第105話 事業年度の最初に忘れず発表すべきこと
2022-04-05
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4月から新事業年度になる会社は多いでしょう。新年度の経営目標や事業計画を発表する時期でもあります。
今まで多くの会社から、この経営目標の発表会での講演を頼まれて話をしてきました。その際、どの会場でも共通して気がつくことがあります。それは、会社が発表した高い経営目標に賛成していない社員が少なくとも2割いることです。
このことから、社員は組織原則2:6:2通りの反応をすると言わざるを得ません。2割の「高い成果を上げている優秀な社員」が大きな拍手を送り、6割の「まあまあの成果を上げている社員」が半信半疑で首をひねり、2割の「まだ成果の上がっていない社員」は経営者のその目標を聞こうともしません。
これではこれから1年間、経営目標に向けて組織一丸となって取り組むことは難しい状況だといえます。
社員のこの反応の差は、経営目標を社員の処遇と連動させて説明していないことが一つの原因です。
一般的に経営目標は会社の存続発展のために発表すると考えている社員が多いでしょう。もちろんその側面もありますが、それだけではなく「社員の処遇を良くしてあげたい」という経営者の考えが、この高い経営目標に含まれています。この状況を変えるためには、経営者のこの考えを社員へ説明することが大切です。
例えば年商3億円の会社が次年度の経営目標を3億6000万円にしたとします。年商3億円の時は賞与原資が500万円だとすると、経営目標の3億6000万円を実現できたときの賞与原資は600万円になると、通常は社員に説明していません。
もしこのように経営目標が実現できた場合、賞与原資はどうなるのか。さらに、社員それぞれの成長に合わせて賞与額はどうなるのか。
また、来年度の昇給は今年度の実績によって決まりますが、社員がそれぞれ成長すると昇給はいくらになるか。これも経営目標の発表会で説明しなければなりません。
仮に、経営目標が実現できず前年度と同じ実績だった場合、昇給はありません。賞与も他の経費が増えていれば、残念ながら前年度を下回ることになるでしょう。
このことを説明している会社はほとんどありませんが、経営目標を発表するときに賞与原資の計算方法を明示し、それから各個人の賞与額の可能性、そして昇給の可能性を必ず説明してください。全ての社員は経営目標に関心を持ち、そして全社一丸になってその目標達成に取り組むようになります。
全社一丸となって取り組まなければならない理由の一つは、高い成果を上げている社員のやり方を全社員で共有化することが、経営目標を実現するのに最もふさわしい方法だからです。これによって全ての社員の処遇が良くなります。そのことを社員に説明することが必要でしょう。
会社の業績を毎月毎月発表しているのにもかかわらず、「今年の賞与はどうですか?」「昇給はいいですか?」という的外れな質問を社員からされないようにしなければならないでしょう。
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