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第174話 毎年賃金をリスクヘッジして上げる方法

2023-09-12 [記事URL]

これから毎年、賃金を3%以上は上げると発表する経営者が増えてきました。今後も多くの会社が賃上げ率を発表するようになるでしょう。

平均賃上げ率3%は、平均給与30万円の会社であれば一人当たり9000円賃金を上げたことになります。この金額を見ると、とてもリスクがあるように感じるでしょう。しかし、リスクのない賃金の上げ方があります。その方法であれば、経営者の悩みを解決することができます。

賃上げすることが会社のリスクになる理由は、業績が厳しいときでも一度上げた賃金を下げることができないからです。そのため、社員に正しい教育をしなければなりません。

全ての経営者は、業績のいい時に賃上げをします。この賃上げに最も影響を与えるのは、業績の良し悪しであることの教育が必要でしょう。

仮に賃上げ率3%であるとすれば、賃金を3%上げるために必要な売上高・粗利益は簡単に計算できます。つまり、賃上げ率3%を実現するための売上高・粗利益は、前もって社員に経営目標として説明できるのです。

この説明ができれば、社員は大切なことを学びます。
「経営目標の売上高や粗利益が達成できなければ、賃上げ率3%は実現しない」
決して会社が賃金を出し渋っているわけではありません。

社員は賃金を上げてもらいたいと考えているでしょう。そのためにどうしたら良いかを考えてもらう必要があります。それが業績の向上です。

業績を向上するために一番簡単で早い方法は、我が社の優秀な社員が成果を上げているやり方を、全社員が学び実践することです。それができれば、社員の成果が上がり、結果として会社全体の業績を上げることができます。

そのために今、激動の環境でも間違いなく成果を上げている優秀な社員のプロセスを成長シートで可視化し、全ての社員に共有化をしなければなりません。

「業績を上げる方法」と社員が聞くと、とても難しいとイメージします。しかし同じ会社の同じ社員がやっていることであれば、決して難しいという思いにはなりません。この優秀な社員をモデルにした成長シートは、まさにこの賃上げ率3%を実現するために最も重要なツールになるでしょう。もしまだ成長シートを作成してなければ、今すぐ作成をしてください。全社員が成長シートで成長します。

これからの日本では「賃上げ率」が大きく注目される経営指標になります。その関心に沿った形で経営目標を立てるときが来たといえるでしょう。貴社では、社員に賃金を3%上げると宣言できるでしょうか。

 


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弊社代表の松本の記事が「現代ビジネス」に掲載されました!

2023-09-08 [記事URL]

9月8日に弊社代表の松本の記事が「現代ビジネス」に掲載されました!
ぜひご覧ください。

<前編>:35歳社長が青ざめた…
「高い実績をアピールする中途社員」を高給で採用したら「最悪の結果」に
https://gendai.media/articles/-/114689

<後編>:28歳中途社員が絶句…
「同業界なら大丈夫」と転職したのに半年で退職を決めた「最大のギャップ」
https://gendai.media/articles/-/114690

他サイトにも転載されています。

◎Yahoo!ニュース
前編:
https://news.yahoo.co.jp/articles/fb37bc953dab760ca30f6b0db3f0a8449f76aec8
後編:
https://news.yahoo.co.jp/articles/972e5cb28f6584d17092a9b9351f91edae5c2424

◎livedoor News
前編:https://news.livedoor.com/article/detail/24948027/
後編:https://news.livedoor.com/article/detail/24949014/


第173話 評価シートは経営者によって異なる100人100種類

2023-09-05 [記事URL]

経営者が評価制度をつくるときに悩むことは、「何を評価したらよいのか」です。社員を評価する内容について学んだことがなければ、なおさらのことでしょう。

そこで、コンサルタントや専門家等の第三者から評価シートをもらうことになりますが、これが失敗の始まりです。

そもそも、経営者は社員の何を評価したらよいかを学んでいなくても、普段からやっていることがあります。それは社員を褒めたり叱ったりすることです。

過去1か月を振り返ってみれば、さまざまななことで社員を褒めたり叱ったりしていたことに気が付くでしょう。つまり経営者は、常に社員を評価しながら経営をしています。

その評価に基づいて行っているのが社員の指導です。できていないことをできるようにする。分からないことを分かるようにする。守っていないことを守るようにする。経営者は社員を評価した後に指導しています。評価しなければ社員の指導はできません。これが鉄則です。

