ブログ記事一覧

ダントツ日本一の人事制度支援数
過去20年間で支援実績1,387
042-542-3631
お問い合わせ 資料請求

第185話 社員に納得してもらう正しい賃上げの方法

2023-11-28 [記事URL]


【Amazonにて部門第1位獲得!(10/17)】
日本で一番「早く」「簡単に」「エンドレスで」業績を上げる人事制度
20年間で1373社の人事制度を構築指導したグループコンサルティング
「成長塾」
100社100種類の完全オーダーメイドの人事制度
松順式人事制度(成長制度)とは!
ご購入はこちらから


賃上げ率3%実現のために設定した経営目標を達成できたとき、実際どのように賃上げすればいいでしょうか?

全社員同じように、支給している基本給に3%掛けると考えている方が多いかもしれません。しかし、実際は全社員一律で3%上げることは現実的ではありません。社員の成長度合いによって賃上げ率が異なるからです。つまり、あくまで賃上げ率は「平均」です。

社員が今いる成長階層(一般階層・中堅階層・管理階層)によって昇給額は違うでしょう。また、同じ階層の中でも優秀な社員やまあまあの社員、これから成長していく社員と、それぞれ成長度合いに違いがあります。つまり、同じ成長階層でも組織原則2:6:2があり、昇給額が違うのです。

例えば、賃上げ率が平均3%だとしても、社員の成長度合いによって掛ける賃上げ率は異なります。優秀な社員の賃金が現在30万円、まあまあの社員が25万円、これから成長していく社員が20万円だとします。このときにこれから成長していく社員の賃上げ率は2%の4,000円、25万円のまあまあの社員の賃上げ率は3%で7,500円、30万円の優秀な社員は賃上げ率4%の12,000円となるかもしれません。もっとも、この金額は経営者の考え方によって違いますが、この賃上げ率は社員の成長度合いによって違うのです。

間違っても賃上げ率3%を全ての社員の基本給に掛けることはできません。今までの「社員の成長度合いによって決定していた昇給方法」とは異なる昇給方法になってしまい、整合性がつかなくなってしまいます。

そのため、社員に対して「賃上げ率3%は『平均3%』であり、社員の成長度合いによって賃上げ率は違う」と前もって説明しておかなければなりません。事前に説明しなければ、実際に賃上げ率を計算した社員から不満が出ることになります。

社員による昇給額の違いは、今まで経営者が社員の成長に伴って賃金を増やしてきたことです。賃上げ率が社員によって違うのは当然なのです。ここが、ベースアップと違うところです。

しかし、社員の成長によって賃上げ率がどのように変化するかを、経営目標の発表時点であらかじめ説明しなければなりません。

社員は、この賃上げ率は今の成長度合いによって決まったものであり、自分が成長することで昇給額が上がることを理解するため、一切の不平不満は出てきません。

社員としても自分がこの会社で成長していくことで昇給額が増えること、そしてこの先自分の賃金がいくら増えるのかを前もって知ることができます。この説明ができれば、社員はこの会社での将来に不安を持つことはなく、じっくりと成長するようになります。

社員は1年前に自分の昇給額と自分の賃上げ率を知ることができているでしょうか?

 


【新刊本出版記念セミナー】開催!
詳細・お申込みは下部のバナーから(リンク先へ飛びます)

 


第184話 モデル賃金が社員採用の武器になる

2023-11-21 [記事URL]


【Amazonにて部門第1位獲得!(10/17)】
日本で一番「早く」「簡単に」「エンドレスで」業績を上げる人事制度
20年間で1373社の人事制度を構築指導したグループコンサルティング
「成長塾」
100社100種類の完全オーダーメイドの人事制度
松順式人事制度(成長制度)とは!
ご購入はこちらから


最近の初任給の上昇、または中途社員の賃金相場の上昇により、中小企業にとってますます採用のハードルが上がりました。

すでに新卒や中途採用時の賃金額の見直しをしなければ、採用できない状況に追い込まれています。それは十分に分かっていても、急に大幅な見直しをすることは難しいでしょう。現在いる社員の賃金を見直すことも同時に行う必要性があるからです。

この賃金の見直しは、大幅な労働分配率の悪化につながることは必至です。しかし、採用活動はこれからも実施しなければなりません。そのための武器が「モデル賃金」です。

モデル賃金は会社の業績が良かったら、そして社員が成長したらどう賃金が増えるかということを明確に示すものです。

このモデル賃金があれば、入社後成長していけばどのように賃金が増えていくのか、採用面接の時点で説明することができます。

例えば一般的に採用時の賃金相場が24万円以上のとき、採用面接する際「採用時の賃金は22万円ですが、当社はモデル賃金によって40年間、あなたの賃金がどう増えていくかを説明することができます。(求人広告媒体によって表示内容に制限があるため、同じ表示はできませんが)社員として成長し、業績が良ければ65歳には基本給を60万円支給することもできます」と説明できるのです。

