ブログ記事一覧

ダントツ日本一の成長制度支援数
過去20年間で支援実績1,423
お問い合わせ資料請求

第147話 中途採用時の賃金の決め方による問題点

2023-02-21 [記事URL]

最新情報
【3月開始】成長塾212期申し込み受付中!
詳細はこちらをご確認ください
書籍のご案内
Amazon小売部門で第1位!(2022/10/14)大好評17刷ベストセラー!
社員が成長し業績が向上する人事制度
NHKラジオでも取り上げられた今話題の一冊! Amazonで3部門第1位!
1300社が導入した日本型ジョブディスクリプション
その他の著書に関しては、書籍のご案内を参照ください。

日本では賞与・退職金を決めるときには、基本給をベースに決めることが一般的です。しかし、この決め方には大きな問題があることに、経営者はあまり気が付いていません。

日本では労働基準法があるために、中途採用した社員の賃金は採用時点で決定しなければなりません。しかし、その社員が実際どれくらいの仕事ができるのか、3か月から6か月間仕事をしてもらわないと分からないでしょう。

つまり、中途社員の賃金は採用してから半年後に初めて評価に見合った賃金を決めることができるのです。

ところが、入社の段階で賃金を決めなければならないとなると、採用面接時の応募者の話から基本的に高い評価になり、基本的に高い賃金で採用することになります。このため、中途採用をしている社員の90%以上は賃金を払い過ぎています。

中途採用時に賃金を決める仕組みがない会社は、この払い過ぎている金額すら把握することはできません。

賃金を払い過ぎている金額が基本給に入っているとしたら、その払い過ぎている金額も含めている基本給をベースに賞与を支給するのでしょうか。退職金の計算をするときもこの基本給で計算するのでしょうか。これでは毎月の賃金ばかりか賞与と退職金も払い過ぎてしまいます。

中途採用をしている会社は、賞与の計算を基本給ベースにすることは問題があるでしょう。
賞与は、基本給を使わずに社員の成長によって支給する方法に変更する必要があります。

同じように退職金の計算を基本給ベースにすることは問題をさらに大きくすることになります。
退職金はその社員の組織貢献度に合わせて支給する方法にしなければなりません。

新卒社員の場合は一律で初任給が決まるため、賃金を払い過ぎることはありませんので、中途採用した社員の昇給・賞与を払い過ぎている問題は見逃すことができないほど、年々大きくなっていきます。

この問題を解決することができなければ、労働分配率を悪化させる一方です。払い過ぎているという問題が分からないこと自体大きな問題ですが、今後の採用難の時代には、この基本給を払い過ぎているという隠れた問題を早く把握し、問題解決に取り組まなければなりません。

決して難しいことでありません。これからの日本では社員の成長と賃金が一致してなければ、ますます高騰する社員の賃金を公正公平に支給することはできなくなるでしょう。

社員の定着率を高めることも、また成長を促進することもできません。この問題の解決に取り組んいますか?


第146話 中小企業も賃上げ可能な理由

2023-02-14 [記事URL]

最新情報
【3月開始】成長塾212期申し込み受付中!
詳細はこちらをご確認ください
書籍のご案内
Amazon小売部門で第1位!(2022/10/14)大好評17刷ベストセラー!
社員が成長し業績が向上する人事制度
NHKラジオでも取り上げられた今話題の一冊! Amazonで3部門第1位!
1300社が導入した日本型ジョブディスクリプション
その他の著書に関しては、書籍のご案内を参照ください。

賃上げ率が3%以上になりつつあるのは、日本では約30年ぶりと言えるでしょう。最近のこの大手企業の賃上げに合わせて、中小企業も賃上げを検討せざるを得ない状況になりました。

賃上げには中身が2つあります。「ベースアップ」「昇給」です。どちらも賃上げ原資は同じです。そのため、同じ財布からベースアップにするか、昇給にするか決めなければなりません。

ベースアップは会社の業績に関係なく物価高騰に対応するため、社員に一律で支給します。「物価上昇に対応してベースアップします」と一度社内に発表したら、業績とは関係なくベースアップをすることになります。これは中小企業では基本的にできないでしょう。

そのため、中小企業では「昇給」を中心に考えなければなりません。現実問題として、中小企業の賃上げ率は大手企業と比べて低い傾向があります。しかし決して「社員の賃金を上げたくない」「低く抑えたい」と考えているわけではありません。結果として大手企業と比べたら低いというだけです。

そこで、中小企業でも高い賃上げができることを、前もって社員に発表しておく必要性があるでしょう。

例えば、今期の経営目標が実現できたら3%の賃上げが可能である。またはそれ以上に業績がよかった場合には賃上げ率は5%にできる。業績が向上したら、大幅な賃上げも可能です。このことを事業年度の最初に発表しなければなりません。

業績の結果責任は経営者・経営幹部が一番大きいと言えるでしょう。だからと言って社員は何もせず賃金が上がる訳ではありません。社員の成長も必要なのです。

「こんなに頑張っても賃上げ額が少ない…」という社員の嘆きを聞く前に、賃上げ率を高めることは可能である、そのために会社の業績はどのくらい上げなければならないのか。このことを経営目標の発表時に行う必要があります。

賃上げ率は事前に計算できます。全社員がそれぞれその成長によって昇給額は異なります。その金額を合計して自社が支給できる昇給額かどうか確認することができます。決して難しい計算ではありません。業績が良ければ十分に払えると確認できれば、事前に社員に発表しなければならないでしょう。

そしてその業績を高める方法は経営計画書の中に書かれているかもしれません。しかし大前提があり、この経営目標を実現するための一番有効な方法は全社員が成長することです。

そして社員の行動で大事なことは優秀な人がそのやり方を成果の上がっていない人に教えることです。教える社員と教えられて成長する社員。その職場の雰囲気はとても良好だと言えるでしょう。

職場の雰囲気が良いことは業績の良い企業に共通する企業風土です。
この賃上げをする方法を社員に説明しているでしょうか?


