株式会社電建様(電気設備工事、空調・換気設備、通信関連設備、防犯・防災設備、その他電気機器販売 兵庫県)

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株式会社電建様(電気設備工事、空調・換気設備、通信関連設備、防犯・防災設備、その他電気機器販売 兵庫県)

「給与やボーナスの根拠が分からないモヤモヤ感を、従業員に持ってほしくない想いから成長塾を受講し、人事制度の導入に成功。今後は自信を持ってリクルート活動に力を注いでいきます」株式会社電建 代表取締役 松本晃幸 氏(写真)

自分が知りたかった評価や処遇の仕組みを従業員に伝えたいという想いから、成長塾で人事制度を学ばれた株式会社電建 代表取締役 松本 晃幸氏に、その詳しい経緯と効果について詳しく伺いました。

●会社プロフィール
社名 株式会社電建
所在地 〒660-0805 兵庫県尼崎市西長洲町1丁目2-45
資本金 5,000,000円
設立 2008年8月
事業内容 電気設備工事、空調・換気設備、通信関連設備、
防犯・防災設備、その他電気機器販売
URL  https://www.m-denken.com/

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1.高圧設備工事が得意な電気設備工事会社

―― 電建の会社概要をお聞かせください。

電建様の新社屋(写真)2008年に私自身が設立した電気設備工事の会社です。もともと父が経営していた電気設備工事会社を事業承継するつもりで電気系の専門学校に入学し第二種電気工事士を取得。しかし、学生時代にトライアスロンに没頭してしまったこと、レールの上の人生に疑問を感じてしまったことから、事業承継のタイミングを逸してしまいました。

結果、回り道をしましたが、私が設立した電建で父の会社の従業員を受け入れるという形で再出発しました。といってもスタートは私のほか正社員2人、契約社員1人の計4人。現在は私のほか正社員3人、パート3人の計7人態勢で業務を行っています。

当社の主な業務は高圧設備工事、空調設備工事、防災設備、照明工事、動力電源工事、弱電工事、PCB廃棄物処理取次窓口、BCP対策など。なかでも、オフィスビルや商業施設などの高圧設備工事は得意とするところで、具体的には電気室内の高圧設備機器の交換工事、キュービクル内部の高圧機器の交換工事、屋外高圧機器(ケーブル・開閉器など)の交換、高圧設備の新設などを手掛けています。

我々が徹底しているのは、万が一に備えたスピード感のある対応。どんな状態なのかを把握できるようにお客様カルテを作成し、社内共有を図って担当者以外でも対応できる社内体制の構築に努めています。また、緊急時すぐに駆けつけられる距離を目安に、大阪・兵庫・奈良を中心に活動しています。

当社はお客様をはじめ、従業員・家族・取引先・地域の人々など、関わる人すべてに喜ばれる会社を目指しています。そのために、常に考え、挑戦し、心豊かな集団であることに重きを置き、高付加価値を生み続けられる会社でいられるように努力と精進を続けていきます。

2.自分が体験した評価や処遇のモヤモヤ感を払拭したい

―― 成長塾を受講した背景をお聞かせください。

もともと私が会社勤めをしているとき、給与の根拠を聞きたかったのが背景にあります。東京の会社に勤めていたときは大きな会社で、ここでの給与に不満はなかったため、とくに何も思いませんでした。しかし、地元に戻って中小企業に入ったとき、給与が大きく違っていました。よく考えると、東京の大きな会社と地元の中小企業を比べること自体おかしな話であり、中小企業の社長として会社を切り盛りしている今となっては、当時の社長の気持ちがよく分かります。

ただ、当時は給与や昇給・賞与の根拠が分からず、納得できないモヤモヤ感がありました。実際、社長に直談判して給与の根拠を聞いたこともありました。しかし、アヤフヤな回答で最後まで納得することはできませんでした。

会社を起こしたときも、ずっとモヤモヤ感がありました。自分の経験から「これぐらいの給与や昇給・賞与を得るにはどうすれば良いか」しっかり従業員に提示する必要があると常に考えていました。頑張るのは当たり前ですが、頑張るやり方を間違えてしまっては意味がありません。トップが求める頑張るところを伝え「業務を可視化することが会社の発展につながる」と考えていた部分もあります。つまり「従業員に説明できる人事制度を導入できないか」とずっと思案していました。