特に、入社時の賃金が高くても、その後あまり上がらないことを経験したことのある中途採用の社員からすれば、採用した後でも賃金が上がると具体的に説明できる会社があることに驚きがあるでしょう。このときの応募した人の驚きは、真面目で優秀な人ほど大きく出ます。

採用時の賃金を一挙に上げられないときに、採用した後に賃金が増えるモデル賃金を説明できることが、これからの中小企業の大きな採用の武器になります。この武器で採用できる人は、この会社で成長して賃金を上げようとする、自主的で真面目な、優秀な社員です。これは評価と賃金が完全に一致しているからできることです。

最近の経営者の相談で多いのは「採用時の賃金をいくらまで上げたら良いのか?」です。広告の紙面で見る採用時の賃金は高すぎるため、その金額にアップしないと当社はもう採用できないのではないかと嘆きますが、一挙に賃上げすることはできないでしょう。

これからこの問題に対応するためには、まずは社員の成長、特に生産性の高い社員への育成に取り組む必要があります。会社の業績(生産性)が良くなければ、今後賃上げすることはできないでしょう。

一方で採用活動時にはモデル賃金を応募者に見せることで、40年以上安心して仕事ができる、明確な人事制度や賃金制度があると説明します。これは口約束ではなく、社員の成長の後から賃金が増えることを明確に約束する制度であると安心します。

「安心して働けるこの会社に、これからの人生をかけたい」と、本人に決意してもらって入社するのであれば最高です。このとき、応募者は入社時の賃金に納得するだけでなく、この会社に入社して成長しようと意欲に燃えて入社することは、会社にとっても良いことでしょう。
採用時にモデル賃金は示せているでしょうか?

 


【新刊本出版記念セミナー】開催!
詳細・お申込みは下部のバナーから(リンク先へ飛びます)

 


第183話 賃上げ率3%を求める社員と取り組むこと

2023-11-14 [記事URL]


【Amazonにて部門第1位獲得!(10/17)】
日本で一番「早く」「簡単に」「エンドレスで」業績を上げる人事制度
20年間で1373社の人事制度を構築指導したグループコンサルティング
「成長塾」
100社100種類の完全オーダーメイドの人事制度
松順式人事制度(成長制度)とは!
ご購入はこちらから


これから大手企業は毎年のように賃金を上げていくでしょう。それも3%以上、中には7%以上賃上げすると宣言していた経営者もいます。3%の賃上げとは、平均賃金が30万円であれば9,000円になります。結構な金額です。

このような環境下では、中小企業の社員も自社の賃上げ率に関心を持たざるを得なくなります。もう既に社員から来年の賃上げ率を聞かれた経営者もいます。その社員の質問に答えられる経営者はどれぐらいいるでしょうか。

経営者個人の気持ちとしては賃上げしたいと思っていても、賃上げはそのときの業績によって決まることであり、今から説明するのは難しいとお考えでしょう。

しかし、この質問は、今最も良いタイミングでの最も良い質問といえるでしょう。社員は「どのようなときに賃上げになるか?」を質問してきているのと同じです。

どういうときに3%賃上げできるかは、経営目標を用いて説明することが可能です。売上高が○○円のときは3%、△△円であれば4%、□□円であれば5%賃上げすると説明できます。場合によっては、賃上げ率7%のためには売上高は××円必要と、高い目標まで説明できるようになります。

賃上げの内訳は「ベースアップ」と「昇給」です。まずは、ベースアップと昇給の割合を決めることが必要です。

ベースアップは現在、物価高への対応が主な支給目的とされていますが、一般的には労働力需給関係や生産性の向上、生活水準といったさまざまな理由でベースアップは行われてきました。しかし、どのような場合でも賃上げは会社の業績がいいことが前提です。業績が悪ければ当然ベースアップもできないでしょう。これも社員に説明することが必要です。

とはいえ、「業績が良ければベースアップする」ことは年功序列賃金と同じ問題を発生させます。そこで、ベースアップはせずに昇給だけで賃上げする、いわゆる「昇給率=賃上げ率」という考え方で進めることが最も合理的であり、リスクもない賃上げです。間違っても、業績が悪いときにベースアップはできませんから。

そして経営目標を実現することで、昇給するための昇給原資をつくることができ、結果として賃上げすることが可能になります。経営者にとってもリスクがなく、社員にとっても分かりやすいでしょう。

今までの日本とは違い、これから賃金は毎年のように上がっていくことになります。しかし結果として業績が悪いからといって賃上げをしなければ、我が社は賃金を上げる気のない会社だと社員から誤解され、定着率が下がる可能性があります。

賃上げをして欲しいと全ての社員が思っているとすれば、どのようにその経営目標を実現するかを全社員で真剣に考えるときが来たといえるでしょう。

これが今の時代の社員教育で最も大事なことです。この教育を社員にしているでしょうか?