株式会社インハウス久永様(建材・住宅設備機器の卸売業/インテリアショップ/ホームセンター 鹿児島県)

2023-02-07 [記事URL]

「社員の成長で売り上げや粗利益が大きくアップ! 加えて社員同士で教え合う風土ができあがったり、新卒の応募動機に繋がったりと良いこと尽くめです」株式会社インハウス久永 代表取締役社長 久永祐司 氏

成長シートを活用して、社員同士が教え合う風土を作り上げると共に、売り上げや粗利益を大きく向上させた株式会社インハウス久永の代表取締役社長 久永 祐司 氏に、成長塾での学びやその魅力について伺いました。

●会社プロフィール
社名 株式会社インハウス久永
所在地 〒891-0123 鹿児島市卸本町8-16
設立 1953年(創業 1858年(安政5年))
社員数 65名
事業内容 建材・住宅設備機器の卸売業/インテリアショップ/ホームセンター
URL  https://www.inhouse-hisanaga.jp

contents.gif

 

1.建材や住宅設備機器を取り扱っている江戸時代創業の老舗商社

――インハウス久永の会社概要をお聞かせください。

インハウス久永は、内装仕上げ材を中心とした「建材」「住宅設備機器」を取り扱っている商社です。鹿児島県にある本社の他、九州各地に営業拠点を持ち、主に内装屋さんや畳屋さん、リフォーム店さんに、商品の卸売りを行っています。
また卸売業の他にも、鹿児島県内に2店舗のインテリアショップ「インハウス久永with LIVING HOUSE」と、鹿児島県と宮崎県にそれぞれ1店舗ずつあるホームセンター「現金問屋ダイコク」を運営しており、こちらでは一般消費者の方々に向けた販売も行っています。

創業は1858年で、元々は襖や掛け軸を作る「表具師(ひょうぐし)」と呼ばれる職人からスタートしました。その後、大正時代に襖の材料の卸売業をスタート。また戦後からは、日本の生活様式の変化に合わせて、壁紙やカーテン、絨毯など洋風の室内装飾なども取り扱うようになり、少しずつ事業を拡げていった形です。

インテリアショップである「インハウス久永 with LIVINGHOUSE」は、鹿児島県最大の繁華街・天文館(写真左)と、200店舗以上が軒を並べるイオンモール鹿児島店(写真右)にそれぞれ所在。

 

2.社員の成長と定着率アップを期待して成長塾を受講

――成長塾を受講した背景をお聞かせください。

弊社では約10年前まで、社労士さんの指導の下、「職能資格制度」に基づく人事評価制度を導入していました。しかしその制度では、なかなか社員が上手く育ってくれず、また退職してしまう人が多かったことから、人事制度の刷新を検討するようになりました。

そんな折、顧問税理士さんから紹介されたのが成長塾でした。「共に成長する」という理念を掲げている弊社なら、成長塾で学べる人事制度が向いているのではないかと考えて、紹介してくださいました。

そこでまずはセミナーを受講して、松本先生のお話を聞いてみることにしました。
そして「社員同士がお互いに育て合う」ことが大切だというお話を伺い、確かに松本先生の考えは弊社の理念にもピッタリ合うと思い、受講することを決めました。

3.人事制度導入・運用・浸透のために行った工夫とは

――人事制度の導入や運用、また社員へ浸透させていくにあたって、工夫した点などあれば教えてください。

それぞれの過程で工夫した点は次の通りです。

●導入:社員へのヒアリング

成長塾で学んだ成長シートの特徴は、優れた社員の優れたやり方を可視化、共有化して全社員を優秀な社員に育てていくものです。
導入にあたってまずは、私自身が全職種の仕事を理解するために、各職種の社員にヒアリングをしていきました。営業ひとつ取っても複数の職種があるので、膨大な時間が掛かりましたが、その分、成長シートに記載すべき要素が整理出来ました。

●運用:日々のブラッシュアップ

ヒアリングの結果、一定のレベルの成長シートは完成した訳ですが、それで100点となる訳ではありません。完璧な成長シートは存在しないと思っていますし、時代と共に評価すべき点は変化していくと思っています。そのため弊社では、毎月のリーダー会議で必ず部下の優れたやり方を発表、共有化を図り、成長シートに落とし込んでいく作業を行っています。
そのため弊社の成長シートは、場合によっては3ヶ月単位でブラッシュアップしています。

●浸透:繰り返し説明する

成長シートの運用を始めた当初は、多くの社員から反発がありました。この成長シートはうちの部署に不平等だとか、要素が多すぎるとか、いろいろ言われました。しかしその度に繰り返し、評価する点の説明をしたり、成長シートの目的や意義を伝え続けていたところ、少しずつですが理解してくれる社員が増えてきました。
また同時に成長シートによって自分たちの成長を実感したり、実際に成果が出てきたことで、最終的には皆、前向きに取り組んでくれるようになりました。

4.社員の成長によって売り上げが6億円アップ

――人事制度導入後の定量的効果をお聞かせください。

2012年7月~2013年6月をBefore、2021年7月~2022年6月をAfterとし、成長塾受講前後を比較した定量的成果を以下に示しました。またこれらの数値に加えて、部署ごとの売り上げや経費などはすべて公開して、社員にも共有しています。

※クリックで拡大

導入から10年で、売り上げは約6億円、粗利益は約1億4000万円伸びました。その要因は、やはり社員の成長です。成長シートで社員が成長してくれたことが、こうした伸びに繋がっていると感じています。

また2012年当初は正確な数字を測っていないものの、概算で人時生産性は1000円以上アップ。また離職率も二桁代だったのが5%以下になったり、生産性の向上により残業代もゆるやかながら減少傾向にあったりと、様々な部分で効果を実感しています。

5.社内の風土や新卒採用にも好影響

――その他、数値化できない定性的な効果としては、どんなものがありましたか?