ちなみに従業員が人事制度を求めていたわけではありません。当社の従業員は真面目で黙々と働くタイプ。もしかすると当時は必要なかったかもしれませんが、私の想いを優先させました。付け加えると、リクルート活動を行ううえでも説明できる人事制度は必須と考えていました。

電建カラーの赤と黒のドアでミーティングルームを完備する電建様の事務所(写真)
電建カラーの赤と黒のドアでミーティングルームを完備する事務所

3.経営のベースとなる人事考課制度を学びたい一心で3回受講

―― 成長塾との出会いをお聞かせください。

私が所属している大阪府中小企業家同友会のセミナーに登壇された方が、松本先生のものではない小さな本を片手に「当社は人事評価制度を導入して社員を育てている」と話されているのを拝聴。私もすぐにその本を購入しました。

ところが、その本を読んでも分からないところが多数あり、セミナーで話された内容と違う印象がありました。それで、本人に確認したところ、「本当は成長塾で勉強した」と吐露。それなら百聞は一見に如かずと、成長塾を受講しようと思った次第です。

⇒成長塾についてはこちら

―― 成長塾を3回受講されているのはなぜでしょうか。

最初に受講したのは2015年5月でした。初めてだったこともあり、思った以上に学習しなければならないことが多くて消化できませんでした。とくに自分の想いを成長シートに落とし込む作業が難しく、導入までに至りませんでした。成長塾での「学び」は経営のベースとなる人事制度となるという気持ちが強かったので、ブラッシュアップ受講制度を利用し、2017年4月にもう一度受講しました。

その後は仮運用を経て、無事2018年7月に人事制度を導入。PDCAが回り始めたとき、会社のなかに人事制度を理解する仲間を増やそうと思い、2019年6月に事務の従業員を連れて三度目の受講をさせていただきました。さらに、松本先生のアドバイスをいただきたいと考え、現在も継続的な個別コンサルティングもお願いしています。

4.ビジョンに賛同する人材を集めて前に進む

―― 人事制度を導入するにあたって従業員の反応はいかがでしたか。

スキルを活かして高圧設備工事に従事する電建様の従業員(写真)もともと人事制度自体がありませんでしたから、導入に対する反対はありませんでした。スムーズに導入できたと思います。ただ、父の代から在籍していた豊富な経験と技術力を持つ一人の従業員には理解してもらえませんでした。彼は給与が高かったこともあり、成長シートと照らし合わせて給与に見合う業務を求めたのですが、どうしても変えることができず、1年後に退社しました。正直、少ない大事な戦力だったので大打撃でした。

とはいえ、会社としては前に進んでいかなければなりません。ですから、小さな会社ということを認識したうえで「社長のビジョンに賛同する人がどれだけ集まってくるかにかかっている」という考え方を人事の基本方針に据えました。

大きい会社なら多種多様な人がいて良いと思います。それらがシナジーを生むこともあるでしょう。しかし、一人一人の役割が大きい小さな会社は、同じ方向にベクトルが向いていないと、企業文化の構築はもちろん、売り上げにも大きく影響してくると考えています。良い意味で割り切りは大事と考え「私のビジョンに賛同する人材を集めて前に進んでいこう」と思うようにしました。

5.経営的な数字をオープンにして、可視化の仕組みを実現

―― 人事制度の導入後、どのような定量的効果を得ることができましたか。

導入直後の2017年8月~2018年7月をBefore、2019年8月~2020年7月をAfterとし、成長塾受講前後を比較した定量的成果を以下に示しました。経営的な数字の部分はほぼオープンにしています。役員報酬も見せていますから、従業員は私の報酬も知っていると思います。

それでも、評価や処遇を聞いてくる従業員はいますが、ありがたいことに成長塾の人事制度は説明することができます。従業員との信頼関係をつくる意味でも、しっかり仕組みができたのは、本当に素晴らしいことだと思っています。

電建様の定量的成果(表)
(クリックで拡大します)
 

6.勉強会を通じて従業員が成長

―― 粗利益、粗利益率、人時生産性がアップしています。効率的な働き方ができているということでしょうか。

部下の育成が上手くいっているのだと思います。当初の3か月面談は採点の話だけで終わっていましたが、中堅従業員と部下育成の話になったとき、もっと意識的に育てていくべきという結論に達しました。そもそも私自身の力は知れていますし「一番先に電建を離れていくのは年長の私であること」「そのときに今のメンバーが成長していなかったら会社の将来はどうなるのか」という話からこの結論に至った次第です。