これをしっかりと理解してもらえば、評価シートを第三者から受け取ってはいけないことが分かります。

評価シートは業種ごとにつくるものではありませんし、企業規模ごとにつくるのでもありません。経営者ごとにつくるのです。なぜなら経営者によって「何を評価しているのか」が、全く違うからです。つまり経営者ごとに評価シートは違うことになります。

そして大切なことは、評価は経営者の成長によって中身が変わっていくことです。経営者はさまざまなことを学び、成長します。その成長に伴い、経営者が評価することは変わってきます。ですから、評価シートは経営者が自分でつくらなければならないのです。

経営者自らつくることで、あることが分かります。それは、今まで評価していたことが社員には見えていなかったことです。

それは評価される社員の立場から見れば分かります。社員は今の会社に在職している以上は経営者に褒めてもらいたいと思っています。ところが経営者が何を評価しているかが社員には分かりませんでした。

成果の大きさを褒めたり、やっていることを褒めたり、知識技術の習得度合いを褒めたり、勤務態度の良さを褒めたりと、社員やタイミングによって褒めている内容が違います。そのため、社員としては結局何を褒められているのか整理がつかないのです。

その褒めている内容を1つの評価シートにまとめたらどうでしょう。社員は「社長に褒めてもらうように成長していきたい」と考えています。これを自己育成と言いますが、経営者が評価シートを自らつくることによって、評価シートに書いてあることができれば必ず褒めてもらえる、つまり社内で評価されることは何であるか可視化されたことになります。

評価シートによって社員は自己育成ができ、同時に上司は部下に統一した指導をすることができるようになります。社員本人にとってもいい、上司にとってもいい評価シートをつくることが、社員を成長させる最も簡単で、そして早い方法です。

もし「社員の何を評価したらよいか分からない」と思ったら、過去1か月間自分は何を褒めてきたのか振り返ってください。間違っても私に、「当社の業種、または規模に合った評価シートをください」と求めないでください。

自社で作成した評価シートはお持ちでしょうか?

 


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山陽パッケージシステム株式会社様(包装物流業 広島県)

2023-09-01 [記事URL]

事業拡大による従業員の増加への対応と大手企業のブランド力に対抗するため、成長塾を受講し人事制度づくりを学ばれた山陽パッケージシステム株式会社 代表取締役 小林 大敏氏に、その経緯と効果について詳しく伺いました。

●会社プロフィール
社名:山陽パッケージシステム株式会社
所在地:〒720-2113 広島県福山市神辺町旭丘50(神辺工業団地)
代表者:代表取締役 小林 大敏
資本金:4,300万円
設立:1977年2月
社員数:90名(契約社員・パートを含む)
事業内容:包装物流に関して、重包装から一般段ボール包装を含む化粧箱、化成品、諸資材の設計開発・製造・販売、その他CAD/CAMシステムによる包装・物流に関するコンサルティングサービス、前各号に付帯する一切の業務
URLhttps://www.sanpake.co.jp/

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1.包装物流を企画、設計、製造、納品までワンストップで提供

――山陽パッケージシステムの会社概要をお聞かせください

当社はお客様の大切な製品を守るため、包装・物流システム全体の問題点を正しく把握し、梱包形態、輸送方法、保管を勘案したうえで最適な素材、最適な形状を設計し提案する包装物流の会社です。お客様の大切な製品は大きさや形が異なり、さらに輸送方法もトラックや貨車、航空機などさまざまで、梱包物流のスタイルも多種多様です。そこで当社は、お客様のご要望をヒアリングし、企画から設計、製造、納品までワンストップで提供できる体制を構築しました。この体制を基盤に品質の維持、作業性の向上、資材の削減、環境負荷の低減、誤包装の防止などを考慮したうえで、段ボール、樹脂、木材、金属から最適な梱包素材をご提案させていただいております。結果、全国より多くのお客様から「包装物流のことなら山陽パッケージシステムに」とお問合せをいただける会社へと成長することができました。

広島県福山市の本社工場

お客様はものづくりを手掛ける大手企業が大半。近年は自動車部品メーカー様とのお取引が増加しており、本社工場がある広島県福山市だけでなく、2014年からは埼玉県幸手市に埼玉工場を建設して包装物流を展開しています。2023年は愛知にも営業所を開設、さらなる事業の拡大を目指しています。社会に必要とされる会社となるため、これからも進化を続けていく所存です。