定性的効果としては、次のふたつが挙げられます。

●社員同士が教え合う風土になった

弊社は営業会社ですから、かつての人事評価や給与決定は、どちらかと言えば営業の成果だけを見ていました。そのため社員同士が教え合うという考え方そのものが、存在していませんでした。
しかし成長シートの特徴は、優れたやり方を可視化し、それを共有化したうえで、「惜しまずに優れたやり方を教えた社員」を一番評価するものです。評価する点がガラリと変わったこと、またそれを徹底することで、社内には社員同士がお互いに教え合い、育て合う風土ができあがりました。これは大きな変化だと感じています。
また社員同士のコミュニケーションが活発になったことで、上司や部下、部署同士といった縦と横の人間関係も非常に良好になりました。

●新卒採用時の応募動機に繋がった

弊社の人事制度が、学生さんたちの応募動機に繋がってくれたことも、導入効果のひとつです。
具体的には、新卒採用の会社説明会や面接で、人事制度、成長シートの説明をするようにしたところ、学生さんたちから非常に好評を得たのです。努力をすれば評価され成長できる点、またどんなスキルを身に付ければステップアップできるかが明確な点などが、学生さんたちにとっては分かりやすかったようです。
また、そうした説明を受けて入社した学生さんたちは、成長シートにとても期待してくれています。人事制度を非常に前向きに受け入れてくれたメリットもありました。

6.「自分の中に答えがある」というアドバイスの真意

――「成長塾」を受講して感じた率直な感想をお聞かせください。

松本先生のお話を直接伺える点が、非常に良かったと感じています。
大学教授やコンサルタントなど、人事制度を教えてくれる人は世の中にたくさんいます。しかしそういう人たちの話は、綺麗にまとまってはいるものの、あくまで机の上だけの話で実践が伴っていません。
その点、松本先生が提唱する人事制度は、ご自身でしっかりした体験や実践を経て、その成功事例をベースに仕組み化されています。そのため言葉には非常に説得力がありますし、信頼できます。

――なにか印象に残っている言葉はありますか?

「あなたの中に答えはあります」という言葉ですね。松本先生になにか相談すると、アドバイスと共に、この言葉をくださいます。
これは一見、突き放しているような言葉に聞こえますが、決してそんなことはありません。人事制度や成長シートの方向性は結局、経営者の考えが一番正しいということ。つまり自分の中に答えを持っていることを教えてくれている言葉なのです。
「必ずこうしなさい」という決まりや一般論に捕らわれる必要ないと気づかされたのは、とてもありがたかったですね。

――久永社長にとって成長塾はどんな存在だと言えますか?

私の経営哲学を人事に落とし込むにあたって、要素を絞り込む「フィルター」であり、形にしていくための「型」のような存在です。

私は成長塾の他にも、ENTOENTOさんが主催されているセミナーを幾度か受講しています。その度に関心するのが、人事のトレンドにもしっかり対応されているという点です。「社員を成長させる」という軸はブレずに、しっかり時代と共に変化・成長を続けて、それを受講者に伝えてくださるので、いつも本当に助かっています。

7.社長や役員クラスが自ら動くことが学びを活かすコツ

――既に10年近く実践を続けている立場として、成長塾の学びを活かすためのコツがあれば教えてください。

成長シートを最初に作るのは、社長や役員クラスといった、会社全体を理解している公平な人にすることをオススメします。
リーダークラスの人に任せると、どうしても自分の部署に有利な発想、自分の立場からの目線で作ってしまいます。私も導入当初、一度部下に作成を任せてみたことがあります。そうしたところ、成長シートの項目に「部下が自分の言うことを聞くかどうか」という、成長とは関係ない項目を作ってきて、大変驚きました。
人事制度の運用がスムーズに進み、みんなが社長の考えを理解できるようになった後は、リーダーに任せても良いですが、そうなるまでは会社全体を見渡せるトップクラスの人間でないと、分からないことがあるようですね。

8.会社の成長のためには「社長の分身」を増やすことが必須

――今後の展望をお聞かせください。

弊社は、今年の3月にふたつの会社をM&Aしまして、今は3つの会社を運営しています。その3社の合計売り上げ36億円を、将来的に100億円にしようと頑張っています。
またM&Aしたことによって、社内の業種や部門が増えました。それを活かして、もっと社内の人材交流を盛んにしつつ、いろんなキャリアを積んでいける仕組みを作ることも目指しています。

そうした目標の達成のためには、いろんな判断を自ら下せる幹部社員……いわば「私の分身」をもっと増やすことが大切だと考えています。
もちろん社内でも中堅階層、管理階層の育成には注力していますが、社外の人から教えを聞くことで、より吸収しやすくなると思うので、ENTOENTOさんには、リーダー格の人をもっと育てていくためのセミナーを開催したり、そのための指針をいただけることを期待しています。


