第147話 中途採用時の賃金の決め方による問題点
2023-02-21
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日本では賞与・退職金を決めるときには、基本給をベースに決めることが一般的です。しかし、この決め方には大きな問題があることに、経営者はあまり気が付いていません。
日本では労働基準法があるために、中途採用した社員の賃金は採用時点で決定しなければなりません。しかし、その社員が実際どれくらいの仕事ができるのか、3か月から6か月間仕事をしてもらわないと分からないでしょう。
つまり、中途社員の賃金は採用してから半年後に初めて評価に見合った賃金を決めることができるのです。
ところが、入社の段階で賃金を決めなければならないとなると、採用面接時の応募者の話から基本的に高い評価になり、基本的に高い賃金で採用することになります。このため、中途採用をしている社員の90%以上は賃金を払い過ぎています。
中途採用時に賃金を決める仕組みがない会社は、この払い過ぎている金額すら把握することはできません。
賃金を払い過ぎている金額が基本給に入っているとしたら、その払い過ぎている金額も含めている基本給をベースに賞与を支給するのでしょうか。退職金の計算をするときもこの基本給で計算するのでしょうか。これでは毎月の賃金ばかりか賞与と退職金も払い過ぎてしまいます。
中途採用をしている会社は、賞与の計算を基本給ベースにすることは問題があるでしょう。
賞与は、基本給を使わずに社員の成長によって支給する方法に変更する必要があります。
同じように退職金の計算を基本給ベースにすることは問題をさらに大きくすることになります。
退職金はその社員の組織貢献度に合わせて支給する方法にしなければなりません。
新卒社員の場合は一律で初任給が決まるため、賃金を払い過ぎることはありませんので、中途採用した社員の昇給・賞与を払い過ぎている問題は見逃すことができないほど、年々大きくなっていきます。
この問題を解決することができなければ、労働分配率を悪化させる一方です。払い過ぎているという問題が分からないこと自体大きな問題ですが、今後の採用難の時代には、この基本給を払い過ぎているという隠れた問題を早く把握し、問題解決に取り組まなければなりません。
決して難しいことでありません。これからの日本では社員の成長と賃金が一致してなければ、ますます高騰する社員の賃金を公正公平に支給することはできなくなるでしょう。
社員の定着率を高めることも、また成長を促進することもできません。この問題の解決に取り組んいますか?
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