第160話 社内の教育体制を整える前に準備すること

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第160話 社内の教育体制を整える前に準備すること

2023-05-30

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今、新卒社員が企業に求めている社内環境の一つに「入社後の教育体制が整っていること」があります。

しかし、中小企業で新卒社員を教育するための具体的な教育体制を持っている会社はあまりないでしょう。社内で統一した社員教育ができていないのが現状です。

特に「部下指導」の内容は上司によってバラバラです。上司は自身の今までの経験から学んだことを部下に教えるため、教えられる新卒社員は上司によってそれぞれ別のことを学んでいます。当然ながら部下の成長度合いに差が出てくるでしょう。

それ以上に問題なのは、新卒社員を2名以上採用された場合、社員同士で話をしたときに学んでいることの違いに気がつき愕然とすることです。その結果、上司や会社に対して不安が募り、退職の道を選んでしまうことも少なくありません。

そのため、社員の教育体制を整備することはとても重要ですが、まず最低限度やらなければならないことがあります。それは新卒社員の成長のゴールを示すことです。

まずは社員が優秀だと評価されるときの成果の種類と、その大きさを社員に示さなければなりません。

もちろん、それだけでは不十分です。成果を上げるために指導している内容は、上司によって異なります。そのため、会社として成果を上げるための業務(重要業務)を統一しなければなりません。

そしてその重要業務を遂行するための知識技術を明らかにします。学校での教育とは全く違い、これから学ぶ知識技術は特定の業務をするために身につけることになります。その説明を新卒社員にしなければなりません。

最後に、この会社の社員として成長するためにはどうしても守ってもらうべき勤務態度があります。それを明らかにしなければなりません。

「上げるべき成果」と「その成果を上げるための業務」、そして「業務に必要な知識技術」と「守るべき勤務態度」。これらを一つのシートにまとめあげて成長のゴールとして示さなければなりません。

このシートをまとめることによって、全ての上司の部下に対する指導内容が一致することになります。そしてその成長確認(評価)を会社統一で行うことができるようになります。入社した社員が安心して自分の成長に向かって進むことができる。この環境が最低限必要でしょう。

そして社内の教育体制はこのシートを基にして組まれなければなりません。なぜなら、社内教育は一人前の社員として成長させることが最初のゴールだからです。それに向けて「やるべきこと」、「身につけること」の教育を実施することになります。それが社員を一人前にするための基礎教育となるでしょう。

この教育をすることによって、まずは5年から10年の間に新卒社員がどのように成長すればいいか明らかにすること。これが社内教育体制づくりの基本となります。全ての社員を優秀にしたい、一人前にしたいと考えている会社は成長のゴールを示さなければならないでしょう。

今、入社した新卒社員を教育するための最低限の準備ができているでしょうか?

 


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