本社で撮影した社員との集合写真。人事制度を導入し、密なコミュニケーションを重ねたことで、社員同士はもちろん、社長と社員との関係性もより良好なものへと変化しました。

株式会社インハウス久永様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

※株式会社インハウス久永様のホームページ(https://www.inhouse-hisanaga.jp)
※取材2022年11月


第145話 卵が先かニワトリが先か、賃上げ理論

2023-02-07 [記事URL]

最新情報
【2/15開催】人事制度成功セミナー申し込み受付中!
詳細・お申し込みはこちらから
【3月開始】成長塾212期申し込み受付中!
詳細はこちらをご確認ください
書籍のご案内
Amazon小売部門で第1位!(2022/10/14)大好評17刷ベストセラー!
社員が成長し業績が向上する人事制度
NHKラジオでも取り上げられた今話題の一冊! Amazonで3部門第1位!
1300社が導入した日本型ジョブディスクリプション
その他の著書に関しては、書籍のご案内を参照ください。

物価高に対応して賃金を上げる企業が増えてきました。中小企業でも賃金を上げようと考えている経営者が増えています。

賃上げは、将来にわたって人件費を増やすことになります。賃上げすると関連する人件費が増えます。例えば、残業代が増えます。賞与が増えます。退職金が増えます。社会保険料が増えます。毎月社員に支払う賃金が増えるだけではなく、賃上げに関連して現金で支給しない人件費である法定福利費も増えることをしっかりと把握しておかなければなりません。

そのため、一度自社の総額人件費における所定内賃金の割合を計算することをおすすめします。これを「人件費係数」と言います。人件費係数は、総額人件費を所定内賃金で割って計算します。

人件費係数=総額人件費÷所定内賃金

例えばこの人件費係数が1.6のとき、10,000円賃上げすると16,000円人件費が増えることになります。思った以上に人件費が増えることに驚く経営者が多いでしょう。

そして賃上げの最大のリスクは、賃上げした金額は簡単に下げられないことです。そのため、リスクが少ない賃上げ方法を考えなければなりません。

それは、今回は基本給を上げずに「インフレ手当」を支給することです。手当の支給目的は経営者が自由に決めて良いのです。法律で定められている手当は超過勤務手当だけです。物価高に対応し、社員の生活のためにインフレ手当を支給するのであれば、賞与や退職金に影響を与えることはありません。

そして、手当は目的を達成した段階で廃止しても良いです。例えば、企業の創業時に精皆勤手当を支給する企業が多いでしょう。それは社員の欠勤や遅刻早退を無くすのが目的ですが、遅刻や早退・欠勤する社員がいなくなれば精皆勤手当を廃止しても問題はありません。

もっとも、このインフレ手当の支給を廃止すると実質的に社員の賃金が下がるため、基本給に算入する場合もあるでしょう。

そこで、インフレ手当の支給時に経営者が社員に教育しなければならないことがあります。それは、手当で賃金を上げた分をまかなえるほど業績を向上させなければならないことです。

業績が向上しないのにインフレ手当を支給し続けると、労働分配率が悪化し、企業の利益がその分減少することになります。これでは企業経営が継続できません。そのため、全社員を教育して成長させなければなりません。そして社員が成長したタイミングでインフレ手当を基本給に参入するのです。

経営者にとって大事なことは賃金を上げること以上に、賃金を上げても良いように社員を成長させることです。この教育はこの時期が最もふさわしいでしょう。

賃上げは企業の利益を減少させることになり、結果として社員の賞与が減少することになってしまいます。それで良いと思っている経営者はいませんが、このことを社員にしっかりと教育している企業はあまり多くないようです。そのため、インフレ手当の分業績を上げるよう社員が成長していかなければ、いつまでもこのインフレ手当を支給し続けることはできないと説明しなければなりません。

業績と賃金の関係は全社員に理解させなければならない教育の一つです。社員にこの教育をしているでしょうか?


第144話 上司の評価の仕方を間違えると成長しない

2023-01-31 [記事URL]

最新情報
【3月開始】成長塾212期申し込み受付中!
詳細はこちらをご確認ください
書籍のご案内
Amazon小売部門で第1位!(2022/10/14)大好評17刷ベストセラー!
社員が成長し業績が向上する人事制度
NHKラジオでも取り上げられた今話題の一冊! Amazonで3部門第1位!
1300社が導入した日本型ジョブディスクリプション
その他の著書に関しては、書籍のご案内を参照ください。

「部下を成長させて欲しい」多くの経営者が全ての上司に対してその想いをお持ちでしょう。そのため、部下を持つ上司にマネジメントの本を読ませたり、セミナー・研修に参加させたりしています。では、この上司の成長をどのような数字で評価しているでしょうか。

私の前職である小売業では、部下を持つ中堅階層の役職は「店長」でした。日本全体の小売業界において、店長を評価するものは何でしょうか。ほとんど例外なく「売り上げ」でしょう。

売り上げで評価すると、店舗の売り上げの高い店長が優秀だと評価されます。例えば、1日の売り上げが30万円の店舗の店長、100万円の店舗の店長、500万円の店舗の店長の中で誰が一番褒められるでしょうか。もちろん、経営者は1日の売り上げが500万円の店舗の店長を褒めるでしょう。これは正しい評価でしょうか。売り上げの違いは、店長の部下指導より実際は立地や店舗規模による場合の方が大きいです。

