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キムタカ税理士法人様(財務会計顧問、法人の決算申告等 沖縄県)

2022-03-31 [記事URL]

「顧問先企業の悩みに共感し、まずは我々が先駆けて成長塾の人事制度を導入。素晴らしい成果を上げることができたので、現在は顧問先企業にフィードバックしています」キムタカ税理士法人 代表社員税理士 大濱真三朗 氏(写真)

「顧問先企業の人事制度の悩みに共感し、まずは我々が先駆けて成長塾の人事制度を導入。素晴らしい成果を上げることができたので、現在は顧問先企業にフィードバックしています」
キムタカ税理士法人 代表社員税理士 大濵真三朗 氏

●会社プロフィール
社名 キムタカ税理士法人
所在地 〒902-0068 沖縄県那覇市真嘉比1丁目1番1号(那覇事務所)
代表者 代表社員税理士 大濵 真三朗
創業 2002年12月
職員数 30名(税理士6名/パートを含む)
事業内容 財務会計顧問、法人の決算申告、個人所得税申告、相続税・贈与税の申告、
相続対策相談/事業承継にかかわる業務
URL  https://www.tax0123.jp/

 

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1.夫婦2人で税理士事務所を開業

―― キムタカ税理士法人の法人概要をお聞かせください。

キムタカ税理士法人様の全体会議の様子(写真)
全体会議の様子

2002年、私と妻2人の税理士で沖縄県那覇市に大濵真三朗税理士事務所を開業したのがキムタカ税理士法人の始まりです。実は東京と神奈川で計11年、税理士事務所での勤務経験があり、そのまま首都圏で税理士事務所を開業することも考えていました。しかし、長男として高齢の両親を支えなければと思い、故郷の沖縄で開業するに至った次第です。

最初はアパートの一室から始まりましたが、2012年10月にはキムタカ税理士法人を設立。その後、2014年1月に名護事務所、2016年4月には中部事務所も開設しました。おかげさまで現在は計3拠点、パートを含めて総勢30名を抱える税理士事務所へと成長することができました。

さらに、グループ企業としてお客様の経営を支援する株式会社キムタカ経営、企業および従業員の安心・安全のための保険体制構築を支援するキムタカFP、そして行政書士を兼ねる妻が運営する大濱行政書士事務所を展開。「社員と家族と顧問先の夢・目標の支援者となって、幸福社会の創造に貢献する」「自律型人間・自創経営企業を創る」「社員一人一人が輝く組織づくり」を理念・使命として、沖縄県の中小企業の成長と発展を応援し続けています。

キムタカ税理士法人の“キムタカ”は、勝連城十代目城主である「阿麻和利(アマワリ)」の半生を演じる現代版組踊「肝高(キムタカ)の阿麻和利」が由来です。キムタカには「心豊か」「気高い」「高い志」などの意味があり、我々キムタカ税理士法人職員一同の礎となっています。

これからも、キムタカの精神を持ってお客様の中長期的なビジョン・夢を共有するとともに、その実現に向けたサポート、そして継続的なお客様の黒字化を目指していきます。

2.顧問先と職員が増えて、正式な人事制度の必要性を感じる

―― 成長塾受講の背景をお聞かせください。

2006年から戦略経営のマネジメントシステム「バランススコアカード経営」のコンサルティングをお客様に提供しています。具体的に何をするかというと、お客様である企業の代表と幹部をホテルもしくは研修施設に集まっていただき、「バランススコアカード戦略会議」を1泊2日で開催。バランススコアカードに基づく理念・ビジョン・戦略・アクションプランをつくっていきます。実はこの「バランススコアカード戦略会議」が成長塾受講のきっかけでした。

会議中は経営戦略だけでなく、どうしても給与や労働時間などの人事制度に関してもアドバイスを求められることがあります。当初、人事制度は社労士さんが扱う分野で、我々は専門的知識もないので、具体的な助言はできませんでした。しかし、当法人の規模が大きくなるにつれ、各経営者が吐露する人事制度の悩みは、当法人の課題でもあることに気づきました。

そこで、まず我々こそが人事制度を導入しなければならないと考えました。そして、人事制度の運用成果をお客様にフィードバックできれば、それが当法人の理念にもつながると思うようになりました。

―― 会社が大きくなることでの悩みや課題とは?

キムタカ税理士法人様の中期経営計画書作成会議の様子(写真)
関与先企業の中期経営計画書作成会議の様子

顧問先のお客様が増えて事務所が大きくなってくると、どうしても職員への負担が増えてきます。それが退職につながってしまうこともありました。

もちろん、残業の削減にも取り組んできましたが、我々の業界は2~3月の確定申告、5月に集中する法人申告の繁忙期は残業が避けられません。しかも、当時は簡単な評価制度のみで正式な人事制度がありませんでした。

残業の削減には今後も取り組むとしても、業務的に限界はあります。そこで、根本的な悩みを解決するには、やりがいや自身の成長を感じられる仕組み、成長が適正に給与へ反映される仕組み、つまり人事制度の導入しかないと考えるに至りました。

⇒成長塾についてはこちら

3.自分でつくることに共感

―― 人事制度の導入に成長塾を選んだ理由をお聞かせください。

さまざまなセミナーを受講しました。人事制度の本もたくさん購入し、手あたり次第読みました。しかし、成長と給与がリンクしない不透明な人事制度が多く、しっくりくるものには出会えません。もしかしたら合うかもしれないと導入しても、すぐに行き詰まってしまって定着しませんでした。

