株式会社小林時計店様(高級ブランド時計の正規販売代理店・メンテナンス 福岡県)

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株式会社小林時計店様(高級ブランド時計の正規販売代理店・メンテナンス 福岡県)

「成長シート導入後は4つのチームそれぞれのコミュニケーションが活発化。まだまだこれからですが、一千万円プレーヤーの従業員育成を目指し精進してまいります」株式会社小林時計店 代表取締役社長 小林 康弘氏

多忙で人事制度の運用にかけられる時間が少なくなり、以前から従業員の業務を「可視化してシステムに落とし込む」ことを真剣に考えていた株式会社小林時計店 代表取締役社長 小林 康弘氏。それを実践するため、成長塾で人事制度を学ばれた経緯と効果について詳しく伺いました。

●会社プロフィール
会社名 株式会社小林時計店
所在地 〒802-0006 福岡県北九州市小倉北区魚町一丁目3-6
代表者 代表取締役社長 小林 康弘
社員数 24名
事業内容 高級ブランド時計の正規販売代理店・メンテナンス
URL https://kobayashi-tokeiten.com/

 

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1.高級ブランド腕時計の正規取扱販売店を3店舗運営

――小林時計店の会社概要をお聞かせください。

小倉本店外観
小林時計店の旗艦店となる小倉本店

当社は今年90周年を迎える高級ブランド腕時計の専門店です。祖父が創業し、その後祖母、母親と続いて私が四代目になります。

社長に就任する前は、学生時代を含めて10年ほど東京にいました。学生時代は家業を継ぐ意識はあまりなかったのですが、やはり親に乞われてというのもありますし、店をなくしてしまうのももったいないですから、しばらくサラリーマンとして働いた後、地元に戻って跡を継ぐ決心をしました。

創業当時のことはよく分かりませんが、私が戻る直前は時計よりも貴金属やジュエリーの扱いが多かったと思います。私が戻ってきてからは時代の流れもあり、高級ブランド腕時計の正規取扱販売店へシフトしていきました。本店は福岡の北九州小倉で、2018年9月に2店舗目となる大分店をオープン。2022年8月には小倉本店のすぐそばに3店舗目がオープンしました。地元のお客様を中心にご愛顧いただいておりますが、小林時計店オンラインストアを通じて日本全国の方々にも各種ブランド腕時計の販売を展開。これらの店舗を70代2名、50代4名、40代9名、30代4名、20代5名の計24名の従業員で運営しています。

販売からメンテナンスまで、当店が「一生モノ」のパートナー選びのお手伝いをさせていただくことができれば幸いです。

2.多忙で人事制度の運用にかけられる時間がどんどん削られてしまう

――成長塾受講の背景をお聞かせください。

成長塾を受講する前までは、あらゆる人事制度の書籍を読み漁り、使えそうなものをチョイスして当社用にカスタマイズしながら、独自の人事制度を構築・運用していました。とはいえ、給与・賞与は「これだけの売り上げが見込めるから、これだけの給与・賞与が出せる」という私の頭のなかにある数字と人事評価を掛け合わせて算出したもの。はたから見れば、どんぶり勘定と言われても仕方ありません。ただ、決算書上のバランスシートを見たとき、これはこれで辻褄は合っていました。その当時はなぜか分かりませんでしたが、成長塾で松本先生がおっしゃっていた「経営者の頭の中にあることに間違いはなく、事業が存続できていることを鑑みれば合っている」の言葉に納得しました。

大分店内装
2018年9月にオープンした大分店

問題は多忙になるにつれ、人事制度の運用にかけられる時間がどんどん削られていったことです。人事制度の運用の時間が少なくなると、どうしても評価がおざなりになってしまいます。そうなると、従業員一人ひとりが納得できる評価を開示できません。幸いにも、業務内容や働き方、給与で不平不満を訴えてくる従業員はいませんでしたが、従業員自身のなかに溜めているだけかもしれませんから、この状況を早く打開したいと考えていました。

そこで、前々から思い描いていた「可視化してシステムに落とし込む」ことを真剣に考えるようになりました。成果と重要業務の因果関係を可視化し、それをシステムに落とし込むことができれば、自ずと納得感のある給与が算出されるのではないかという考えが、以前から私の頭のなかにありました。

