第38話 営業研修の効果が続かない理由とは

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第38話 営業研修の効果が続かない理由とは

2020-10-13

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新型コロナの影響で、組織の中にある様々な機能が変更を余儀なくされています。営業職であろうが、工事職であろうが、製造職であろうが、様々な変化を求められています。

その中で特に「優秀な社員像」は様変わりしたでしょう。「緊急事態宣言」「オリンピック延期」「三密を避ける」「テレワーク」「GoToキャンペーン」「プレミアム付商品券」など、今年は特に大きく目まぐるしく環境が変化しています。それでもその環境の変化に適応し、成果を上げている社員がいるのです。

このような環境の変化に適応して成果を上げている優秀な社員は、チャレンジャーと言われる社員です。大きな変化、特に悪い変化があったとしても諦めず、そのピンチをチャンスに変えようと果敢に挑戦しています。

このとき、「Aさんは本当に優秀だなあ」と考え、その社員をちょっと褒めるだけで終わってしまっていませんか。これでは社内でどのように優れた成果の上げ方が生まれたとしても後に残りません。

経営者に褒められれば、社員は嬉しいでしょう。ところが、褒めてもらったことが会社の評価に結びつくのか、そして処遇(昇給・賞与・昇進・昇格)に反映されていくかどうか、社員には皆目見当がつきません。

確かにチャレンジが楽しみであると言えるでしょう。しかし、そこには大きな苦労が伴います。その苦労をしながらでもキチンと会社で評価してくれて、処遇に反映されているのであればその気持ちを失うことはありません。しかし経営者が「Aさんは優秀だから大丈夫だろう!」とほったらかしてしまったら、いつか評価が処遇に反映されていないことが分かったときにAさんは挑戦を止めることになります。これは挑戦だけの話ではありません。

「営業研修を行い、高い成果を上げた社員がいた。にもかかわらず、気が付いたら営業のやり方が元に戻ってしまっていた」
「生産性向上に全社で取り組んだ。自分が音頭を取っていた間は生産性が上がり続けたが、部門長に任せたとたんに上がらなくなってしまった。その後、生産性も元に戻ってしまった」

これらはすべて、良かった評価の内容(期待成果、重要業務、知識・技術、勤務態度)を可視化して処遇に反映させなかったために起きることです。

営業の仕方が変わったら、製造の仕方が変わったら、工事の仕方が変わったら、一緒に評価や処遇の仕組みを変更してください。そうしなければ残念なことに、現場の社員の挑戦はいつか静かに停止してしまいます。そのことに気が付いてもらいたいと思います。

評価や処遇の仕組み、それが人事制度です。
私が申し上げる人事制度は、すべての社員を優秀にするための人事制度であり、すべての社員の昇給・賞与を増やす人事制度です。ダメな社員の賃金を下げよう、会社を辞めてもらおう、という考え方の人事制度ではありません。多くの経営者はそんなことを考えて経営をしていません。

あらゆる企業にとって人事制度はインフラであり、企業全体の全体最適を実現するための重要な制度です。
インフラは古くなれば新しく変える必要があります。
環境に適応して優秀な社員が変わったらまずは成長シートの見直しを始めてください。



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