――小林社長が山陽パッケージシステムに入社された経緯をお聞かせください。

山陽パッケージシステムは、1977年に私の叔父が創業した会社です。学校を卒業する前から叔父には「会社を継いでほしい」と声をかけられていましたが、卒業後はとりあえず大手素材メーカーに就職。サラリーマンを続けつつも、「一度きりの人生だし、自らチャレンジできる環境で仕事がしたい」と思い、1992年に山陽パッケージシステムに入社しました。

当時の山陽パッケージシステムは自社工場の生産能力が低く、製造のほとんどは外部の協力工場に依頼している状況。売り上げは2億円ほどでした。そうしたなかで営業を中心に会社で実務経験を積み、2002年に事業承継して山陽パッケージシステムの代表取締役に就任しました。

2.従業員の働き方を定量的に評価できる人事制度が必要

――成長塾を受講された背景をお聞かせください。

大きく2つありました。1つ目は会社が成長し、規模が大きくなってきたことです。代表取締役就任当時はパートを含めて20名程度の会社でしたが、その後、約10年がむしゃらに走り続けた結果、気づくと従業員50名ほどの会社になっていました。ただし、業務をこなすことで精いっぱいだったため、この規模でも管理部門はありませんでした。しかも、給与計算は相変わらず私が鉛筆なめなめで行っている状況。正直、私一人で人事全般を見るのは厳しい状況と言わざるを得ません。そこで、人事制度の導入が必要だと感じるようになりました。

2つ目は大手企業のリクルートで従業員が引き抜かれてしまうことです。大手企業は繁忙期に入ると数百名単位のリクルートを実施。その際、当社の従業員も大手企業のブランド力に惹かれて転職してしまうケースが多々ありました。当社としては大事な人材を取られてしまうのは大きなマイナスです。そこで、たどり着いたのが人事制度です。従業員の働き方を定量的に評価し、働きに見合った処遇(昇給・賞与)を与えることができる人事制度が当社にあれば、人材の流出を防げるかもしれないと考えるようになりました。

――成長塾の受講に至った経緯をお聞かせください。

さまざまな本などを参考に、人事制度の導入に取り組みました。まず、大手企業4,000余社を指導し、超優秀企業を数多く育てた方の本を参考にしました。実際、導入を試みようとしましたが、すぐに合わないと判断。数万人規模の大手企業が求める人事制度と、当社のような数十名の中小企業が求める人事制度では根本が大きく異なっていました。

ライン化により効率性の高い生産が可能。5S運動により、工場内の清掃も行き届いています

そんなとき、知り合いから偶然松本先生の冊子をいただきました。タイトルは覚えていませんが、書かれていたのは松本先生が提唱する人事制度の手法でした。読み進めるなかで「これだ」と電気が走りました。とくに松本先生が言う業務の可視化は、今でこそメジャーになりつつありますが、当時は新鮮そのもの。すぐに詳しく知りたいと思い、2012年2月に経理を担当している妻と一緒に成長塾を受講しました。

3.受講後すぐに仮運用から本運用へ

――人事制度の運用状況をお聞かせください。

受講の半年後には、成長塾で学んだ人事制度を仮運用で導入。2015年からは、給与と連動した本運用を開始しました。大変だったのは、やはり成長シートづくりです。当社の場合、営業部、営業企画部、製造部、業務部、総務部、経営企画部の計6つの部門に一般・中堅・管理職という階級があり、それぞれに成長シートを作成しなければなりません。単純に計算して18種類の成長シートが必要になります。

さらに、会社が求めるものと従業員が行う業務のベクトルを合わせるため、毎年、成長シートのブラッシュアップが必要です。加えて、成長シートは社会情勢や会社の現状に則したものでなければならないと考えています。実際、少しずつ会社の業種業態も変化していますから、そういった部分も加味して成長シートを更新しています。

フィードバックと成長支援会議は、現場が忙しいため、どちらも年2回行っています。松本先生が推奨する年4回は難しいですが、フィードバックと成長支援会議を繰り返すことによってPDCAが回りますから、従業員の業務への取り組み方が変わってきたと感じます。とくに「給与水準を上げていこう」という雰囲気が会社のなかに漂い始めているのは良い傾向だと思っています。