成長塾は私が所属している沖縄県中小企業家同友会からのお誘いでした。さまざまなお誘いの中のひとつに成長塾があって興味はありましたが、全6回の講座を受講する時間がなかなか捻出できませんでした。結局、最初の話を聞いたときから4年後、2015年6月に受講する機会をやっと得ることができました。

―― 受講後の率直な印象をお聞かせください。

成長塾の人事制度は導入事例が豊富で、さまざまな業種に幅広く導入されていましたから、最初は松本先生がそれぞれの企業ごとにベースをつくってくれるものと期待していました。ところが松本先生いわく「人事制度を継続的に運用していくためには、自分でつくらなければなりません。だから成長シートは自分でつくりましょう」でした。正直、最初はびっくりしました。

しかし、よく考えてみると我々もお客様に普段から言っていることだと気づきました。理念・ビジョン・戦略・アクションプランも自分でつくらないと回っていきません。「自分でつくるからこそ運用できる」は我々の考えと一緒だと思い直し、あらためて松本先生、そして成長塾を信頼するようになりました。

4.今でも成長シートは自分でつくる

―― 受講後の進捗を教えてください。

受講後、すぐに導入しました。導入直後は仮運用で、本格的な運用は1年後です。もちろん、職員にも人事制度導入の話はしました。それまで正式な人事制度がなかったこともあって、職員は概ね歓迎の意向でした。

成長シートづくりは苦労しました。所長である自分の頭のなかや優秀な職員の考え・行動を可視化しようとすると時間がかかりました。また、部門別・階層別に複数の成長シートをつくることも苦労を強いられました。現在は成長要素を削減し、なるべくシンプルにするように心がけています。

成長シートの運用や評価は幹部に任せていますが、成長シートの作成自体は今でも私が行っています。私が作成する理由は、成長シートを経営計画と連動させるためです。幹部の意見を取り入れつつ、職員の業務を俯瞰し、現場目線で見たりしながら、連動させる意識で作成しています。

5.成長支援会議で甘辛評価を是正

―― 人事制度の運用方法をお聞かせください。

キムタカ税理士法人様の成長支援会議の様子(写真)
成長支援会議の様子

成長支援会議および成長シートをベースにした幹部から職員へのフィードバックなど、成長塾で学んだことを忠実に実施しています。とくに私と幹部で行う成長支援会議は、幹部の甘辛評価を私が指導するうえで非常に重要だと感じています。

当法人では、ある重要業務で「一人前になる」と表現しているところがありますが、実は成長基準を社内統一するため、あえてこうした抽象的な表現にしています。

一人前の捉え方は幹部それぞれに異なり、「外に出てお客様と話ができるようになったら一人前」という甘め評価の幹部がいれば、「上司の手を借りずに一人で業務を回せる」という辛めの評価をする幹部もいます。この基準がバラバラでは職員が戸惑ってしまいますから、差が出ないように同じ物差しを持つという意味で成長支援会議はとても重要です。

ちなみに、私は成長支援会議の様子をオブザーバーとして見ているだけです。成長支援会議の運営を幹部に任せることで、評価の解釈の統一も幹部が自主的に行います。これにより、幹部たちの成長をヒシヒシと感じることができます。

―― 人事制度の導入後、どのような定量的効果を得ることができましたか。

導入前の2014年10月~2015年9月をBefore、直近の2020年10月~2021年9月をAfterとして比較した定量的成果を以下に示しました。

キムタカ税理士法人様の定量的成果の表
(クリックで拡大します)

6.人時生産性を高めて、職員が独立してもカバーできる体制をつくる

―― 人時生産性を重要視していると伺っています。

成長塾を受講して以来、松本先生が重要視する人時生産性については当法人も大きな指標にしています。

税理士という業務の特性上、資格を生かして独立開業を目指し退職する職員がおります。
そもそも資格の取得は奨励していますし、資格手当も支給しています。しかし私自身、税理士の資格を取得して独立しているわけですから、税理士の資格を取得した職員の独立を阻むことはできません。むしろ、応援しなければならないでしょう。

当然ながら、そうした職員の退職は大きな痛手です。職員が担当する顧問先は十数件ありますから、これを別の職員に割り振るとなると誰かが残業でカバーしなければなりません。
もちろん、新たな職員を採用しますが、一人前になるまでにはかなりの時間を要します。
そこでまずは、現状のリソースにおけるパフォーマンスの質を高め、人時生産性を向上させることに注力することにしました。人時生産性が高ければ、退職者が出ても早々にカバーできる体制を構築できます。

実際、多くの職員が「粗利を増やす」と「労働時間を減らす」ことを同時に取り組む意識を持って業務にのぞみ、業務の効率化を求めるようになりました。自宅に早く帰る意識も芽生えますから、自ずと業務環境も改善されていきます。
毎月の幹部会議で、顧問先ごとや職員ごとの人時生産性を分析しています。顧問先にも、可能な限り人時生産性をKPIにするように指導しています。各職員が担当する顧問先で6,000円以下のところはアラームを出すなど、常に人時生産性には注意を払っています。

顧問先の人時生産性を追及することで、職員自身も人時生産性の意識が定着してきます。現在はそういった良いスパイラルが構築できています。

―― 残業時間も削減できていますね。

残業時間の削減は、働くモチベーションにもつながってきますから、長年取り組んできました。おかげさまで、2~5月の確定申告・法人申告の繁忙期を除けば、18時過ぎには職員は事務所を出て、家路に向かっています。平均すると残業は月12時間、休日は年間120日、固定残業代も撤廃できました。これは大きな成果です。