この上司を何で評価するかがとても大事です。そして常に社員は評価されるように行動します。上司である店長も評価されるように育っているのです。売上高で評価されるのであれば、店長は優秀な社員だけを自分の部下にしようとします。それは自分の店の売り上げを上げるためには優秀な社員が部下にいた方が有利だからです。あまり優秀ではない部下が店舗にいたら、他店に異動してもらいたいという気持ちになるかもしれません。

このときに「売り上げ」で評価せずに「部下を成長させたこと」で評価されると分かれば、店長の行動はガラリと変わります。経営者からの想いは「社員を成長させてほしい」です。部下を成長させたことを評価するのであれば、優秀でない社員が配属されても嫌な顔はしません。

では、部下の成長は何を見れば分かるでしょうか。それは部下が成果を上げるための(A)やるべきこと(重要業務)をやることです。そして重要業務をやるための(B)知識技術を身に付けることです。そしてこの会社にふさわしい(C)勤務態度を守ることです。

部下が重要業務を遂行できるようになった。知識技術が習得できた。勤務態度を守れるようになった。全てこれは上司の部下に対する指導による結果です。例えばある重要業務が5段階評価で評価される場合、評価1点から評価2点、3点と成長させたら素晴らしいと評価しなければなりません。

この評価ができることによって、上司は部下指導に本気で取り組むようになるでしょう。なぜなら自分の評価は部下に重要業務、知識技術、勤務態度といった要素を成長させることで評価されることが分かったからです。

そしてこの上司の評価の仕方にすることで、我が社の中で一番部下を成長させている優秀な上が分かります。さらに良いことが、優秀な上司の部下指導の仕方を全上司が共有化し、全上司を優秀にすることができることです。

今我が社で、どの上司が部下指導が上手かお分かりでしょうか。


弊社代表の松本の記事がITmediaエグゼクティブに掲載されました!

2023-01-25 [記事URL]

2023年1月25日、弊社代表の松本が執筆した記事がITmediaエグゼクティブに掲載されました!

記事はこちらからご覧ください


第143話 人的資本を増やす最善の方法

2023-01-24 [記事URL]

最新情報
【3月開始】成長塾212期申し込み受付中!
詳細はこちらをご確認ください
書籍のご案内
Amazon小売部門で第1位!(2022/10/14)大好評17刷ベストセラー!
社員が成長し業績が向上する人事制度
NHKラジオでも取り上げられた今話題の一冊! Amazonで3部門第1位!
1300社が導入した日本型ジョブディスクリプション
その他の著書に関しては、書籍のご案内を参照ください。

企業の存続発展において、人の成長はとても重要です。

人の成長は人的資本を拡大させることになります。人的資本によって業績が大きく左右されますが、我が社の人的資本はどのぐらいなのか、計測できる企業はどの位あるでしょうか? その中で、社員の成長の度合が「成長点数」として計測できる会社は、この人的資本の変化がはっきりと数字で分かります。

企業には80点取れる社員もいるし、60点の社員もいるし、20点の社員もいます。この社員の平均点数を出すと50点ぐらいになります。ここから、現在の売り上げも利益も社員の平均点数50点の結果であることが分かります。

この成長点数が人的資本を表す最も的確な数字でしょう。この平均点数50点からやがて社員が成長していき、例えば平均点数が80点になると、現在の売り上げや利益が1.5倍以上になります。

そのため、企業において最優先すべき教育投資は「全ての社員を80点以上の優秀な社員にするための投資」となります。

企業の優秀な社員は、経営者と同じ価値観で仕事をしています。知識技術を持っています。やるべきこと(重要業務)をやっています。そして高い成果を上げています。基本的に決算書上の業績は社員の平均点数のため、全ての社員が高い成果を上げる優秀な社員になれば、飛躍的な業績になることは想像に難くありません。

そのため、社内教育において勤務態度の教育をし、知識技術の教育をし、重要業務の教育をすることです。そこにかけた教育費用と実際に成長した社員の成長点数、その結果である会社の業績を比べると教育のコストパフォーマンス(費用対効果)が分かります。そしてこのコストパフォーマンスを高めた教育をすることが、これからの人的資本を高めていく上ではとても重要になるでしょう。

この人的資本の向上を考えたときに、社員の成長の度合いを計測できるようにすることはとても大切です。企業の業績は社員の成長点数の平均点数が上がることによって高まることを、さまざまな企業が証明してきました。

これからの時代は人の成長が会社の業績を左右することは間違いありません。そのため、社員の成長のコストパフォーマンスを考えて指導することを第一に優先して取り組まなければならないでしょう。

全ての社員を優秀にするためのコストパフォーマンスの高い教育を、実施していますか?


第142話 2023年新卒採用の競争に負けない秘策

2023-01-17 [記事URL]

最新情報
【3月開始】成長塾212期申し込み受付中!
詳細はこちらをご確認ください
書籍のご案内
Amazon小売部門で第1位!(2022/10/14)大好評17刷ベストセラー!
社員が成長し業績が向上する人事制度
NHKラジオでも取り上げられた今話題の一冊! Amazonで3部門第1位!
1300社が導入した日本型ジョブディスクリプション
その他の著書に関しては、書籍のご案内を参照ください。

新卒採用がますます厳しくなってきました。

もともと中小企業は大手企業に比べて採用が難しいと言われています。その対応策として、今までは中小企業でも大手企業とそれほど遜色のない新卒初任給を提示してきました。そのため、現在の日本の初任給の差は、企業規模よりも地域差によるものの方が大きな要因でした。