 


【新刊本出版記念セミナー】開催!
詳細・お申込みは下部のバナーから(リンク先へ飛びます)

 


第182話 人事制度は環境に合わせて変更しているか

2023-11-07 [記事URL]


【Amazonにて部門第1位獲得!(10/17)】
日本で一番「早く」「簡単に」「エンドレスで」業績を上げる人事制度
20年間で1373社の人事制度を構築指導したグループコンサルティング
「成長塾」
100社100種類の完全オーダーメイドの人事制度
松順式人事制度(成長制度)とは!
ご購入はこちらから


企業にある全ての仕組みは、元々目的があって作成されました。

例えば「顧客管理」の仕組みがある企業はどうでしょうか。顧客からさまざまなクレーム(要望)を頂き、中にはおりに近いものもあるでしょう。そのクレームに真摯に向き合いながら、顧客への対応の仕方を改善し、併せて顧客管理の仕組みも改善していくことになるでしょう。

顧客管理の仕組みがあることで、全ての社員に共通するベストな方法で顧客に対応することができます。仮に新人であったとしても、顧客管理の仕組みがある企業はベテラン社員と同じような対応ができるようになります。

一般的に、クレームの多くはベテラン社員の対応と新人社員の対応の違いによって発生することが多いのです。つまり、全ての社員が同じような対応ができるように仕組みはつくっていくことになるでしょう。

では、人事制度はどうでしょう。人事制度はどのような目的でつくるのでしょうか? 通常は、社員の評価を決めて、昇給・賞与を決める目的でつくるでしょう。

この目的を達成するために人事制度をつくる理由は、社員が「評価に対して不平不満がある」「昇給・賞与の決め方に納得できない」と言われた時に、納得できる答えが説明できるようにするためです。この仕組みがあれば経営者だけではなく、幹部や上司も同じように社員に答えることができます。

ただ、ここで大切なのは社員からのありとあらゆる質問に答えることです。もともと、人事制度は説明しても、全ての社員が「はい、分かりました」となるほど分かりやすいものではありません。そのため、社員の質問にはきちんと答えなければならないうえ、万が一人事制度に問題があると指摘されれば、改善が必要になってくるでしょう。

人事制度は一度つくったら終わりではなく、常に社員からの質問に答え、不平不満を解決するために毎年見直しすることが必要になってきます。

大切なことは、経営者が自分で説明できる内容でなければならないことです。経営者本人が分かるようにつくらなければ、社員に対して自分の言葉で答えることができません。ここが人事制度で失敗する大きなポイントの一つでしょう。

そして、人事制度は時代の変遷によって、さまざまな改善・改革をしていかなければなりません。長く勤めていれば優秀な社員になれる年功序列賃金が通用した時代から、今後は時代の変化に合わせてタイムリーに適応できる社員が優秀だとすれば、そういった社員を評価し賃金が上がるよう、人事制度を変えていく必要性があります。この対応が一般的には行われていません。

企業によっては数年前につくった人事制度をそのまま運用し続けており、最近は環境の変化に適応できていない、評価が現状と一致していない可能性があります。経営環境が変われば顧客管理の仕組みも変わるように、人事制度も変えなければなりません。そのため、人事制度はどうしても経営者が今までやってきたことを可視化してまとめることが必要になります。つくってもらった人事制度は見直しができないからです。

ただし、今までやってきた評価や昇給・賞与の決め方を可視化することは簡単ではありません。人事制度を構築する最初の段階では、専門家の力を借りて可視化することが必要でしょう。自分でも分からなかった、気付かなかったことも含め人事制度としてまとめることができます。

今ある人事制度は、現在の環境に適応している人事制度になっているでしょうか。

 


【新刊本出版記念セミナー】開催!
詳細・お申込みは下部のバナーから(リンク先へ飛びます)

 


第181話 同じ部下指導を繰り返すより、優先されることは何か?

