第144話 上司の評価の仕方を間違えると成長しない
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「部下を成長させて欲しい」多くの経営者が全ての上司に対してその想いをお持ちでしょう。そのため、部下を持つ上司にマネジメントの本を読ませたり、セミナー・研修に参加させたりしています。では、この上司の成長をどのような数字で評価しているでしょうか。
私の前職である小売業では、部下を持つ中堅階層の役職は「店長」でした。日本全体の小売業界において、店長を評価するものは何でしょうか。ほとんど例外なく「売り上げ」でしょう。
売り上げで評価すると、店舗の売り上げの高い店長が優秀だと評価されます。例えば、1日の売り上げが30万円の店舗の店長、100万円の店舗の店長、500万円の店舗の店長の中で誰が一番褒められるでしょうか。もちろん、経営者は1日の売り上げが500万円の店舗の店長を褒めるでしょう。これは正しい評価でしょうか。売り上げの違いは、店長の部下指導より実際は立地や店舗規模による場合の方が大きいです。
この上司を何で評価するかがとても大事です。そして常に社員は評価されるように行動します。上司である店長も評価されるように育っているのです。売上高で評価されるのであれば、店長は優秀な社員だけを自分の部下にしようとします。それは自分の店の売り上げを上げるためには優秀な社員が部下にいた方が有利だからです。あまり優秀ではない部下が店舗にいたら、他店に異動してもらいたいという気持ちになるかもしれません。
このときに「売り上げ」で評価せずに「部下を成長させたこと」で評価されると分かれば、店長の行動はガラリと変わります。経営者からの想いは「社員を成長させてほしい」です。部下を成長させたことを評価するのであれば、優秀でない社員が配属されても嫌な顔はしません。
では、部下の成長は何を見れば分かるでしょうか。それは部下が成果を上げるための(A)やるべきこと(重要業務)をやることです。そして重要業務をやるための(B)知識技術を身に付けることです。そしてこの会社にふさわしい(C)勤務態度を守ることです。
部下が重要業務を遂行できるようになった。知識技術が習得できた。勤務態度を守れるようになった。全てこれは上司の部下に対する指導による結果です。例えばある重要業務が5段階評価で評価される場合、評価1点から評価2点、3点と成長させたら素晴らしいと評価しなければなりません。
この評価ができることによって、上司は部下指導に本気で取り組むようになるでしょう。なぜなら自分の評価は部下に重要業務、知識技術、勤務態度といった要素を成長させることで評価されることが分かったからです。
そしてこの上司の評価の仕方にすることで、我が社の中で一番部下を成長させている優秀な上が分かります。さらに良いことが、優秀な上司の部下指導の仕方を全上司が共有化し、全上司を優秀にすることができることです。
今我が社で、どの上司が部下指導が上手かお分かりでしょうか。
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