――人事制度導入後の定量的効果をお聞かせください。

2015年4月~2016年3月をBefore、2022年4月~2023年3月をAfterとし、人事制度導入直後と直近を比較した定量的効果を以下に示しました。ご覧の通り、売り上げはもちろん、すべての項目で数字が向上。今期の売り上げ目標は19億円に置いています。

4.成長支援制度を仕組み化し、従業員の成長を後押し

――人事制度の導入で効果を感じるところを教えてください。

主には以下の2つで効果を感じています。

<定着率の向上>

もともと従業員から不平不満が出るような会社ではありませんでしたが、人事制度導入後は、明らかに定着率が向上しました。それは、人事制度が従業員に納得感を与えつつ、成長を促すことができるからだと考えています。例えば、入社して2~3年も経過してくると先輩風をふかし始めるというか、存在感を出してくる従業員がいますが、そんなときは成長シートを通じて可視化された勤務態度や業務への取り組み方などをもとに、現在の評価を説明します。すると、すぐに現状を理解してもらえます。そして、理解することで次の成長が見えてきます。このプロセスには納得感も伴いますから、辞めるという発想には至りません。これが定着率に寄与していると考えています。

<成長支援制度の策定>

人事制度をもとに賃金テーブルを作成し、成長階層によって従業員のおおよその給与が分かる仕組みにしています。さらに、賃金テーブルに加え、キャリアパスを設定するなど、成長支援制度として仕組み化。この成長支援制度はPowerPointに落とし込み、新卒採用時に利用しています。

実は当社の多くは新卒で、人事制度導入前から毎年5名前後を採用しています。以前は新卒採用に苦労していましたが、人事制度を導入し成長支援制度を策定してからは、採用がスムーズに進むようなりました。会社説明会などの際、成長支援制度のPowerPointを見せることで、当社がどれだけ従業員の働き方に配慮し、成長を支援しているか理解してもらえます。

設計専門スタッフが3台のCAD CAMを使い、スピーディーな設計ができる体制を整えています。

5.広島県の上場企業の給与水準に合わせることを目標に

――人事制度の導入後、目指している試みなどはございますか。

現在、目指しているのは給与水準の向上です。経営者にとって、従業員から「給与が安いから生活できません」と言われることは、もっとも辛いことのひとつです。人事制度導入も、そういった不満が出ないようにしっかり従業員の業務を可視化して適正な処遇を与えたいという想いがありました。

給与水準の向上のため、具体的には広島県の上場企業の給与水準を参考にしています。広島県の上場企業40社以上の決算書を取り寄せて、それぞれの企業の平均給与をExcelに入力。それをもとに当社の給与と比較しています。今はまだ8%ほどの開きがありますが、少しずつ差は埋まってきています。先ほど「給与水準を上げていこう」とお話させていただきましたが、実はこうした私の想いも影響しています。

この私の想いに従業員も同調し、どうすれば給与水準を向上させることができるか考えるようになりました。まず、他社と同じもの、同じサービスであれば給与の向上は望めません。ですから「コスト競争力で負けない」「オリジナル仕様を確立する」など、どう差別化を図っていくかを真剣に考え始めるのです。まだまだ全従業員がそういう意識ではありませんが、ベクトルの方向性は定まってきていると感じます。そして何よりも、当社にはそうした従業員の頑張りに応える人事制度の仕組みがあるというのが、私と従業員の大きな支えになっています。

6.人事制度は経営者側と従業員が成長していくための重要な制度

――人事制度に悩んでいる企業に向けて、御社からアドバイスがあればお願いします。

人事制度を導入すると、経営者側に不利になると思われている方がいらっしゃるかもしれません。しかし、決してそうではありません。人事制度は経営者側と従業員とのコミットメントであり、お互いが成長していくための重要な制度です。とくに松本先生の人事制度は、そのコミットメントのベースとなる成長シートを通じ、成長度が目に見えて分かります。まずは、成長塾の受講をおすすめします。

――最後に一言お願いします。

松本先生に助けていただいた一人として言えるのは、「先生には健康に気をつけながら少しでも多くの中小企業を支援し続けてください」の一言です。これからも何卒よろしくお願い申し上げます。

山陽パッケージシステム株式会社様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

※山陽パッケージシステム株式会社様のホームページ(https://www.sanpake.co.jp/)
※取材2023年5月


第172話 評価はなぜ1年間に4回必要なのか?