2023-10-31 [記事URL]


【Amazonにて部門第1位獲得!(10/17)】
日本で一番「早く」「簡単に」「エンドレスで」業績を上げる人事制度
20年間で1373社の人事制度を構築指導したグループコンサルティング
「成長塾」
100社100種類の完全オーダーメイドの人事制度
松順式人事制度(成長制度)とは!
ご購入はこちらから


「頑張れ!」と何度も言う前に、頑張らなくても成果が上がる仕組みをつくることが大事です。

経営者は会社全体の業績を上げるために、なかなか成果の上がっていない社員への指導に多くの時間を割いています。

しかし、いくら時間をかけて指導しても、この社員の成果の向上につながることはほとんどありません。なぜなら、指導されている社員は自分なりに一生懸命仕事しているという思いがあるからです。

この場合、やるべきことを次から次へと指導しても、社員は混乱をきたすだけであり、成果が上がることは決してありません。その結果、この社員は意欲の低さを指摘され、会社の中でとても評価が低くなり、昇給・賞与もほとんど増えないでしょう。社員は徐々にモチベーションが下がっていきます。

この社員も入社した時はやる気に満ち溢れていました。ところが、思ったようには成果を上げられず、上司や経営者から厳しい指導を受け続けることで、やがてやる気がなくなり、ついには会社を辞める決断をしてしまうでしょう。

経営者からすれば、なんとしてでも成果の上がらない社員の成果を上げなければならないと悩み続けているかもしれません。この成果の上がっていない社員を指導する前に、大切なことがあります。

それは自社には成果が上がっている社員が存在していて、その社員は成果が上がるやり方をしていることです。このことに注目です。

会社としてこの成果が上がるやり方を特定し、そのやり方で実施すると他の社員でも同じように成果が上がることを、成果の上がっていない社員に対して指導するのです。

さらに、その都度社員のやり方を指導するのではなく、成果を上げられるやり方を仕組み化して常に活用できるようにすることです。このことが、成果が継続して向上しない企業には抜けている可能性があります。

例えば営業社員が「しっかりと情報を集めてきなさい」と指導されていたとします。成果の上がっていない営業社員は、情報を上手く集めることができません。しかし、この社員は上司に「しっかり情報を集めるように」と指導されても、自分なりに一生懸命やっていると思っているため、この指導を受け入れることはありません。

しかし、成果を上げている社員がしっかりと情報を集めているのであれば、その情報収集のやり方を「情報収集シート」というシートにまとめ上げ、成果の上がっていない社員に渡すことで「どのような種類の情報を、どのように集めればいいのか」を明確に伝えることができるようになります。

つまり「情報収集をしなさい」という指導ではなく「この情報収集シートに沿って情報を集めてください」という指導に変えるのです。これによって情報を集められなかった営業社員は情報を集めることができるようになり、やがて高い成果を上げることができるでしょう。この指導が一般的にはできていません。

私たちが部下指導する理由は、全社員に高い成果を上げてもらうことです。
そのためには、次のようなステップで仕組みをつくらなければなりません。

1.高い成果を上げている社員のやり方(重要業務)を特定する
2.その重要業務の情報を全ての社員に共有化する
3.共有化した重要業務によって全社員の成果を上げることが確認したら、それを仕組みにする

このことがとても重要です。生産性の高い会社はこの仕組みをつくることに時間を割いています。成果の低い社員に「頑張れ!」と言う指導は必要ありません。

もし成長シートがあれば、成長シートの中にある重要業務が全員4点以上(その業務を優れたやり方で実施していた)になったときには、成長シートから外すことになります。そして今度はその外した重要業務を仕組みにするのです。仕組みにすることによって、来年入社してくる新卒社員は、その仕組みを活用することで先輩社員、ベテラン社員と同じような成果を上げることができます。

実は新卒採用には、このように仕組みをつくってから取り組まなければなりません。仕組みをつくらずに新卒を採用したら、労働分配率が一気に悪化し、既存社員の昇給・賞与を下げることになります。

今、優秀な社員のやっている重要業務を仕組み化しているでしょうか?

 


【新刊本出版記念セミナー】開催!
詳細・お申込みは下部のバナーから(リンク先へ飛びます)

 


第180話 全社員が本音で目指す経営目標の立て方

2023-10-24 [記事URL]


【Amazonにて部門第1位獲得!(10/17)】
日本で一番「早く」「簡単に」「エンドレスで」業績を上げる人事制度
20年間で1373社の人事制度を構築指導したグループコンサルティング
「成長塾」
100社100種類の完全オーダーメイドの人事制度
松順式人事制度(成長制度)とは!
ご購入はこちらから


令和6年以降の賃上げ率は、毎年3%以上が当たり前になるような状況になってきました。令和6年は7%賃上げすると発表した会社もあるほどです。令和5年に3%以上賃上げした中小企業は、決して多くないでしょう。そのため、この傾向に対して頭を抱えている経営者も多いかもしれません。

賃上げ率3%以上にするためにはそれだけ賃金原資を増やす必要がありますが、果たして自社は賃上げできるほどの原資をつくることができるかどうか、経営者は不安に思われているでしょう。

