第175話 最低賃金1500円時代の到来に向けて準備する

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第175話 最低賃金1500円時代の到来に向けて準備する

2023-09-19

毎年仮に3%の賃上げをしていくと、東京都の場合10年後の2033年には最低賃金が約1500円になります。現状でも、過去最大の引き上げ41円アップは、中小企業にとって頭の痛い問題です。

最低賃金を上げることによって間違いなく人件費はアップするため、労働分配率を一気に悪化させる可能性があるでしょう。中小企業はその余力があまりないかもしれません。しかし、中小企業でも賃上げすることは決して不可能ではありません。

もちろん賃上げするためには、その賃上げに見合った売上・粗利を上げることが必要になります。特に現在、日本では1時間あたりの生産性「人時生産性」の向上が求められています。生産性を向上させることができれば、賃金を上げることは可能です。

同じ会社の社員でも生産性の高さは大きく違います。生産性を向上させている優秀な社員と、生産性がなかなか上がらない社員が混在しています。その差は今までの経験上、1.5倍以上はあります。

その生産性の違いは「やっていること」の違いです。仮に現在の人時生産性が平均3000円だとして、その優秀な社員が生産性を向上させているやり方を全社員に共有化し、全社員が真似すれば1.2倍の3600円まで上げることは簡単なのです。

それだけではありません。実際に優秀な社員のやり方を真似して全員が高い生産性を上げられたとき、社員はそれ以上の生産性を実現するために様々な工夫をするようになるでしょう。つまり、この3600円が最終ゴールではなく4000円、4500円と人時生産性を押し上げることができるのです。

私はかつて人時生産性2600円から5600円の実現を経験しました。これは新しいことに会社が取り組んだのではなく、会社の中にある優秀な社員がやっていることを共有化したに過ぎません。この共有化をすることが一番のポイントです。

同じ会社の社員がやっていることを難しいと考える社員はいませんでした。そのため、社員は共有化したそのやり方にいち早く取り組み、高い人時生産性をすぐに実現できたのです。

今こそ、この人時生産性の向上に取り組む必要があります。しかし、人時生産性は「粗利益÷総労働時間」で計算されますが、日本全体では、生産性を向上するために労働時間を短縮することばかり考えているのが現状です。

人時生産性を上げる最も大切なことは粗利益を増やすことです。その粗利益を増やす方法を社員間で共有化することがとても重要なのです。では、粗利益はどこで稼ぐのでしょうか。それは当然、現場です。現場の社員のやっていることを共有化することによって、この粗利益を増やすことができるのです。

現在、残業の上限規制をしている日本では、残業して粗利益を稼ぐ方向性はもうありえません。短い時間で粗利益を稼ぐことであれば、反対する社員は誰もおらず、笑顔で取り組むでしょう。そして自身の行動によって粗利益を増やすことができるのであれば、社員は「もっと挑戦しよう」となるでしょう。

これからの日本では 現場の社員が新しいことにどんどん挑戦することを認めることです。ただし、この結果としての成果を人時生産性で見るとき、挑戦は全て成功するとは限りません。そのため、これから様々な挑戦を求めても失敗は決して評価しないことを社内に宣言しなければなりません。

貴社は社員の挑戦が失敗したときに、マイナス評価をしていないでしょうか。

 


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