2023-08-29 [記事URL]

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経営者の悩みの1つに「社員の評価を決める」ことがあります。本人評価と上司評価、そして組織的な評価を決めるため、かなりの時間を必要とします。そのため、できれば社員の評価を年に2回にしたいと考える経営者が多いようです。

評価の目的の1つは、社員の昇給・賞与を決めるためです。そのためだけに評価を決めると考えている方が多いでしょう。

しかし実は、昇給・賞与を決める以上に大事なことがあります。それは、評価が決まらない限りは有効な部下指導ができないことです。

例えば、ある成果を上げるための業務を「重要業務」と言いますが、その重要業務の遂行度を5段階で評価するとき、その社員が果たして1点なのか2点なのか3点なのか4点なのか5点なのか、評価を組織的に決めてフィードバックしない限り、上司は部下に対して的確な指導ができません。

仮に社員の評価を年2回、つまり半年に1回行うとすれば、上司は部下がどれだけ成長しているのか、そして部下本人は自分の成長度合いが半年間分からないままになります。

部下に対する指導は、組織的に決まった評価に基づいて行うことになります。部下は成長度合いを評価フィードバックで確認し、上司はそれに合わせた指導を行わなければ的確な指導にはなりません。年2回の評価では、半年間とても曖昧な指導しかできないことになります。曖昧な指導では決して部下の成長の役に立ちません。

本来、的確な部下指導のために評価をするのであれば、評価は毎月すべきでしょう。しかし、この評価を決めるための時間を毎月組織的に取ることは難しいでしょう。そこで、1つの妥協案として3か月に1回の評価になります。

仮に3か月に1回評価を行った際、本人評価と上司の評価のギャップ、または上司間の評価のギャップ(評価の甘辛)、または上司と経営者の評価のギャップが存在している間は、決して的確な部下指導ができていないことを表しています。このままでは部下を成長させることはできないでしょう。

この問題が解消されるとき、具体的には上司による部下の評価が組織的に評価を決める際に覆ることがない、つまり上司の評価=会社の評価になれば、この段階で組織的に評価を決めることは半年に1回でいいとなります。

上司の評価が常に組織として正しい評価になったことが確定すれば、その評価を基にして後々の昇給・賞与を決めることができるようになります。それまでは最低でも3か月に1回は必要でしょう。

私たちには忘却曲線があります。1か月も経つと8割のことを忘れてしまうのです。そのため、上司が6か月も前の部下の成長度合いを評価すること自体、相当な困難を伴うでしょう。

最低でも3か月に1回は社員の評価を決め、そしてフィードバックすることは必要であり、全上司が部下の評価を的確にできるようになってから半年に1回にすることです。評価を決めることは大変なことですが、それまでは3か月に1回評価してください。

社員の評価は年に何回行っているでしょうか?


第171話 中途採用で押さえるべき経験より大切なこと

2023-08-22 [記事URL]

中途採用する時に求めていることは何でしょうか? 一般的に即戦力を求めているでしょう。中途で採用する以上、早期に成果を上げる優秀な社員を採用して経営を楽にしようという考え方は、当たり前といえば当たり前でしょう。

しかし、それだけの実力があるかどうかは、入社してみないと分かりません。日本の場合、面接時には「何ができるか」ということばかりが採用の決定要素になっています。大事なことは入社後にどれだけの成果を上げることができるか、応募者に入社前に明確に数値で説明してもらわなければなりません。

中途採用の場合には事業規模の急拡大、または欠員募集といった緊急度が高い採用のために、採用時の賃金が高額になることは往々にしてあります。

基本的に、入社から半年も経てば社員が実際どれだけの実力を持っているか明確になります。このとき、面接時の評価と入社半年後の評価にギャップがあり、賃金を払い過ぎていると後悔する場合があります。そのため、半年後にはこの賃金の見直しができるようにして採用しなければなりません。

しかし、仕事ができるかどうか以上に重要なのは、我が社の組織風土に合うかどうかです。

会社にはそれぞれの考え方があるでしょう。その考え方に共感するかどうかは、6か月間あれば十分判断できます。そして会社の考え方に共感しているかどうかは、社員の行動で判断することになります。