最大の悩みは、経営目標の達成に社員が賛成しない可能性があることです。この問題を解決しない限り、決して賃上げ率を3%以上にすることはできません。大切なことは経営者が社員の賃金を上げたいと考えて経営目標を設定したことを、社員に理解させることです。

経営目標の決め方は、経営者によってさまざまでしょう。その決め方を社員に一番理解させるためには、賃上げすると年間の人件費がどれだけアップするか、その人件費を負担するためにはどれほど粗利益を増やさなければならないか、そして最終的に売り上げはどれほど増やさなければならないか、全て計算して社員に説明するのです。

「3%賃上げするための経営目標は○○円です」
「4%賃上げするための経営目標は□□円です」
「5%賃上げするための経営目標は△△円です」
上記のように全て目標設定の根拠として賃上げ率を社員に示すことができます。
この経営目標を発表した時に、社員がどういう行動をとるか想像がつくでしょうか。ほとんどの社員は、賃上げ率5%の経営目標を目指そうとします。

もちろん全員がこの賃上げ率5%の経営目標を目指そうとはしないかもしれません。しかし、この経営目標を目指す社員が、反対する他の社員を説得するようになります。なぜなら、優秀な社員がいくら一人で頑張っても5%賃上げすることはできません。全社員が一緒に成長して成果を上げ、経営目標を達成することで初めて5%賃上げできると理解するからです。

一番簡単な方法は、一番高い成果を上げている社員のやり方を全員で共有化をして実施することです。これほど経営目標を簡単に、確実に実現できる方法はありません。こうして全社員で経営目標に取り組むようになります。

もちろん、賃上げ「率」の場合は現在の賃金が20万円の社員と30万円の社員で賃上げする額は違いますが、全社員が同率で賃上げできるため公平といえるでしょう。誰からも不平不満はでません。

この経営目標の発表の仕方をすることによって、経営者が先送りにしていた社員にとって最も大事な「賃金は業績連動であること」を教育できるようになります。賃上げするために経営目標があり、達成できなければ賃上げはできないことを知ることで、社員は厳しい環境だとしても全社員一丸となって目標に取り組み、優秀な社員は高い成果を上げているやり方を共有化するようになります。そしてこのことをよく理解した社員は、会社の高い経営目標に対して反対することはなくなります。

今の賃上げせざるを得ない経営環境は最悪だと発言する経営者もいるでしょう。しかし、その最悪の環境を最も簡単な方法で解決できることに気が付いてください。そのことに取り組んでもらえれば、この問題を解決することができます。

令和6年は賃上げ率3%を実現するための経営目標を発表しませんか?

 


【新刊本出版記念セミナー】開催決定!
詳細・お申込みは下部のバナーから(リンク先へ飛びます)

 


鳥影社より新刊本が発売されました!

2023-10-17 [記事URL]

2023年10月17日に、弊社代表の松本が執筆した新刊『日本で一番「早く」「簡単に」「エンドレスで」業績を上げる人事制度』が鳥影社より発売されました!

ご購入はこちらから

お陰様で労働問題社会学カテゴリにおいて第1位を獲得しました! ありがとうございます。


第179話 上司が部下指導する前に会社が絶対やるべきこと

2023-10-17 [記事URL]


【本日発売!】
日本で一番「早く」「簡単に」「エンドレスで」業績を上げる人事制度
20年間で1373社の人事制度を構築指導したグループコンサルティング
「成長塾」
100社100種類の完全オーダーメイドの人事制度
松順式人事制度(成長制度)とは!
ご購入はこちらから


「部下を成長させたい」と上司は考えています。しかし、上司のやっていることが、逆に部下の成長を妨げていることに気が付いていない場合が往々にしてあります。

例えば、上司は朝から晩まで部下に指示命令をしています。これが部下の仕事量を増やして成長を妨げていることに気が付いている上司はあまりいません。

上司に一度、部下に1日どれぐらいの仕事を指示命令しているか確認してみると分かります。上司本人は指示したことは忘れている可能性がありますが、指示命令を受けた部下はたくさんの仕事を次から次と言われるために、どこからその仕事をこなせばいいかその順序が分かりません。優先順位を妨げる行為をしているのが上司であることが往々にしてあるのです。

社員の働く所定労働時間は決まっています。この限られた時間の中で仕事をこなさなければなりません。そしてその取り組む仕事は、必ず社員に求めている成果(期待成果)を上げるための業務(重要業務)でなければなりません。

上司の仕事は部下にたくさんの仕事をさせることではありません。上司の仕事は期待成果を上げる重要業務を特定して、その業務に集中して取り組める環境を与えることです。決して仕事を増やすことが上司の役割ではないのです。

では、上司は部下が成果を上げるためには何をしたら良いか明確に分かっているでしょうか。そしてそのことは上司間で共通の認識はしているでしょうか。A上司とB上司で部下に言っていることが違う場合、この組織では上司それぞれで違った指示命令をし、部下はそれぞれ違った成長をすることになります。