採用はこれから年を追うごとに厳しくなっていきます。大手企業は続々と新卒初任給を大幅に見直しています。それに対抗すべく中小企業が初任給を上げようとしても、大手企業の賃上げした割合や金額を見ると、追従することはかなり厳しいといえるでしょう。

初任給の見直しそのものは、同時に在職社員の賃金の見直しも必要になります。つまり、初任給の見直しは労働分配率の悪化を招く可能性があるのです。その分、当期利益が減少することは必然です。この事態に中小企業はどのように対応したら良いでしょうか。

それは大手企業の初任給の見直し傾向に動ぜず、中小企業らしい採用の仕方に切り替えることです。中小企業だからこそできることは意外とたくさんあります。それを新卒採用時のPR項目として活用するのです。

例えば、中小企業の多くは65歳以上の社員を継続雇用しています。日本全体の問題ですが、年金だけで生活ができる方は極僅かです。そのため、収入のある仕事をしている60歳以上の方の約4割以上が「働けるうちはいつまでも働きたい」と回答している調査結果があります(令和4年度版・高齢社会白書)。その多くが中小企業で働いています。大手企業では65歳以降の高齢者を積極的に雇用している状況にはありません。どちらかと言うと早期退職制度で一定年齢の社員に退職を勧めています。会社もいい、(高齢)社員もいい。つまり、終身雇用は大手企業にはできませんが、中小企業はできるのです。もちろん、評価と賃金が一致していることが前提です。

また、中小企業はこれから規模拡大をしている途中であると仮定すれば、大手企業の採用している役職定年も必要ない可能性があります。社員が成長した分、新しい事業に進出することで、常に新しいポストを用意することができれば、中小企業に役職定年は不要です。

そして、大手企業の多くは学歴で賃金を決めています。学歴で賃金を決めている中小企業はどのくらいあるでしょうか。もっとも、入社時の初任給は違いますが昇給・賞与を学歴で変えることはないでしょう。

これだけでも三つの違いがあります。

採用活動をする時に「当社は他の企業と違って(1)終身雇用です。(2)役職定年はありません。(3)学歴で処遇を決めていません
このように大手企業との差別化をすることができます。

なおかつ人事制度をお持ちであれば、(A)3成長階層別の成長シート、(B)ステップアップ基準、そして(C)モデル賃金を示すこともできます。これを「採用三種の神器」として説明することで、更に大手企業との差別化をすることができます。

採用活動は厳しくなっても、新卒社員の採用を諦める訳にはいきません。これからは賃金をただ多く出すだけではなく、中小企業の良さを上手にアピールできる企業にする必要があります。その取り組みをすすめていますか?


株式会社セベル・ピコ様(宝飾パーツおよび宝飾品の企画、製造、卸販売 東京都)

2023-01-11 [記事URL]

業績を向上させるため、そして事業承継のため、成長塾で人事制度を構築された株式会社セベル・ピコ 取締役 総務部長 二宮 康人氏に、その経緯と効果について詳しく伺いました。

●会社プロフィール
会社名 株式会社セベル・ピコ
所在地 〒125-0062 東京都葛飾区青戸1-8-2
代表者 代表取締役社長 二宮 朝保
資本金 3,300万円
設立 1973年6月
社員数 約200名(パート・グループ社員を含む)
事業内容 宝飾パーツおよび宝飾品の企画、製造、卸販売
URL http://www.seberu-pico.com/

contents.gif

 

1.ジュエリーパーツの企画・デザイン・製造・販売を手掛ける

――セベル・ピコの会社概要をお聞かせください。

葛飾区東立石の東京工場

当社は私の父、二宮 朝保(現、代表取締役社長)が時計やジュエリーを製造している会社から独立し、1973年に設立したジュエリーパーツの企画・製造・販売の会社です。ジュエリーパーツをメイン商材として選択したのは、「一過性のデザインや最先端技術・技術革新に左右されず、時代が進んでも大きく変わることがない普遍的なものだから」と聞いています。

当社の特徴は、品質にこだわりたいという想いから、ジュエリーパーツの企画からデザイン、そして製造から販売に至るまで協力会社や下請けを使わず、すべて内製で行っていることです。「これまでにない使い勝手の良い製品を開発し、世に出していきたい」という想いで、お客様に喜んでいただける商品をつくり続けています。

生産拠点は東京工場ほか、愛媛、フィリピン、タイにもグループ会社の工場があります。東京工場は小規模に生産もしていますが、大半は企画・デザインしたものを形にしてみる試作工場として稼働しています。愛媛では真珠加工もしています。真珠用ネックレスの留め金においては国内シェアが約6割と、真珠が好きな方なら一度は当社のジュエリーパーツに触れたことがあるかもしれません。フィリピンは設備機器を使って量産品を製造する工場、タイは職人の技術力が必要な商品を製造する工場です。

機能性と美しさを兼ね備えたジュエリーパーツ

私が入社したのは2011年4月です。1年目は小売店、2~4年目まではタイ工場、5年目が愛媛工場、6年目からは本社で総務や経理の管理業務という形で本社勤務。製造から販売、管理業務まで一通り経験してきました。

2.事業承継が近づき、人事制度の導入が必須に

――成長塾受講の背景をお聞かせください。

大きな理由は2つあります。ひとつは、コロナ禍の影響でジュエリー業界全体が非常に大きな打撃を受けたことです。バブル崩壊以降、ジュエリー業界全体が30年間ほぼ右肩下がりの状況のなか、コロナ禍が追い打ちをかけ、当社も売り上げに大きな影響が出ました。人事制度の導入は、そうした状況から脱却するための打開策のひとつでした。