それが勤務態度の遵守です。組織風土に基づいた具体的な社員の行動、守ってもらうべき態度です。

この態度が守れるかどうかがとても重要であることに気がついている会社はあまりありません。つまり、成果を上げる仕事はできても、勤務態度を守らない社員がいます。

「協調性がない」や「責任感がない」といった、我が社の社員としてふさわしくない状況があったとすれば、それはこの会社で定着する可能性は低いことを知らなければなりません。

なぜなら、日本企業の場合は基本的に一般階層で優秀な社員を次の中堅階層にステップアップさせ、部下育成の仕事をしてもらうことを期待しています。

勤務態度が悪い社員を上司にすることはできないでしょう。上司が最初に取り組む仕事は部下の勤務態度を守らせることだからです。例えば「遅刻をしない」「仲良く仕事をする」「困っている人を助けてあげる」ができていない上司が、その勤務態度を部下に指導することはできません。

つまり、中堅階層にステップアップする社員は勤務態度を守っていなければならないのです。そのため、中途採用で成果の高い優秀な社員を採用する場合でも、必ずこの勤務態度が守れることを採用の条件にしなければならないのです。

今すぐこの会社全体の業績向上に貢献してもらいたい気持ちは経営者の中にあるかもしれません。

しかし、結局定着しないような社員を採用してしまえば、指導した努力が全て無駄になってしまいます。この繰り返しをしてはならないでしょう。

成果を上げられる以上に、必ず採用する時に我が社の勤務態度が守れるかどうか判断することが大事です。一度我が社の勤務態度を確認してみてください。難しいことは一つもないはずです。小学校・中学校・高校レベルの守るべきことしか書いてありません。

勤務態度の内容は企業によって若干違いはありますが、どれも難しく理解できないものではないでしょう。我が社の勤務態度を大事だと思って守れるかどうか。たったそれだけです。

高い成果を上げられるかどうかだけでなく、勤務態度が守れる社員を中途採用しているでしょうか?


第170話 上司に教えるべきことは部下の成長のゴール

2023-08-08 [記事URL]

上司が2人以上いる企業は、あることに気がついているでしょう。それは上司によって部下の成長度合いに差があることです。部下が成長している上司と、なかなか部下が成長しない上司を目の当たりにしているでしょう。

上司には部下をしっかり成長させてもらいたいという気持ちは、全ての経営者の想いです。ところが、部下の上げた成果を見比べて、上司によって部下の成長度合いに違いがあると、成果の低い部下の上司にはもっと積極的に指導してもらいたいと考えるでしょう。

部下の成長は、上司が部下指導に積極的かどうかによって違いが出るわけではありません。そもそも、上司は今までの経験や年齢、持っている知識技術もそれぞれ違うでしょう。同じように部下を成長させることは非常に難しいと知る必要があります。

部下が成長しているかどうかは、通常は部下が上げている成果で判断しています。営業社員であれば、売り上げで部下の成長度合いを考えることになるでしょう。

しかし、その成果を上げるためには、部下に大事な勤務態度を守らせ、知識技術を身に付けさせ、成果を上げるためにすべき業務(重要業務)を指導する必要があります。この成果を上げるためのプロセスの指導の仕方が、上司によって違うということに気がつかなければなりません。ここが部下の成果の違いを生んでいる大きな要因です。なかなか部下が成長しない上司は、このプロセスの指導が有効ではなく、どうしたらよいか分からないまま部下指導しているのです。

大切なことは、全上司に「成長のゴール」(優秀な社員像)を共通の認識にすることです。それは我が社の優秀な社員を基にした成長シートをつくり、その成長シート通りに社員を成長させることになります。

高い成果を上げている社員が優秀な社員でしょう。その社員がやっている重要業務、その重要業務を遂行するために必要な知識技術、そして我が社の社員として守ってもらいたい勤務態度を1つにまとめなければなりません。まとめることによって我が社の優秀な社員が可視化されます。つまり、部下の成長のゴールが上司によって変わることなく、同じものに統一できるのです。

そして指導する対象(プロセス)は全部同じです。勤務態度を守らせること、知識技術を身に付けさせること、そして重要業務を遂行させること。この指導を有効にするためには優秀な上司をモデルにすれば良いのです。

この指導内容の違いが部下の成長の違い、成果の違いを生み出しています。部下を成長させるためにはどのような指導が必要か、我が社で統一的なものにまとめることができれば、上司が「有効な部下指導」を指導することができ、上司によって部下の成長度合いが違うことは少なくなります。

上司の部下指導が上手にできていないという曖昧な情報だけでは、全上司の部下指導を有効にさせることはできません。まずは部下の階層である一般階層で、優秀な社員をモデルにした成長シートをつくり、そのシートを上司が部下指導する際に活用する。それによって全ての上司は同じように部下育成をすることができるようになり、全上司を優秀な上司にすることができます。

部下だけでなく、上司も一緒に成長できるような仕組みはあるでしょうか?