―― 人事制度を導入して良かったと思うところをお聞かせください。

「期待成果」「重要業務」「知識・技術」「勤務態度」を成長シートで細かく設定し、四半期ごとの成長支援会議と個別面談でフィードバックすることで、職員の成長スピードが高まったと感じます。現にそれは人時生産性の数字にも表れています。

7.きっかけとなった顧問先に人事制度をフィードバック

―― 人事制度の運用成果は顧問先にフィードバックできていますか。

キムタカ経営者セミナーの様子(写真)
キムタカ経営者セミナーを開催

当法人の人事制度運用に目途がたったところで、「バランススコアカード経営」のコンサルティングを行っている各企業にもフィードバックしています。

現在、計5社の顧問先に成長塾の人事制度の導入と運用支援、コンサルティングを実施。もちろん、人事制度を導入するうえで、社長もしくは人事担当幹部の成長塾受講は大前提となります。

おかげさまで、成果が見え始めてきたところです。

―― 人事制度に悩んでいる企業に向けて、キムタカ税理士法人からアドバイスがあればお願いします。

働き方改革が叫ばれている時代ですが、単に「自宅でも働ける」「好きな時間に働ける」という「働きやすさ」を整えても、社員の「やりがい」や「給与」につなげることができなければ、結果、モチベーションが低下して退職してしまうケースもあるのではないでしょうか。

まずは、会社の理念やビジョン、従業員への想いなどを明確にすることが先決。そのうえで、どんな働き方であっても、やりがいや給与にリンクさせることが大事だと思います。そして、それを実現できるのが成長塾の人事制度です。我々は運用し成果が出ているからこそ分かります。ほかに、こんな素晴らしいシステムはありません。ぜひ導入すべきです。

―― 最後に一言お願いします。

2019年7月に当法人はENTOENTOが主催する「成長塾 第14回全国大会」において、「日本で一番社員を大切にしている企業大賞」で優勝(2018年は準優勝)という栄誉を手にすることができました。素晴らしい賞をいただき、今でも職員一同感激しています。主催者側からの評価は、人事制度のさらなる推進の励みになります。

さらに、2020年3月には「沖縄県人材育成企業」の認証を得ることもできました。これは企業に積極的な人材育成の取り組みを促し「雇用の質の向上」を図るためにつくられた制度で、人材育成に優れた企業を沖縄県が認証するものです。「沖縄県人材育成企業」の一員に加われたのは、松本先生のおかげであることは間違いありません。

全国には松本先生のサポートを欲している経営者がたくさんいると思います。そういった日本全国の中小企業の方々に、松本先生にはこれからも笑顔で元気に人事制度を伝えていってほしいですね。私もできることはサポートしていきたいと思っています。引き続きよろしくお願いいたします。
キムタカ税理士法人様の集合写真

キムタカ税理士法人様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。


キムタカ税理士法人様のホームページ
※ 取材 2021年11月


第104話 なぜ人事制度を自分で見直しできないのか?

2022-03-29 [記事URL]

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戦後の日本企業は、経営をする中でさまざまな学びを得て、さまざまな経営改善・改革を行ってきました。製造業務や営業業務は、10年前と比べても隔世の感があるでしょう。

全ての経営改善は経営者が陣頭指揮を執り、中核メンバーが実践してきました。現状に合わなくなったものは、その都度見直しをして経営環境の変化に適応させてきました。

営業、製造、工事でも、思ったように成果が上がらなくなれば改善は必要であり、その改善結果をなんらかの数字で確認することを継続して行ってきたのです。

ところが人事業務はどうでしょうか。特に、人事制度は時代にいつも遅れています。

企業経営は経営環境の変化により、さまざまな問題が発生し、その問題を解決することの連続ですが、「人事に関しては特別な分野のため、専門家の手を借りなければ自社の問題を解決することはできない」と考えている企業が多いのです。

例えば、今ある人事制度(一般的には評価制度、賃金制度、昇進・昇格制度)は「全ての企業に使える」と提案されたものを専門家にもらった可能性があります。そのため、人事制度に問題が発生すると、その都度専門家に見直しを依頼しなければならず、自社で変えることができない不思議な状況に陥っています。

さらに、この「人事制度のどこに問題があるか?」が分かる企業自体少ないことも事実です。

私は人事制度の構築や運用の支援をしていますので、企業のさまざまな問題点を伺うことによって、その都度的確なアドバイスをすることができます。もちろん、企業が人事制度に期待している成果を明らかにした上でのコンサルティングとなります。

例えば期待している成果が「定着率を高めたい」場合、どの年代が定着しないのか。「社員を成長させたい」場合は、どの階層、どの職種の社員を成長させたいのか。企業によって人事制度の目的は異なり、コンサルティングする内容も違います。この期待している成果の詳細、つまり人事制度の目的を明確に答えられる企業があまりにも少ないことに驚きの連続です。

全ての人事制度は何らかの目的を持って構築され運用されています。その目的を明らかにしなければ、永遠に見直しができません。そればかりか、自社で現状の問題をタイムリーに解決する方法すら分からない大変な状況になってしまいます。

大手企業が終身雇用の問題や年功賃金の問題を自ら解決できないことがそのことを象徴しています。今後ますます、かつてないほどの大きな変革の必要性が企業に迫っています。それに対応していかなければ存続発展はできません。人事の問題は先送りにはできないからです。

「事業は人なり」です。社員が成長しなければ、事業を継続していくことが難しいと誰しもが分かっています。そのために「事業は人なり」を支える最も重要な仕組みである人事制度を、本来の役割を持った制度に見直すときが来たと考えなければならないでしょう。

人事制度をつくる時に、誰もが「失敗したくない」と思うでしょう。しかし、企業経営においては失敗を恐れていたら改革はできません。
社員の成長のために仕組みを見直すことを明確に伝え、社員と一緒にコミュニケーションを取りながら見直しをしなければならない時が来たということです。

それによって「終身雇用の問題」「年功賃金の問題」「働かないおじさんの問題」も全て解決することができます。


第103話 社員の賃上げ原資は社員自身でつくる?