もうひとつは、事業承継が近づいてきたことです。現社長の父も75歳になり、事業承継を見据えて組織を見直したところ、とても引き継げる状況ではないことが分かりました。なぜなら、これまで人事制度がなくても経営が成り立っていたのは、起業した父だからこその経験と知識があったからです。その経験と知識はすべて父の頭のなかにしかなく、当然、可視化もされていません。さらに、グループ会社を含めて従業員数が多い現在は、父でさえ四苦八苦しているほどでしたから、私にできるはずがありません。そんなとき、父からすすめられたのが松本先生の成長塾でした。

――なぜ、現社長のお父様は成長塾をすすめてきたのですか。

2005年6月に父は成長塾を受講した経験がありました。当時、成長塾で学んだ人事制度を導入したかったようですが、どうしても業務が忙しく、導入までには至らなかったと聞いています。

――成長塾の人事制度について、どう思われましたか。

職人の技が美しいジュエリーパーツを生み出します

成長塾について私自身、面白そうだと思った反面、半信半疑だったのも否めませんでした。というのも約10年前、他のコンサルティング会社の人事制度導入を試みて失敗した経験が頭をよぎったからです。

当時、紹介されたコンサルタントと一緒に人事制度づくりを試みましたが、その制度は事業が成長していく前提だったため、当社には合いませんでした。要するに成果が上がれば給与が上がり、成果が下がれば給与も下がるという制度。右肩下がりのジュエリー業界に当てはめると、従業員の給与は下がる一方になってしまいます。結果、運用までには至りませんでした。

そういった経験を踏まえつつ、父が受講した成長塾の資料を見ましたが、「理屈としては分かるけど・・・」という考えが拭いきれませんでした。とはいえ、百聞は一見に如かずの気持ちで2022年1月に成長塾を受講しました。

3.現実的に導入できる、頑張る価値がある人事制度

――実際に受講した感想はいかがでしたか。

率直に「すごい制度」と感じました。前述の失敗した人事制度や、巷の人事制度の本などは、いずれも人・物・金・時間のどれかが必要なため、とても導入はできないと思っていました。これに対し、成長塾の人事制度は、経営者の想いを可視化して仕組みにすることが他とは異なります。「現実的に導入できる、頑張る価値がある」と考えることができました。

――実際に人事制度は運用されていますか。

地域の展示会に出展し、アクセサリーを展示・販売

2022年5月1日から3か月ごと、対象者別(本社所属の従業員)に仮運用を始めました。最初は幹部を対象に7月まで実施。次に8~11月の期間から中堅従業員を含め、そして11月~2023年1月の期間からは一般の若手従業員まで含めて実施しています。この3サイクルが終われば、本社の全従業員に成長シートを適用したことになります。

11月の半ばからは、成長シートとリンクした新賃金制度に移行する予定です。それが従業員に反映されるのは、昇給のタイミングとなる来春。その状況次第で仮運用を続けるか、本運用に移行するかになると思います。

4.一人ひとりに合った成長シートを作成

――成長シートをつくるうえで苦労はされましたか。

業務が多岐にわたることに加え、同じ仕事をしている従業員が一人もいない独自の業務体制のため、成長シートづくりは本当に苦労しました。私自身、工場の仕事をあまり理解していなかったことも苦労した点です。近年は事務作業に付きっきりで工場に行く機会がなかったため、まずは現場を理解することに時間を費やしました。その後、社長・経営幹部と相談しながら、従業員一人ひとりに対して今何をやっていて、今後は何をしてほしいのかなどを何度も検討。最終的には従業員それぞれに合ったオリジナルの成長シートを作成するところに行きつきました。

――その仮運用中のなかで、定量的成果を得ることはできましたでしょうか。

2021年2月~2022年1月をBefore、2022年2月~2023年1月(見込)をAfterとし、成長塾受講前後を比較した定量的成果を以下に示しました。先ほど申し上げた通り、仮運用は2022年5月からのため、実質のAfterは9カ月ほどとなります。

仮運用であり、運用期間は短いですが、数字は向上しています。なお、この数字は当社単体の売り上げのみで、グループ会社の数字は入っていません。


※株式会社セベル・ピコ単体(ジュエリー事業)クリックで拡大

5.人事制度の導入が事業改革に発展

――人事制度の導入による定性的成果はいかがでしょうか。

これについては、非常に大きな成果を感じており、今後に大きな期待を持っています。以下、具体的な成果を挙げさせていただきます。

<経営層と従業員、お互いの理解度が深まる>

成長シートづくりを通じ、誰が何をやっているかまで完全に把握することができました。私自身、会社全体の理解が深まったと感じています。また、従業員とたくさんの会話をしたことで、人事制度に対する印象は「非常に良いものになった」と幹部従業員から聞いています。とくに私と歳が近い若い従業員は、かなり期待感が高まったようです。

<コミュニケーションの増加>

フィードバックを増やしたことで、社内のコミュニケーションがスムーズになったと感じています。具体的なフィードバック数については、直近3回目の仮運用、若手従業員の場合を例にお話しします。まず10月の末、11月からの成長シートの説明を行いました。次に、12月中頃に中間の確認とフィードバックを行い、そして評価期間終了後に最終フィードバックを実施する予定です。このように、一人につき3回のフィードバックを私と対象者の直属の上司で行います。