弊社代表の松本が執筆した記事が「東洋経済オンライン」に掲載されました!

2023-08-02 [記事URL]

2023年8月2日
「残業するおじさん」と「帰りたい若手」のギャップを埋める方法について、弊社代表の松本が執筆した記事が「東洋経済オンライン」に掲載されました!
世代間にある、残業の考え方のギャップを埋める方法を解説しました。

記事はこちらから(無料で読めます)
https://toyokeizai.net/articles/-/690163


第169話 社員の成果向上にはノルマより正しい目標

2023-08-01 [記事URL]

   

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社員が成長し業績が向上する人事制度

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会社には経営目標があり、基本的にその経営目標を実現するための大きな原動力は社員です。

社員にはそれぞれの成長段階があります。例えば、社員の成長を点数として表せる「成長点数」がある会社であれば、20点の社員も、40点の社員も、60点の社員も、80点の社員もいます。

社員それぞれ成長するスピードはさまざまであり、会社には標準的なスピードで成長して昇格に必要な年数、いわゆる「標準昇格年数」があります。入社して1年で高い成果を上げて80点の社員になることは無理です。ある程度の年数をかけて優秀な社員になっていきます。

ところが、会社全体の目標である経営目標を達成するために、会社側から社員それぞれに会社の目標を割り当てることがあります。それを「ノルマ」と言います。

ノルマは英語ではありません。ロシア語です。戦後、シベリアに抑留された日本人たちが過酷な条件の中で生き永らえて帰ってきたとき、この「ノルマ」という言葉が日本に伝えられたそうです。

ノルマを課された社員は、そのノルマを達成するために必死に成果を上げることに取り組むでしょう。場合によってはノルマを達成しようとするあまり、決して正しくない道に進んでしまう可能性は十分にあります。ある企業の問題がマスコミを賑わせていますが、それはノルマを課していたことが一因でしょう。

ノルマを課しても、決して会社の業績を上げ続けることはできないことを私たちは知らなければなりません。歴史は繰り返しています。経営目標を達成するために、ノルマを課す必要はないのです。

どの会社にも成果の高い社員がいます。だからこそ、この高い成果を上げている社員と同じ成果を他の社員にも上げてもらいたいと考えるでしょう。そのために、この会社で高い成果を上げている社員は「何をして」成果を上げているのかを調べて他の社員に教えること、共有化することです。これが日本のマネジメントです。

全社員が成果を上げたいと思っていますが、いきなり全員が成果を上げることは無理でしょう。しかし、その成果を上げている社員のやり方を真似することによって、徐々に高い成果に近づくようになっていきます。これが社員の本来の成長なのです。

社員は高い成果を上げるためのやり方をすれば良いということを学んで実行していくことになるでしょう。仮に全社員が上げている成果の平均売上高が3000万円だったとします。その中で最も高い成果を上げている社員が5000万円の成果を上げていたとしたら、実に1.6倍の差があります。この5000万円の成果を上げるやり方を全社員に教えることができたら、全社員が5000万円の成果を上げることができるのです。

もちろん、高い成果を上げるやり方は難易度が高いでしょう。しかし、ノルマを課すのではなく成果を上げるやり方を教えることによって、社員は正しい成果の上げ方を学びます。それはお客様に喜んでもらいながら成果を上げることです。

お客様に喜ばれ、感謝された社員は「世の中に貢献している」と、胸を張って正々堂々成果を上げるための努力を重ねるでしょう。そしてさらに成果を上げたときには、多くのお客様に大きな喜びになり、より大きな感謝を得ることができます。社員の成長は成果をもたらすことと同時に、多くのお客様に喜びをもたらすことになるのです。

会社に存在している高い成果を上げるやり方を社員の中から引き出し、可視化して共有化することが最も大切なことです。この激動の時代でも成果を上げることができるベストな方法です。

現在高い成果を上げている社員のやり方を上司全員で把握し、全社員に共有化しているでしょうか?


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