2022-03-22 [記事URL]

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今、4月からの社員の賃上げ(昇給とベースアップ)をどうするか悩んでいる経営者が多いでしょう。

今年の賃上げをどうするか、経営者の最初の確認事項は「前事業年度の業績が良いかどうか」です。前年度の業績が良ければ賃上げは可能でしょうし、業績が悪ければ賃上げは難しいでしょう。ごく当たり前のことです。

これは経営者が一人で悩んでいることです。この状態が続く限り、社員はいつになっても業績に関心を持つことはないでしょう。なぜなら、賃上げは経営者の考え一つで決まると思っているからです。そして社員は社長の賃上げ決定を、固唾を飲んで見守っているのが現状です。

この賃上げのための「賃上げ原資」は、社員が全員で業績を向上することによって獲得するものであり、経営者一人で賃上げ原資をつくるのではありません。この基本的な教育ができていない現状があります。

これから日本の経営環境は企業規模によって安泰であり続けることはできなくなりました。どのような規模であろうと、どのような業種であろうと、この経営環境に適応していく必要があります。それはつまり、全社員が業績に関心を持ちながら成長していかなければならなくなりました。

今、日本の全ての会社にとって重要なことは、環境変化に適応して社員がチャレンジすることでしょう。それによって、会社自体もこの変化する経営環境に適応していかなければなりません。そしてその環境に適応して全社員で一緒になって業績を上げ、賃上げ原資をつくっていく時代です。この教育をしなければならない時期になりました。

もし仕組みがあれば、事業年度の最初、経営目標の発表時にこのことを教育することができます。今年の経営目標が実現できれば、どのぐらいの昇給ができるのか、去年と同じ業績で全く業績が変わらなかったら昇給はどうなるのか、逆に今年の経営目標以上の業績になった場合には昇給はどれほど増えるのか。つまり、賃上げはそれぞれの会社の業績によって変わることを説明し、教育しなければなりません。

環境が厳しく目標が達成できなければ賃上げすることはできません。そしてこの時期に大切なことはこの賃上げ原資を獲得する最も有効な方法は「生産性向上」だということです。

厚生労働省は時間当たりの労働生産性という言い方をしていますが、これは従業員一人が、1時間当たりに稼ぐ粗利益高ということです。一人一人が1時間あたりの稼ぐ粗利を増やさない限り、賃上げ原資を増やすことはできません。逆にこの生産性が高まれば、賃上げ原資を増やすことができるのです。

今、この生産性は社員間で大きく差が開いていることをご存知でしょうか。つまり、生産性の高い社員と低い社員がいるのです。その生産性の高い社員のやり方を全社員で共有化することが、全社員の賃金を上げるベストな方法なのです。この生産性の高い社員のやり方を今すぐ全社員に教育をし、そして社員がお互いに協力し合って賃上げ原資を獲得してもらいたいと思います。

そのためにも具体的な賃上げ額の計算式は示さなければなりません。それによって全社員が協力して生産性を上げる会社になるでしょう。チャレンジして頂きたいと思います。


第102話 新しい部署に異動になったら昇給・賞与は下がりますか?

2022-03-15 [記事URL]

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3月決算の会社は、4月に人事異動を行うことが多いと思います。

社員は異動によりさまざまな職種の仕事を経験することで、徐々に自身の適性が分かってきます。例えば「営業職」から「生産職」や「企画職」といった、全く別の職種の部署に人事異動することで、今まで想像していたものと実際の仕事内容は大きく異なると初めて知ることもあるでしょう。

欧米のジョブ型雇用と違って、日本はメンバーシップ型雇用で現在採用しているため、入社してからさまざまな職種を経験できることは社員本人にとっても良いことだと思います。

この職種間異動に関して、考えなければならないことが一つあります。それは異動した社員の昇給・賞与についてです。

仮に、会社に成長シートがあったとします。成長シートは各部署それぞれの優秀な社員をモデルにしてつくられており、その点数(成長点数)で社員の成長の度合いを計ります。

Aの部署でとても優秀な社員が、Bの部署に異動します。今のA部署の成長シートでは成長点数が80点ですが、新しいB部署に行って仕事に取り組み始めた時、B部署の成長シートでは成長点数が20点(スタート時の成長点数)になる可能性があります(もっとも、我が社の社員として守ってほしい勤務態度は部署によって変わることはありませんので、スタート時から成長点数が40点以上となるケースもあるでしょう)。A部署の成長点数をそのまま引き継いで80点からスタートすることはありません。A部署とB部署の成長シートの内容が異なるからです。

このとき、成長点数で昇給・賞与を決める仕組み(賃金制度)を運用していた場合、「職種が変わって成長点数が下がった時の昇給・賞与はどうなるのか?」と社員は心配します。