――成長塾との出会いを教えてください。

「可視化してシステムに落とし込む」を実現すべく、数人のコンサルタントに「そういったシステムを組んだらいくらかかる?」という話をさせていただきました。すると、見積りは高額で当店の規模から考えると、導入は不可能でした。

何か良い手立てがないか思案しているなか、偶然、ある大手ビジネス誌の広告メールに「可視化する」というタイトルを目にしました。そのタイトルは私が渇望していたワードでしたからすぐに再確認しました。それが成長塾を受講するきっかけとなった、大手ビジネス誌主催の松本先生のセミナーでした。もちろん、藁をもつかむ思いでそのセミナーに参加しました。

魚町店外観
2022年8月にオープンした魚町店

セミナーでは、成長シートを使った人事制度のシステムの話をされていました。システムとして優秀だと感じ、使いこなすことができれば大きな武器になると思いました。ただ、セミナーではシステムの話まででしたから、具体的な運用方法までは分かりませんでした。もっと知りたいと思い、すぐに成長塾に申し込んで2019年11月に受講しました。

3.学んだのは従業員とのコミュニケーションの重要性

――実際に成長塾を受講し新たな発見などはありましたか。

セミナーとは違い、人事制度の根幹と成長シートの使い方を徹底的に叩き込まれました。印象に残っているのは「3カ月に1回、上司と部下で行う評価フィードバックにおいて、いかに部下が楽しみにするか、そういう評価フィードバックにしなければなりません」という言葉。上司は部下を常に見ている意思表示をすること、そして、部下を成長させるためのコミュニケーションを取っていくことが大事と頻繁におっしゃっていました。

主観になりますが、成長塾の人事制度は「評価を通じていかに従業員とコミュニケーションを取るか」そこに尽きるような感じを受けました。その過程で「やるべきことを成長シートに可視化する」ことが成長塾の大きな一面だと思った次第です。

――運用はいつから始められたのでしょうか。

受講後、すぐに仮運用をスタートさせました。当社期末の5月までの半年間ほど仮運用を行い、2020年~2021年期から本格的な運用に移行しました。ただ、仮運用から1年目までの成長シートについては、規定の評価項目を参考に私が単純に文章化しただけでしたから、従業員の大半が3点の評価になっていました。1点や2点、4点や5点はどんなときなのか、それを1年目の本運用のなかで煮詰めていった感じです。おかげさまで、本運用2年目の2021年~2022年は、当社の実務に合った形に成長シートをかなりブラッシュアップすることができました。

4.粗利益が向上したのは人事制度導入の効果

――人事制度導入後の定量的効果をお聞かせください。

成長塾の人事制度導入前の2018年6月~2019年5月をBefore、2021年6月~2022年5月Afterとして比較した定量的成果を以下に示しました。加えて、2019年6月~2020年5月の仮運用期(仮運用は2019年12月~2020年5月まで)も記載させていただきました。


※クリックで拡大します

数字を見て分かる通り、2019年6月~2020年5月の仮運用期は売り上げを落としました。理由は新型コロナウイルス感染症の影響です。緊急事態宣言が発令された直後の期末は、当社でもっとも売り上げが多い繁忙期にあたります。それが1~2カ月間まったく営業することができなかったため、売り上げに大きな影響が出ました。

人事制度を導入したわけですから、本来なら売り上げを上げて昇給につなげていきたいところですが、逆に売り上げが激減してしまい、昇給を考えられる状況ではありませんでした。結局、昇給できない前提で店舗を運営するしかありませんから、どうしても人事制度のシステムとの整合性にズレが生じてしまいました。とはいえ、世界的なパンデミックでどうしようもありませんので、従業員からの不満はありませんでした。

腕時計画像
高級ブランド腕時計を、自信を持って提案しております

ただ、2021年6月~2022年は2019年6月~2020年5月ほどではないものの、売り上げは回復してきました。特に注目してほしいのは、粗利益のところです。2021年6月~2022年は2019年6月~2020年5月よりも粗利益があり、粗利益率も伸びています。まだまだコロナ禍が収束していないなかでこの数字ですから、十分に評価できるのではないでしょうか。

