第149話 上司が部下指導を上手にできない根本的な理由
2023-03-07
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部下を持つ上司に対して、経営者は「部下をしっかり指導して成長させてほしい」と心から思っているでしょう。しかし残念なことに、実際のところ上司はなかなか上手に部下指導ができていないのが実情です。
ところが、その上司に対して部下指導が上手にできるようにと指導をしようと思っても、どのような指導をしたらいいのかよく分からない経営者がほとんどです。そのため、経営者は外部の研修機関を頼り、上司が部下指導できるようにしたいと研修に参加させることが往々にしてあります。
しかし、その研修の効果を十分に感じている経営者は少ないと思います。この効果を上げる方法があります。それは、”あること”を思い出すことです。日本で社員に部下を持たせることは、一般階層(プレーヤー)の階層から中堅階層(プレーイングマネジャー)の階層にステップアップしたことを意味します。この社員をステップアップさせるとき、経営者は「この社員の何を見て判断したか?」を思い出さなければなりません。
部下指導が上手だから中堅階層にステップアップさせた会社は、基本的に日本では大手企業も含めて一社もないでしょう。経営者は、一般階層で社員が一人前になったと判断して中堅階層にステップアップさせます。部下指導は中堅階層にステップアップしてから初めて取り組むことになります。
マネジメントができる人に部下を持たせる欧米と、一般階層から中堅階層に上げてから部下指導の経験のない社員に部下指導をさせる日本とは、この根本的な違いがあります。
そのため、社員は「部下指導」という重要業務を中堅階層になって初めて行うことになりますが、このときの成長基準は基本的に1点です。つまり、部下指導をやったことがないところからスタートします。このことを経営者は中堅階層にステップアップした社員に説明しなければなりません。それは次のような説明です。
「あなたは一般階層で優秀な社員になり、一人前になりましたので中堅階層にステップアップしてもらいました。これから部下指導を行なってもらいますが、最初の「部下指導」の評価は1点です。つまり、部下指導ができないところからスタートします。仮に中堅階層にステップアップするのに10年かかったとすれば、部下指導ができるようになるためには10年以上はかかると考えてください。これから徐々に部下指導ができるように指導していきますので、決して焦らず取り組んでください」
このような説明をしておかなければなりません。上司には「部下指導」がすぐにできないのは能力がないからと誤解をさせないことが大切です。
私たちは部下指導ができるから中堅階層にステップアップさせたのではない。これを知っておかなければなりません。これからじっくりと部下指導に取り組んでもらわなければなりません。
そして、実際に部下指導ができるようになったか確認するためには、部下が重要業務をできるようになったか、知識技術が身についたのか、そして勤務態度を守るようになったのかを確認することです。
これらの部下の成長のプロセスを明確にし、部下の成長を確認することで部下指導が上手にできているか上司が分かるようになります。この部下指導できている上司が分かることにより、少しずつ部下指導のやり方を社内に共有することができるようになるでしょう。
まずは、部下指導が上手にできているか分かるような仕組みをつくることが必要でしょう。上司が部下指導できるようになったことを確認する仕組みはあるでしょうか?
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