第132話 悩むほど社員から不平不満が出る業務がある

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第132話 悩むほど社員から不平不満が出る業務がある

2022-10-25

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経営者の中で最も生産性の低い業務、そして社員から最も納得してもらえない業務があります。それが「昇給・賞与を決めること」です。

過去1,347社の人事制度構築のコンサルティングをしましたが、ある経営者は賞与を決めるために1か月悩んでいたと聞いたことがあります。残念なことに、この昇給・賞与を決める時間が長ければ長いほど複雑になっています。

その結果、昇給・賞与を決めた理由について社員から質問を受けても説明することはできません。もし説明しようとしても「いろいろ考えて決めた」となるでしょう。

この生産性が低い「昇給・賞与を決める」業務は、最終的に「社員の昇給額、賞与額を決める」ことです。つまりこれは金額を決めることであり、昇給・賞与の決め方は計算式で示すことができるのです。

経営者が昇給・賞与を決める時に考えている要素はたった二つしかありません。

「会社の業績が良いかどうか」

「社員が成長しているかどうか」

一つ目は昇給・賞与の原資を決めること、二つ目は社員の成長を確認すること、
この二つです。

この二つの要素で昇給・賞与を決めているのであれば、今まで考えてきたことを全部書き出し、それを基に計算式で表すことができます。そしてその計算式を昇給・賞与の仕組みにすることで、社員に説明することができます。

この仕組みを事前に社員に見せることで、社員は次のように理解します。

「昇給・賞与を増やすためには業績が良いことが重要だ」

「業績を上げるためには社員がお互いに成果を上げるやり方を教えることがとても大切だ」

「それぞれの社員がしっかりと成長していくことが大事だが、成果の上がっていない社員は成果の上がっている社員からそのやり方を学び、素直に取り組んでいって成果を上げることが必要だ」

たくさん昇給・賞与をもらいたい。これはほとんどの社員の願いでしょう。しかし、そのためには社員が成長して会社の業績が良くなければなりません。このことは何回も経営者が発言してきたことだと思います。しかしその根拠となる昇給・賞与の計算式を示していないために、社員にとっては単なる謳い文句(リップサービス)としてしか理解されていない可能性があります。

この計算式を明確にすることによって、社員は真実を知ることができます。真実が分かった社員は会社の経営目標に反対することはなくなります。経営目標は社員の昇給・賞与を増やすための大切な目標であることが分かるからです。

もう昇給・賞与で悩むことはやめてください。悩んで昇給・賞与を決める苦労は社員の誰も分かりません。

そしてそのことがはっきり分からないままでは、不平不満が解消されずに成長することはありません。 昇給・賞与を計算式にして、ボタン一つで昇給・賞与を決める仕組みをつくり、社員に安心して成長に進めるようにしなければなりません。御社では社員の皆さんは安心して成長していますか?



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