売り上げよりも粗利益で話ができるようになったのは、まさに成長塾のおかげですね。ただし、決算を終えたばかりということもあり、具体的な要因までは分析できていません。しかも、もともと当社は残業がほとんどなく、年間で5時間あるかどうかという程度。より良い働き方を追及していきたいと考えていますから、どういったところで業務の効率化が図られたのか、時間をかけてでも分析する必要があると思っています。

5.チームでのコミュニケーションが活性化

――定性的効果もお聞かせください。

前述させていただいたコミュニケーションのところが大きいと感じます。一人のリーダーの下に5~6名の部下がいるチーム体制をとっており、計4チームが稼働していますが、どのチームも活発なコミュニケーションが取れていると思います。

とくに大分店の店長は、以前の職場で成長塾の成長シートを使い、上司として従業員を指導していた経験があります。運用の仕方を理解しているため、大分店ではフル活用ができています。そういった状況ですので、私から成長シートの内容や運用方法に問題がないか意見を求めることもあります。現在のところは「この通りで問題ございません」という返答で、とくに問題はないようです。

もう一人、成長シートの内容を把握している優秀なリーダーがいます。彼には人事管理の仕事のほか、新店舗の立ち上げにあたって採用した新人の育成を成長シートにそって行ってもらっています。新人ですから「何をどうしたらいいか分からない」状態ではありますが、余白のスペースが大きい分、「どうやったら売れていくのか」というノウハウが詰め込んだ成長シートは浸透しやすいと感じています。3~4点の点数を目指していけば、良い結果が期待できるのではないでしょうか。

――今後、運用していくうえで課題などはありますか。

マインドを変えられない従業員がいることです。人事制度の導入にあたって従業員から異論はありませんでしたが、いざ導入してみると「これまでの働き方に慣れてしまっている」従業員は、受け入れるのがなかなか難しいようです。ただ、成長シートをもとに従業員を成長させる人事制度を中心に会社を運営していくこと以外は考えていませんから、長い目で見ていきたいと思っています。

社員様の画像
笑顔でお客様をお出迎えします

もうひとつ、私が多忙なこともあって、一般の従業員向けの成長シートしか用意できていないことも課題です。「中堅、管理職の成長シートは、一般の従業員向けのアップグレード版でも問題ない」と松本先生にはおっしゃっていただいていますが、当社の業務を考えると大きく変える必要があると思っています。私自身の課題ですので、とにかく早急に時間を見つけて中堅、管理職向けの成長シートを作成してまいります。

6.優秀な従業員を1,000万円プレーヤーに育てたい

――今後の展開をお聞かせください。

目標は従業員のなかに1,000万円プレーヤーをつくることです。我々の業界で業績を伸ばしている店はたくさんあって、そういう店は給与面の待遇も良いと聞いています。ですから当社も「優秀な従業員の収入をいかに上げていくか」これをテーマに掲げています。

もちろん、1,000万円プレーヤーというのは難しいテーマです。そもそも我々の業界で1,000万円の収入を得ようとしたら、年間3億円を売らなければなりません。しかも、当社が店舗を構える小倉エリアは市場規模が小さく、高級なブランド腕時計という商材に興味を持つ方自体少ないのが現状です。大きな市場がある博多なら現実的に考えられますが、小倉というローカルエリアではかなり難しいと言えます。

ただ、市場規模を言い訳にしていては、当社を支えていく現在および将来の従業員にアピールできません。ローカルといえども、優秀な従業員に魅力的な店舗であることをアピールするためにも、早く1,000万円プレーヤーを育てていきたいと考えています。現在の従業員にも1,000万円プレーヤーの話は公言していますので、中堅、管理職向けの成長シートを作成してひと段落したら、松本先生と相談しながら具体策を考えていきたいと思っています。

――最後に一言お願いします。

ENTOENTOの導入事例を拝見させていただいたところ、3~5年目ぐらいから軌道に乗ってくるという話が非常に多いと感じました。当社もその時期にきていますから、松本先生からのアドバイスはぜひともいただきたいところです。

人事制度で悩む日本全国の中小企業の指導のため、まずは健康に留意してください。引き続きよろしくお願いいたします。

小林時計店 小林社長

株式会社小林時計店様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

※株式会社小林時計店様のホームページ
※取材2022年8月



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