私はその会社の人事制度構築のアドバイスをする時に「新しい部署に異動したら昇給・賞与は減りますか?」と経営者にお聞きします。経営者が「いいえ、チャレンジによってその社員がさらに大きく成長することを期待して異動してもらいますので、昇給・賞与を下げることはありません」と答えたとすると、この会社は昇給・賞与を決める時には、異動前の成長点数80点で昇給・賞与を決めていたということです。今まで決めていたことを、問題がないのに変更してはいけません。もちろん、異動後は新しい部署の成長シートで評価をしますが、あくまでそれは社員の成長を確認し指導するために活用します。

全ての会社の人事制度は「どうやったらうまくいくのか?」ではなく、「現在やっていること(評価・処遇)」を可視化して構築します。今回の会社の場合は「成長確認をする成長点数」と、「処遇(昇給・賞与)を決める時の成長点数」は違うことを可視化し、仕組みにしました。

現在やっていることを仕組みにすることからスタートです。そしてその後、仕組みを運用しながら問題があったら見直しをしていきます。

人事制度の導入とは、仕組みとして可視化して社員に説明することを意味します。「どうやったら正しいか?」という“仮定”ではなく、「今までどうやってきたのか?」という“前提”を可視化するということ。これができなければ社員にとって訳の分からない、運用できない人事制度になります。この点は特に注意が必要でしょう。

人事異動の時期になるとこのような質問が一気に増えます。参考にしてください。


日本経済新聞にポケットブックの広告が掲載されました!

2022-03-09 [記事URL]

本日3月9日の日本経済新聞一面に、弊社代表 松本順市のポケットブック『誤解して退職している社員を100%食い止める方法』の広告が掲載されました!

3月9日日経新聞

 

追記:おかげさまで人事・労務管理部門において第1位を獲得しました!(3/9)ありがとうございます!

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第101話 ベースアップは今の時代も必要ですか?

2022-03-08 [記事URL]

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現在、マスコミから各大手企業の春闘労使交渉についての報道が続いています。その中で、ベースアップの実施企業の割合も合わせて発表されています。2022年のその割合は昨年より増えそうです。

この大手企業の動向を参考にして、ベースアップを行いたいという中小企業の経営者が一定の割合でいます。

日本全体として、今までの傾向で考えればそれも頷けます。もともとベースアップは消費者物価指数や、労働力の需要と供給の関係、または生産性の向上とさまざまな理由で行われてきたものです。その中で一番中心となる要因は、やはり消費者物価指数でしょう。

賃金を30万円支給されている人が、仮に消費者物価指数が2%アップすれば6,000円分の可処分所得が減る可能性があります。これでは生活が厳しくなりますので、社員からすれば6,000円分ベースアップの要求になるでしょう。企業もその消費者物価指数を参考にベースアップしてきた過去があります。

しかし、総務省統計局の消費者物価指数(総合)のデータを見ると、2015年は前年比0.5%アップ、2020年は前年比0%と変わらず、2021年には前年比0.2%ダウンという結果が出ています。

仮に消費者物価指数を基にベースアップするのであれば、消費者物価指数が下がったときにはベースダウンしなければなりません。このベースダウンの話は当然今まで出てきたことはありません。もし実施したら、社員からの反対は必然でしょう。だからこそ、消費者物価指数を基にしてベースアップをしてはいけないと考える経営者もいるでしょう。

ここで考えておくべきことは、ベースアップをするにしても昇給をするにしても、この賃上げをするための原資は同じところから出ていることです。そのため、中小企業の場合は、経営環境の変化で社員に一律にベースアップすることよりも、昇給をどのように決めるか、明確にすることが大事でしょう。

この昇給は「企業の業績」と「社員の成長」によって決めることができます。社員の成長は基本的に成長等級と成長点数の二つのデータで確認することができます。これによって、昇給を実施する1年前の時点で、昇給の決め方について明確に説明することができます。

ベースアップを労使交渉や消費者物価指数で決めるよりも、会社の業績に合わせて昇給原資を決め、そして社員の成長に伴って昇給金額を決めていく方が、納得できる説明を社員にすることができるでしょう。

この昇給額は交渉ではなく、仕組みによって決めることがベストです。社員にとっても安心です。そしてこの仕組みがあれば、社員はこの先自分の40年間の賃金がどうなるのかも分かります。

労働人口が減っていく日本において、ベースアップの役割はほぼ終わったと考えていいでしょう。その一方で社員の昇給がどう決まるかを仕組み化して、交渉をせずに昇給が決まるような仕組みが求められるようになりました。

この仕組みをつくることは、社員の定着率を高めるためにとても重要な仕組みといえます。


滝澤木材有限会社様(木材製材および木材製品・建材製品販売 福島県)

2022-03-02 [記事URL]

「成長塾で学んだ人事制度を導入したところ社員が大きく成長。仮運用の段階から仕事の質や日々のコミュニケーションの質が上がりました。今から本格運用が楽しみです」滝澤木材有限会社 代表取締役 滝澤俊文 氏(写真)」

「業績を向上させる人事制度」という言葉に惹かれて成長塾に参加した、滝澤木材有限会社の代表取締役 滝澤 俊文 氏は、成長塾での教えを活かして、粗利益率や定着率を大きく改善させました。そこで同氏に、その経緯や効果について詳しく伺いました。

