していません。
また、転職時の賃金が今よりも高いとしても、その賃金がその後も増える保証はありません。これは採用する会社側の視点で考えれば分かることです。
例えば、中途社員を採用する際、経営者は「同業界の経験者であれば高い賃金で採用したい」と思うでしょう。しかし、日本では先述した「産業別組合」がないために、同業種であっても会社によって「優秀な社員像(評価すること)」が全く異なります。
その結果、経験豊富だと思って採用したら自社のやり方とは全く違い、新卒同様に一から仕事を教えなければならないケースが起こり得るのです。採用した社員によっては前勤務先でのやり方をそのまま続けてもらっては困るため、一度そのやり方を全て捨てさせなければならず、新卒を採用した方がまだ良かったという事例がたくさんあります。
こうした中途社員の賃金は結局払いすぎているとなり、大きな問題になっています。
このことを知らずに、賃金の高さだけで転職する社員が非常に多くなっています。転職によって賃金は上がることはないと教育することが、これからの経営においてとても大事な社員教育の一つとなるでしょう。
そもそも、会社が高い賃金を提示するのは即戦力募集という意味合いがとても強いからです。入社当初は高い賃金であったとしても、その後も継続して賃金が上がるかどうかを説明できる会社はほとんど存在しないのです。
改めて、自社の社員には「日本では転職によって賃金は増えることはない」としっかり説明しなければなりません。そのためには「成長制度」の「成長シート」がお役に立ちます。
成長シートには「優秀な社員像」が記載されています。どのようことを会社が評価し、どのようなことをすることで成果が上がるのか、同業種であっても内容は会社ごとに全く異なります。もし、転職先に成長シートがあったとしても内容が全く異なるため、同じように評価して賃金を決めることはできないと社員に説明することが必要でしょう。
この会社には「この会社独自の成長シート」があり、3階層のステップを踏んで成長することで賃金が増えていくと明確に説明できる制度が「成長制度」です。そのためにもこの「成長制度」の導入は重要と言わざるを得なくなりました。
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