これを防ぐためには、組織全体で部下に対してやるべき重要業務を統一して指導させなければならないでしょう。この体制ができる、やるべきことを明確にすることができるのが「成長シート」です。

成長シートは1つの期待成果に対して、重要業務は3つまでしか書きません。つまり、1つの成果を上げるために必要な重要業務を3つまでに特定し、絞り込むのです。そして成長シートの期待成果は最大5つまで書けます。つまり、重要業務は最大でも15個です。

通常、社員の稼働率(=重要業務に投入できる時間÷所定労働時間)から考えて、基本的に所定労働時間内でこの重要業務に費やす時間の割合は経験上2割程度です。一度自社の稼働率を計算してみてください。相当驚くことになるでしょう。

仮に所定労働時間が174時間だとすれば、34時間しか重要業務に費やせていないのです。残りの時間は付帯業務をこなしています。つまり、この「仕事を絞る」ことをしなければ、部下は成果の上がらない付帯業務を一生懸命取り組むことになります。これではいつになっても部下は高い成果を上げることはできません。

上司の仕事は部下にやるべき仕事を明確に示し、それをできるように環境を整備することです。この体制ができることによって、部下は初めて高い成果を上げる社員として成長していくことになります。この体制ができなければ、いつになってもやることは分かっていても、それ以外の仕事をやらざるを得なくなり、成果は上がらないまま仕事をするようになります。

大事なことは部下に生産性の高い仕事の仕方をさせることです。つまり、(1)取り組む仕事を特定させて、(2)その仕事をやりきらせることなのです。部下が仕事をする上で、この環境を構築することが上司の最も重要な仕事です。

このことができなければ、上司は結果として社員の成果を妨げる、生産性を下げるような指示命令をしていることになります。

このことに早く気が付かなければなりません。上司はこのことに気がついているでしょうか。
またその指導を経営者はしているでしょうか?

 


【新刊本出版記念セミナー】開催決定!
詳細・お申込みは下部のバナーから(リンク先へ飛びます)

 


阿部鋼材株式会社様(鋼材の切断および加工販売 北海道)

2023-10-11 [記事URL]

従業員の成長を正しく評価し、従業員のベクトルをひとつの方向に向かせるため、成長塾を受講し人事制度づくりを学ばれた阿部鋼材株式会社 代表取締役社長 阿部 大祐氏に、その経緯と効果について詳しく伺いました。

●会社プロフィール
社名:阿部鋼材株式会社
所在地:〒063-0830 北海道札幌市西区発寒10条11丁目2番14号
代表者:代表取締役 阿部 大祐
資本金:4,500万円
設立:80名(2023年4月現在)
社員数:90名(契約社員・パートを含む)
事業内容:鋼材の切断および加工販売
URLhttps://abekouzai.jp

contents.gif

 


1.切板加工を主軸に曲げ加工や溶接加工も展開

――阿部鋼材株式会社の会社概要をお聞かせください。

当社は1951年、私の祖父が創業した鋼材の切断および加工・販売の会社です。業務の半数以上は、大型レーザー切断機やプラズマ切断機、ガス切断機、シャーリングマシンなどを使って鋼板を切断する切板と呼ばれる加工です。切板の用途は建築用がメインですが、プラントメーカーからも依頼があります。そのほか、鋼板やステンレスの曲げ加工・溶接加工も当社を支える業務で、これらさまざまな鋼材加工技術を駆使した「トンネルの骨組みとなる支保工(しほこう)」の製作は、当社の大きな柱となっています。グループには、上部が柵状になっている水路(柵渠:さっきょ)のコンクリート部分を造るコンクリート2次製品会社もあります。

北海道札幌市の本社。製造は石狩工場、発寒工場で行う

当社は会社の姿勢を「新価値創造支援業」という言葉で表現してます。お客様が製品・商品を通してこの世に生み出そうとする価値を、当社の技術力や提案力で全力サポートしていこうという想いを込めた言葉です。これからも、お客様から必要とされる会社であり続けるために、日々研鑚を重ねていく所存です。

――阿部社長が阿部鋼材に入社された経緯をお聞かせください。

1996年4月に入社し、2015年に代表取締役に就任しました。父が二代目、私で三代目となります。事業承継は頭にあったものの、大学を出てから工業系機械メーカーの会社に就職しました。少なくとも5年はその会社で働くつもりでしたが、会長(祖父)の病気を機に2年ほどで地元に戻り、阿部鋼材に入社しました。