加えて、会社が成長しないと給与は上がらないことも伝えました。例えば、今のメンバーが10年後に全員50万の手取りが欲しいと思ったら、売り上げや人件費を考えると今よりも会社は大きく成長していないと絶対無理。大勢の従業員がいて、たくさんの受注があって、利益が出ている状態じゃなければ手取り50万円は不可能です。現在は従業員もこの会社の仕組みを通じて理解していると思います。

―― 部下の育成で具体的に行っていることはありますか。

勉強会を行っています。当社の従業員は真面目なので、勉強会を実施しようとなったら最初は2時間のカリキュラムを提案してきました。さすがに2時間は詰め込み過ぎで、飽きてしまいます。「必要なところだけを抜粋して30分の勉強会にしたら?」とアドバイスしたところ、スムーズな勉強会が行われるようになりました。

もちろん、部下の育成は成長シートとも連動していますから、部下が成長すれば成長点数が加点されます。こういった部分まで可視化できるのが成長塾のすごいところだと感じています。

実際、勉強会に参加した従業員の成果も上がっています。ある入社間もない従業員は、すでに高圧工事の見積もりができるようになっています。しかも、以前は1時間かかっていたのが今は10分程度。こういったことの積み重ねが、高い人時生産性につながっているのだと思っています。

7.会社の成長に欠かせない人材のリクルート活動に注力

―― 今後、注力していきたいところをお聞かせください。

まず、当社の業務に合うように成長シートをブラッシュアップしていきたいと考えています。とくに定性的なところは、評価に落とし込みやすい定量的な業務に比べるとアバウトになりやすいため、運用しながら随時見直しが必要だと実感しています。

そのうえで、従業員のより良い労働環境を目指し、まだまだ残業が多い勤務体系を変えていきたいと思っています。さらに、土日の仕事が多いとはいえ、週休2日制の導入も必須。可能であれば、来期以降一斉に導入しようかという考えもあります。

こうしたさまざまな施策は、従業員と会社の成長のために行います。そして成長に欠かせないのが人材。会社としては人事制度のほか、働きやすいオフィスの整備、福利厚生の充実などに務めていますが、なかなか業界的に厳しいのが現状です。やはり今後、私自身が注力すべきところはリクルート活動と言えます。

和気あいあいとした雰囲気が心地良い社風

和気あいあいとした雰囲気が心地良い社風

8.とにかく、成長塾を受講することが近道

―― 人事制度に悩んでいる企業に向けて、御社からアドバイスがあればお願いします。

私は成長塾で学んで本当に良かったと思っていますから、大阪府中小企業家同友会の月例定例会報告でも当社の人事制度導入の話をさせていただいています。その話で成長塾を受講されている方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

実体験として言えるのは、ちゃんと勉強しないとダメだということです。「本を買って」「人に聞いて」だけではやっぱりダメなんです。私も最初は「いけるかもしれない」と思いましたが、考え方はもちろん、成長シートの細かいニュアンスや運用方法など、直接松本先生とやり取りしないと身につきません。とにかく、成長塾の受講をおすすめします。

―― 最後に一言お願いします。

おかげさまで当社は、ひょうご産業活性化センターの経営推進部成長支援課が決定する「成長期待企業」に認定されました。この認定は、経営関係の書類の審査、聞き取り調査、活動内容の調査といった度重なる厳格な審査があります、そのなかで、人事制度の導入を高く評価していただきました。

また、さまざまな高校の先生に自社の活動をアピールする場面があったのですが、その場に参加していたほとんどの会社が地元の100年企業。10年そこそこの当社では太刀打ちできないと思い、人事制度の話をさせていただきました。生徒の成長を可視化できる点に興味を持ったようで、先生方から大きな反響を得ることができました。

私だけでなく、第三者の目から見ても評価される成長塾の人事制度は本当に素晴らしい仕組みだと思います。私としては松本先生には感謝しかありません。このままずっと成長塾が続いてほしいと願うばかりです。引き続き、よろしくお願いいたします。

松本社長

株式会社電建様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。


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