●会社プロフィール
社名 滝澤木材有限会社
所在地 〒965-0844 福島県会津若松市門田町大字一ノ堰字村東297
資本金 5,000,000円
設立 昭和30年
事業内容 木材製材および木材製品・建材製品販売
URL https://takizawamokuzai.com/

 

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1.福島県会津若松市にて木材や建材製品などを販売する老舗企業

―― 滝澤木材の会社概要をお聞かせください。

滝澤木材様の木材を製材されている写真
工場内では日々、経験のある職人が丸太から建材となる板や柱を製材している

福島県の会津若松市にて、木材の製材や木材製品、建材製品の販売を行っている会社です。

87年前の昭和9年に、私の祖父・滝澤安男が創業しました。その頃は、山の伐採をして東京に原木を販売していましたが、戦後になってからは、製材工場として国産材や外材を丸太で仕入れて製材し、それを地元の工務店や建設関係の施工店に向けて販売する、現在のスタイルになりました。

基本的にお客様は地元の企業ばかりですので、距離の近さを活かした細やかな対応を行ったり、高品質・高性能の商品を取り扱う事で、価格の安さではなく別の部分で付加価値を持たせている点が特徴です。

―― 近年の製材業界の需要はどうなっているのでしょうか?

住宅着工数が少しずつ減少しており、工務店の数も減ってきているため、マーケット自体は減少傾向にあります。
ただし国内の木材資源は毎年2000万立法メートルずつ増えており、その木材を活用するために、国の政策として、高性能の機械導入に補助金を出したり、コンクリート建造物の内装や3階以下の建造物に木材の使用を推奨したりと、製材業界を取り巻く状況は変わってきています。
また当社もありがたい事に売り上げを下げずに頑張って横ばいを続けております。

2.「社員が成長し業績を向上させる人事制度」に惹かれ成長塾を受講

―― 成長塾を受講した背景をお聞かせください。

私が代表取締役を引き継いだ2011年頃の当社は、売り上げが落ちてきたにも関わらず、3億6000万円もの借入金がある状態でした。そのため代表になった当初は、とにかく借入金の返済で頭がいっぱいになっていました。
返済のために経費を徹底的に削減し、それだけでは足りずに社員の給料を下げた事で、疲弊して退職してしまう社員も出てしまいました。

しかし様々な経営者の方々の著作を読むと、その多くには「会社の目的は社員を幸福にすることだ」と書いてあります。そうした教えを見る度に、私はだんだんと自分の経営姿勢が恥ずかしくなってきました。社員を幸福にするにはどうすれば良いのか、たくさん悩んだ挙句、社員全員の給料を1割アップすることにしたのです。
赤字になる事は分かっていましたが、社員の生活を良くするため、また自分を逃げ場のない場所に追い込むためにも、賃上げに踏み切りました。

それでいよいよ、なにかで結果を出すしかない状況となった時に出会ったのが、松本先生の本だったのです。
その『社員が成長し業績が向上する人事制度』という本は、経費削減をやり尽くし、業績を上げなければならない段階に来ていた当社には、まさにピッタリの内容でした。
またちょうど、昔ながらの町工場だった当社をもっと近代化させるため、人事制度の構築に取り組みたいと思っていた方向性にもぴったり合致しました。

もっと松本先生の教えを学びたいと、すぐに日本経営合理化協会が出している講演CDを購入して楽しく拝聴させていただき、また「日経トップリーダー」が主催したセミナーも受講して、人事制度の基本を学ばせていただきました。
その結果、さらに深く学びたい、もっとちゃんと人事制度を作りたいと思い至り、2019年9月から開催された186期の成長塾を受講しました。

⇒成長塾についてはこちら

3.人事制度導入による改善で粗利益率が3.5%アップ!

―― 人事制度の導入後、どのような定量的効果を得ることができましたか。

2011年3月~2012年2月をBefore、2020年3月~2021年2月をAfterとし、成長塾受講前後を比較した定量的成果を以下に示しました。

滝澤木材様の定量的成果の表
(クリックで拡大します)

成長シートは本格運用前で、まだ9名中2名の社員に向けたフィードバックしか行っていない段階にも関わらず、大きな効果を得る事が出来ました。

まず粗利益率が、22.9%から26.5%と大きく上昇しました。これには驚きました。
成長シートを作る段階で、粗利益や回収率がどのくらい必要かという数値がはっきりしたので、それを2名の社員と共有した事と、価格の決定を社員ではなく私自身が行うようにした事が功を奏しました。これまで「安くしなければ売れない」というデフレマインドが強かった社員たちが、付加価値をつければ安くしなくても売れるという考え方になってくれると共に、会社全体の利益の事も考えてくれるようになった事が良かったですね。

また定着率は、50%から100%と大幅に上がりました。信じられない結果です。これはフィードバックだけでなく、有給休暇や休日を増やした事も大きいと思います。さらには105日から130日と年間休日が大幅に増えたのに、これまでと同じ仕事量をこなさなければならない事もあって、社員が生産性を考えて働いてくれるようにもなりました。
そうした社員の成長のお陰で、休日が増えたにもかかわらず、残業時間は最大15時間から最大2時間へと大幅な短縮が実現出来て、非常に働きやすい環境になったと感じています。

