第33話「初任給アップに対応する方法」

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今年も新卒社員が入社されたでしょうか?

今年もまた新卒社員の初任給が、前年度の初任給を上回りました。4年連続初任給が上がったことに対して、だんだん社内の賃金の調整が難しくなってきたことでしょう。この初任給の変更は今後ずっと何十年も続くものと覚悟を決める必要があります。

日本全体で労働力人口の減少、つまり新卒社員の数が減ります。この傾向が解消されない限りは初任給は毎年上がることを前提に対策することが必要です。

このとき問題になるのは、昨年入社した新卒社員の賃金です。昨年入社した新入社員の初任給が20万円で、今年採用した社員の初任給が20万5,000円であれば、少なくとも昨年入った社員は20万5,000円以上にしなければなりません。

昨年と今年に入った社員の賃金が同じでは、昨年入社した社員は納得することはないでしょう。どのように社員の賃金を上げるか、考えなければなりません。

例えば初任給を5,000円上げたので、

「全社員の賃金を5,000円上げる」

と豪語した経営者もいます。それはそれで、その会社で増加した人件費の負担額を上回るだけの収益があり、労働分配率が悪化しないのであれば、企業経営上問題なしです。ただこれを毎年やることは到底無理です。

そのため、基本的には最も労働分配率に影響の少ない方法を取ることになります。それには様々な方法があります。

例えば一般職層の社員だけ、今年初任給を上げた分だけの金額を加算をする方法があります。

例えば初任給を5,000円上げた場合、一般職層の社員だけ成長給を5,000円上げる方法です。これが労働分配率への影響を最小限度にする方法の1つです。

中堅職層以上は自分の成長によって成長給がアップする階層であり、当然その初任給のアップした分を加算しなくても十分自分の成長によって昇給を得られる階層と考えられるからです。

そして初任給のアップに伴い、賃金の決め方を変更したら、全ての社員に発表することが大切です。この調整の仕方を曖昧なままにすると、それを探ろうとする社員が出ます。おおむね、自分は不利との結論になるでしょう。そうなってからの社員の不平・不満はより大きな問題になってしまいます。

会社がどのようにその初任給のアップに対応していくのか、その方法やその理由について、会社で新入社員の初任給を開示する前に説明し対応する必要があるでしょう。

つまり来年の初任給をアップさせる必要性があるとすれば、もう既に在職する社員に来年のことを説明しておく必要性があります。

毎年上がる可能性があるこの初任給の見直し。会社として、一つのルールをつくってください。



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