2.現場を見ずに従業員の処遇を決めるやり方に疑問

――成長塾を受講された背景をお聞かせください。

私が社長に就任する前、当時は社長である父が全従業員の処遇(昇給・賞与)を決定していましたが、その決め方に疑問を抱いていました。処遇の算出方法は父の頭の中にあるソロバンのみ。従業員の働きぶりは見ていません。当然、従業員からは「現場を見ずにどうやって評価しているのか」とクレームがあります。それに対し、「見ているから、ちゃんと伝えているから」と何とか私が従業員をなだめている状況でした。

父がどうやって評価しているのか、私なりに考察しました。すると、最初の印象が後々の評価にもつながっているようでした。例えば、最初の面談や業務の取り組みでAさんは仕事ができる人、Bさんはあまり仕事ができない人という判断を下してしまうと、それがずっと後々まで影響していきます。実際は1~2年経過すると、AさんとBさんの業務成果が逆転していることはよくあることです。しかし、そうした現場を見ていませんから、それが処遇に反映されることはありません。Aさんは仕事ができる人、Bさんはあまり仕事ができない人のまま、ずっと評価し続けるわけです。もちろん、私としては現在の業務とマッチした評価をすべきだと感じていました。

もうひとつ、会社としてまとまりがない点も問題視していました。従業員それぞれに個性があるのは良いことですが、それが野放しになっている状態。ベクトルがバラバラでしたから、どうにかしてひとつの方向にまとめていきたいと思っていました。いろいろ思案し、最終的に行き着いたのが人事制度です。私が社長に就任したら、すぐに人事制度を導入しようと考えていました。

3.求めたのは従業員の業務をありのまま評価する人事制度

――成長塾の受講に至った経緯をお聞かせください。

社長に就任して早々に人事制度の導入に取り掛かりました。まずは、以前から当社に協力いただいているコンサルタントにお願いし、その方が推奨する人事制度のプログラムを当社用にアレンジして導入することにしました。ところが、当社には合わない人事制度だということがすぐに分かりました。

合わない理由は「理想の人材像」というのが要因です。「理想の人材像」に照らし合わせてあなたは何点という人事制度だったため、いくら優秀な従業員でも、理想像に近づくことはあっても理想像になることはありません。つまり、永遠に100点にはならない仕組みでした。当社に必要なのは理想像を追い求める人事制度ではなく、ありのままの現実を評価する人事制度だということにあらためて気づかされました。

多様なニーズに応える切板加工の様子

そんなとき、若手経営者向けセミナーなどを通じて社長業を支援する企業を経由し、松本先生が主催する成長塾の案内を入手。人事制度を上手く運用できていないこともあり、すぐに受講してみたいと思いました。北海道から会場となる東京までは遠いと思いましたが、人事制度の導入は当社の最重要課題ですから、私と営業マネージャー、工場長の計3人で2017年12月に受講させていただきました。

――成長塾を受講し、どのような印象を持ちましたか。

「それぞれの部門の業務を可視化する必要がある」というのはまさにその通りだと思いました。一方で、その可視化が本当に処遇につながっていくのかという疑問はありました。ただ、現時点で人事制度導入の障壁はありませんから、まずは「松本先生の教え通りにやってみる」というのが受講した3人の結論でした。

――人事制度の導入プロセスと現在の運用状況を教えてください。

製造、営業、工務、総務、購買、エンジニアリングの部門ごと、一般職、中堅職、管理職の3階層に分けて成長シートを作成。計18の成長シートをもとに2018年5月から仮運用を開始しました。一年後には処遇にも結びつく本運用を開始。また仮運用以降、上司と部下が面談を行うフィードバックと成長支援会議は実施し続けています。

4.人事制度導入後は粗利や人時生産性が大きく向上

――人事制度導入後の定量的効果をお聞かせください。

2018年5月~2019年4月をBefore、2022年5月~2023年4月をAfterとし、成長塾受講直後と直近の状況を比較した定量的効果を以下に示しました。売り上げはあまり変わっていませんが、粗利や人時生産性などは大きく向上しています。これは成長塾が重視する人時生産性を追い求め、効率化を図った結果です。

また、人事制度導入後は残業時間が減り、定着率が向上するという好循環も生まれています。もちろん、忙しいときは残業もありますが、「帰ることができるときは帰る」を徹底。各部門独自にノー残業デーも設定しています。従業員の様子を見ていると、仕事のメリハリの付け方が良くなったと感じます。その結果だと思いますが、2022年度入社の社員は現時点で誰も会社を辞めていません。入社しても会社に残るのは25%程度だった2018年5月~2019年4月期と比べると、会社の環境は大きく変わったと思います。

5.3回目までのフィードバックを社長自ら実施

――阿部社長が考える人事制度導入の成功の秘訣などはございますか。

秘訣かどうかは分かりませんが、従業員の反応を確かめたかったこともあって、3回目までのフィードバックはすべて私が行いました。15~20分のフィードバックを約80名の従業員全員と行うわけですから、容易ではありませんでした。でも、やって良かったと思っています。