4.社員が成長しより質の高いコミュニケーションを実現

―― 成長シートの仮運用や社員へのフィードバックの結果、数字以外で定性的な効果がありましたら教えてください。

滝澤木材様の社員の皆様(写真)
フィードバックによって、社員のマインドはより前向きに変化

社員とより質の高いコミュニケーションが取れるようになりました。仕事上では、積極的に見積りの段階から相談してくれるようになりましたし、仕入先を自分から探してくれるようになりました。
またお酒の席では、愚痴や不満を聞く事が多かったのですが、今では「こういう利益を得るために、こうしましょう」など前向きな提案をしてくれるように変わりました。

まだ全社員にフィードバックしていませんが、成長したその社員たちを見て、他の社員のコミュニケーションの質も上がってきたんですよ。今から、新しい人事制度を全社員に向けて本格運用させるのが楽しみです。

ただそのためには、私自身の働き方を変えていかなければなりません。営業、製造、総務経理の3部門で成長シートをつくり、毎月どこかの部門を評価、フィードバックして、データ取りや集計なども行うとなると、多くの時間をそのことに割かれるためです。
そのため今後は、これまでのように最前線で業務に関わり続ける事を少し控える必要があると考えています。

5.まるでいつでも連絡が取れる優秀なコンサルタントがいてくれる感覚

―― 人事制度を構築していく中で、どんなところに苦労しましたか?

成長シートの作成と運用プロセスに苦労しました。

運用プロセスについては、スケジューリングなど、あらゆる事を自分で考えながら、手探り状態でやらないといけない点が大変でした。迷う事も多かったですね。

成長シートの作成にも苦心しました。当社だけのシートが出来上がる分、自分でイチから作り上げなければならないためです。
結局、松本先生から合格をいただけるまで、1年半くらいかかりました。ただその分、松本先生からたくさん力強いアドバイスや修正をいただけたので、そこは本当に助かりました。

―― 相談しながら成長シートの作成を進めて行かれたのですね。

はい。当社の規模や業種に合わせて、適切な成長シートになるように助言をくださったので、ありがたかったですね。
また成長シートについてだけでなく、なにか困った事があったらその都度、相談もさせていただいていました。成長塾はフォローアップ体制がしっかりしていて、質問があって問い合わせをすると、すぐに回答してくださいます。松本先生だけでなく、社員の皆さんの対応力も非常に高いですね。
いつでも連絡が取れる優秀なコンサルタントがいてくれるような感覚です。

6.細かなサポートを受けながら自社独自の人事制度がつくれる点が魅力

―― 新たな人事制度の導入を考えている企業、経営者に向けてメッセージをお願いします。

松本先生のように、具体論に落とし込んで人事制度の深い部分まで教えてくださる方は、他にいないと思っています。細かなサポートを受けながら、自分の会社の実態に合った人事制度を作り上げられるので、オススメです。

人事制度構築に関してのアドバイスを伝えるとしたら、ぜひ成長塾を受講して楽しみながらつくっていただきたいですね。
松本先生は良く「最初から100%良いものをつくろうとしたらダメですよ」と仰います。この言葉通り、まずはやってみて、少しずつ運用しながら改善していくと良いのではないでしょうか。
そうして自分自身や会社が成長し、社員が変わっていく実感を得られると、人事制度の構築はどんどん楽しくなっていきます。私自身も、日々楽しく取り組んでいます。

7.40年先を見据えた会社の未来のためにも成長塾の人事制度は必須

―― 最後に今後の展望についてお聞かせください。

私は、会社の状況をいくつかの期に分けて考えています。
私が会社を継いだ2011年からの10年間を、悪化していた財務状態を元に戻すまでの「回復期」、そしてこれからの10年を、人事制度の改善も含め、成長のために力を付ける「導入期」、さらに「成長期」、「発展期」と40年近くを掛けて、会社を大きく成長・発展させていくつもりです。
その礎作りのために、今後もぜひ成長塾と松本先生には、力をお貸しいただければと思っています。

滝澤社長

滝澤木材様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。


滝澤木材有限会社様のホームページ
※ 取材 2021年11月


4/4(月)~4/8(金)の営業について

2022-03-01 [記事URL]

弊社では誠に勝手ではございますが、下記の期間中、社内研修のため、通常の業務をお休みさせていただきます。

◆ 休業期間 2022年4月4日(月)~4月8日(金)

期間中はお電話をお受けすることができません。折り返しご連絡させていただきますので留守番サービスへ伝言をお残しいただくか、メールフォームからお問い合わせください。

各種お申込みや商品の発送につきましては順次対応させていただきますが、通常よりも日数がかかる場合がございます。ご了承ください。

大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。

ご不明な点等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。


第100話 今、経営者が社員に一番優先して教育しなければならないこと

2022-03-01 [記事URL]

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最近のテレビコマーシャルや雑誌等を見ていると、賃金を上げるためには転職が必要であるようなイメージの転職サイト広告が多いと感じます。

確かに、転職してさまざまな会社で仕事を経験することで、視野を広められることは間違いないでしょう。その点においては、転職をして学ぶことは決して無駄ではないと考えます。

しかし「転職すれば賃金がアップする」ことについては、大きな誤解があります。転職すれば必ずしも賃金がアップするわけではありません。前の会社より高い賃金で採用されたとしても、生涯賃金の視点から見ると、転職により低くなる可能性があるからです。

転職して同じ職種に就いたとしても、会社によって細かい仕事内容は異なります。つまり、Aという会社で優秀だと評価された社員が、Bという会社でも優秀だと評価されるとは限りません。
優秀だと評価されるAの会社で働き続けた方が、最終的な賃金は高くなることは想像に難くないと思います。