最初のフィードバックは「面倒くさい」「また社長はコンサルタントを入れて何か始めた」といった雰囲気で訝しんでいる様子。まずは従業員に人事制度導入の話をするわけですから、それも当然だと思います。ISOの取得や5S活動のときも、コンサルタントを入れて全社的な取り組みを行っていましたから、かなり社長はコンサルタント好きと思われたかもしれません。

鋼板・形鋼の曲げ加工、溶接組立加工の現場

2回目のときは従業員に落ち着きが見られました。ですが、まだお互いに様子を伺っている状況。3回目になると、成長シートを通じて従業員の頑張りが見えてきます。それを従業員に伝えると、とても喜んでくれます。私自身、そこで可視化の重要性を実感することができました。4回目以降は中堅職、管理職の成長を促すため、彼らに任せていますが、私としては非常に貴重な時間だったと考えています。

6.成長支援制度が新卒採用に大きな効果を生む

――そのほか、人事制度導入のメリットと感じるところはございますか。

業務内容が可視化されると、従業員自身の進む道も見えてきます。それをもとに多くの従業員が成長しようと頑張ってくれますから、会社にまとまりが出てきたように思います。これだけでも、人事制度を導入して良かったと感じてます。そのほか、以下の点も人事制度導入のメリットとして挙げさせていただきます。

<公平な処遇に納得感>
この人事制度は、成果を上げた人が昇給・賞与・昇格という処遇の恩恵を受けることができる仕組みです。性別や年齢は評価の対象ではありません。作為的なものが入る隙間はありませんから、従業員から高い納得感が得られています。

<複数の目によるチェック>
人事制度導入以前は社長の頭のなかだけで評価と処遇を決めていましたが、人事制度導入後は成長支援会議を通じ複数の目で何重にも評価のチェックが入り、成長シートをもとにしたフィードバックの明朗な仕組みで評価されれば、従業員も納得しないわけにはいきません。

<新卒採用時に活用>
成長塾の受講直後から新卒社員を採用するようになりました。その選考プロセスで、工場見学と同時に勤務態度・知識技術(スキル)・重要業務を期待成果(数値)として評価する成長シートをベースとした成長支援制度の話をさせていただいています。すると、学生の皆さんは一様に安心した様子で頷いてくれます。実際、この数年間、毎年数名ずつの新卒社員を採用することができ、今では工場の大きな設備を自由自在に操っています。

現在は、中途採用にも成長支援制度を活用。これにより、工場の経験がなくてもキャリアプランを描けますし、食品会社や旅行会社にいた人が営業で活躍することも可能です。

7.システム導入による効率化にも取り組む

――現在、取り組んでいらっしゃることはございますか。

工場ですから、やはりシステム導入による効率化ですね。設備や機械でできることなら設備や機械に任せようという発想で、先日も品番を印字する設備を導入しました。切板の場合、切った鋼板に一枚ずつ水性のペンで品番を書かなければならないのですが、それが1,000枚もあると非常に時間がかかり、従業員の負担にもなります。

そこで、導入したのがこの設備です。効率化を図れば業務にゆとりが生まれ、別の業務に取り組むこともできます。それらが積み重なっていけば人時生産性が向上。さらに業務の属人化を排除することも可能です。

工場と連携し、納期・工程管理やCAD設計を行っている現場

8.成長塾の人事制度は従業員に安心感を与える仕組み

――人事制度に悩んでいる企業に向けて、御社からアドバイスがあればお願いします。

成長塾の人事制度は、従業員に安心感を与えることができる重要な仕組みだと思っています。実はリーマンショックのあおりを受け、2011~13年にかけて3年連続で赤字を出したことがありました。当時は社内に大きな不安感が漂い、かなりの危機感を覚えました。しかし現在は、従業員の評価に応じた処遇を仕組み化した人事制度があるため、またリーマンショックのような試練があったとしても、社内に不安感が漂うことはないと思っています。ですから、他の経営者から成長塾の人事制度について問い合わせがあった場合、いつも「おすすめですよ」と答えています。

――最後に一言お願いします。

こうした人事制度の仕組みを考案していただき、非常に感謝しています。社長の頭のなかにある雑然とした諸問題を、うまく紐解いて可視化できるところは凄いの一言です。もっと全国の中小企業の経営者に広げて欲しいと思っています。今後とも、引き続きよろしくお願い致します。

阿部鋼材株式会社様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

※阿部鋼材株式会社様のホームページ(https://abekouzai.jp)
※取材2023年6月


PAGE TOP




MENU

CONTACT
HOME