社員を評価する違いは、成長シート(その会社で優秀な社員をモデルにしてつくったもの)を比べれば分かります。今まで1,331社の成長シートを見てきましたが、業種は同じでも同じ成長シートは一つもありませんでした。

採用する側は前の会社の評価をそのまま鵜呑みにしてはいけないのです。応募者の前の会社の評価を聞き、優秀だと思って採用した中途社員が、思ったほど力が発揮できないことは、多くの会社で常々実感しているでしょう。

ただし、面接時に前の会社に成長シートがあれば持ってきてもらい、成長点数を聞くことで、前の会社でどのような評価をされていたのか、そして我が社で採用したときにどのくらい活躍してもらえるか、参考にすることはできるでしょう。

この評価の違いがあることを知らない社員は、さまざまな転職の情報を聞くたびに「転職を繰り返すことで徐々に賃金が上がる」と誤解している場合が散見されます。安易にその広告に乗って転職を決めてしまったら、その社員の人生にとってプラスにはならないでしょう。

そうならないためにも、前もって社員に教育しなければならないことがあります。それは「今の会社でさまざまな仕事をしながら自分の適性を見極め、そして優秀になっていくことで賃金が上がる」と明示することです。

欧米と違い、日本では一つの職種で転職を繰り返しながら賃金を向上させ続けることは難しいと言わざるを得ません。なぜなら、日本では一生一般職層(プレーヤー)として仕事をするのではなく、一般職層で優秀であれば次は中堅職層にステップアップし、部下を成長させる仕事に携わります。その成長に応じて賃金が増えていくのです。この考え方を日本のほとんどの経営者が持っています。

賃金を上げるために転職を繰り返すよりも、一つの会社で一般・中堅・管理職層と成長する方が将来的な賃金は高くなると社員に説明しなければなりません。社員はじっくり腰を据えて成長することになるでしょう。

私の前勤務先の定着率は、44年前の入社当初は70%でした。しかしその後、人事制度によって「我が社で成長することで生涯賃金が増える」と明確に説明できるようになったことで、定着率は95%までアップしました。その後、社員の定着とともに社員が確実に成長していき、業績が向上しました。

日本では最近、社員の定着率はさらに低下していくだろうという風潮が高まっています。正しい教育が、中小企業の経営者に今最も求められていることだと考えてください。

今年の新卒社員の採用時の教育はここからスタートです。


第99話 2019年以降の優秀な営業社員は生産性が高い社員

2022-02-22 [記事URL]

最新セミナー情報
3月開催の社長・役員向けセミナーは満席となりました。
ありがとうございました。
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今までの日本では、成果の高い社員は優秀な社員と褒められていました。この成果の高い社員の特徴の一つに「がむしゃらに仕事をしていた」ということがあるかもしれません。

優秀だと褒められていたある社員は、残業を厭わずに仕事をしていました。さらに、休日出勤も嫌がらずにしていました。つまり、長時間労働と引き換えに高い成果を出していたのです。
この実態から、高い成果を得るためには残業をすること、そして休日出勤をすることが条件のように思え、そうした社員を褒める習慣が日本では長く続いてきました。

しかし、本当に優秀な社員は「成果の高い社員」ではなく、「生産性の高い社員」であることを明確に、そして数字で語ってこなかったことが今大きな問題になっています。

今まで、人事制度の構築支援をしてきた会社で、営業社員の賃金の中に固定残業代を支給している確率は80%以上という現実があります。これは「通常の所定内労働時間ではとても高い成果を上げることはできない」という意味合いで出しているのでしょう。これが営業社員の生産性を下げる結果になっていることに気がついていません。

例えばカーディラーで、月間20台販売しているA社員と、月間19台販売しているB社員ではどちらが優秀でしょうか? これは誰が見ても月間20台販売しているA社員となるでしょう。しかし、これに1台販売するのにかかった時間(生産性)を出すと、そうとも言えないのです。

A社員は残業含めて300時間で20台を販売しています。B社員は残業含めて200時間で19台を販売しています。生産性を出すとA社員は15時間で1台、B社員は約10時間で1台販売しています。どちらが優秀か、生産性を考えれば明らかにB社員の方が優秀なのです。

このB社員があと100時間残業したらどうでしょうか。さらに10台売れることは計算上はっきりと分かります。大事なことは成果を上げるのではなく、生産性を上げることです。生産性を上げる考え方を会社の中に取り入れれば、いつかは200時間で19台から170時間で19台を販売できるようになっていくでしょう。

この生産性が高い社員が優秀だという評価の仕方が、ほとんどの会社の評価の中には入っていないのが現状です。生産性の高い社員を優秀だと認め、そしてその生産性の高い社員をモデルにして、成長シートをつくることが求められるようになりました。

実はこの考え方を持つと、営業社員は原則的にエンドレスで成果を上げることが可能になります。今までのように残業をして成果を上げるやり方はどこかで必ず問題が出てきます。今の長時間労働によって成果を上げていることは、この先会社にとっても本人にとっても利益はありません。大きく舵を取る時が来たと言えるでしょう。

生産性の高いやり方を共有化するだけで、会社全体がとんでもなく高い生産性を実現することができます。

私はそのやり方で人時生産性2,600円から5,600円にすることができましたが、これは生産性の高いやり方を共有化した結果に過ぎません。全ての社員が優れたやり方を共有化する組織は、今後の時代に生き残ることができる会社と私は断言します。

どうぞ生産性向上に取り組んで下さい。


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