正直、時間のやり繰りには苦労しますが、フィードバックの優先度は高く設定しています。なぜなら、現場の声をリアルに聞くことができる機会だからです。従業員がやりたいこと、会社に期待すること、会社への不満など、従業員が考えているさまざまなことを聞くことができます。社内の情報が私のところに集約されてきますから、後は私の行動次第。例えば、従業員から他部門が関係する話を聞くことがあれば、私がパイプ役となって理解と連携を深める動きを行うことが可能。上手くいけば、部門間のコミュニケーションがスムーズになります。

しかも、成長シート自体、従業員同士のコミュニケーションを推奨する内容になっています。実際、従業員同士、積極的にコミュニケーションを取る動きが見られるようになりました。

<マニュアルで技術の共有を図る>

工場特有の職人気質があったため、これまで仕事は「見て覚える」が基本。人に教えるという文化はありませんでした。しかし、それでは従業員が技術を習得するまで時間がかかります。当然、経営面にも悪い影響がでます。今回、人事制度を導入するにあたり、「マニュアルをつくるなど、積極的に技術を教え情報を共有する姿勢が、成長基準における最高評価につながる」とフィードバックの都度、従業員に伝えていました。この効果があったのか、実際にマニュアルを見かけるようになりました。非常に良い方向に行っていると感じていますので、さらなる情報共有に期待しています。

<人事制度の導入から目標設定が始まる>

目標を立てて業務にのぞむ体制を構築できたこと、これがもっとも大きな成果だと考えています。実は右肩下がりの業界ということもあり、長年、目標がないなかで業務を続けていました。目標設定を考えたこともありましたが、達成できない目標を掲げることで従業員のモチベーションを下げることにならないかと、慎重になっていました。

しかし、今回の人事制度は目標設定に役立ちました。まず、松本先生がおっしゃっているように「この人事制度は従業員を評価するものではなく、従業員の成長を支援し会社も一緒に成長していくためのもの」と伝えたことで、大きな反発もなく人事制度を導入することができました。そして、人事制度を導入すると、成長するためには何らかの目標設定が必要だと認識するようになります。順番としては逆かもしれませんが、結果的に人事制度が目標設定を行う体制を築いてくれました。

それだけではありません。目標設定をしたら今度は目標達成のため、リーダーをつくってプロジェクト化するところにつながっていきます。さらに、プロジェクトを成功させるための会議や進捗報告など、人事制度の導入から始まって逆算的にさまざまな業務活動が行われるようになりました。この状況は業務改革のBPR(Business Process Re-engineering)という言葉が当てはまるかもしれません。入社以来、初めて「会社が大きく変わり始めている」と感じています。

6.グループ会社への導入にも着手する予定

――今後の展開をお聞かせください。

売り上げをコロナ禍前に戻す、その次はかつての全盛期まで戻す、その先はそれを超えていくことが会社全体の大きな目標です。もちろん、簡単なことではありませんが、目標に向かって取り組む姿勢を大切にしつつ、当社の状況、日本の市場、世界の市場を踏まえ、売り上げ目標を達成するには何をすればいいのか、その具体策を十数年ぶりの経営計画書にまとめています。

さらに、人事制度においてやるべきことは、グループ会社への導入です。国内のグループ会社への導入は難しくないと思いますが、海外のグループ会社は人の気質も違えば法律も違うため、そのまま移行することは難しいと考えています。まずは、現地の幹部と相談したいと思っています。

7.人事制度を形にすることで会社が動き出す

――人事制度に悩んでいる企業に向けて、御社からアドバイスがあればお願いします。

人事制度がない、あるいは人事制度をつくったことがない中小企業の方々に、ぜひ成長塾の受講をおすすめします。まず、経営者の想いを可視化して仕組みにすることが大事で、仕組みにするところまでは、松本先生からサポートを受けることができます。仕組みになれば、そこからさまざまものが動き出します。それは決して当社だけではないと思います。

――最後に一言お願いします。

松本先生の人事制度は机上の空論ではありません。ご自身の成功と失敗、苦労を糧につくり上げられた人事制度です。だからこそ、どの会社でも運用することができます。私自身、出会えて本当に良かったと思っています。まだまだ、勉強することばかりですので、引き続きよろしくお願いいたします。

株式会社セベル・ピコ様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

※株式会社セベル・ピコ様のホームページ(http://www.seberu-pico.com/)
※取材2022年11月


第141話 激動の時代には中小企業に利がある

2023-01-10 [記事URL]

最新情報
【3月開始】成長塾212期申し込み受付開始!
詳細はこちらをご確認ください
書籍のご案内
Amazon小売部門で第1位!(2022/10/14)大好評17刷ベストセラー!
社員が成長し業績が向上する人事制度
NHKラジオでも取り上げられた今話題の一冊! Amazonで3部門第1位!
1300社が導入した日本型ジョブディスクリプション
その他の著書に関しては、書籍のご案内を参照ください。

激動の一年の幕開けです。今年は経営環境がどう変化するか分かりません。誰もこの環境を経験したことがありませんから、2023年の正確なかじ取りは分からないといったところが正直な意見でしょう。

常に現場は変化しています。顧客ニーズがどんどん変わっています。それに一部の社員は間違いなく対応しています。なぜなら、変化に対応している社員は成果を上げているからです。

その対応の仕方を可視化することが必要です。そしてそれを全社員で共有化してください。つまり、この環境に全社員で適応するのです。

この環境適応のスピードは、当然中小企業の方が早いでしょう。中小企業は断然に有利です。ただし、環境に適応している社員の評価と処遇を一致させることを忘れないでください。

そして、チャレンジすることを大いに推奨してもらいたいと思います。チャレンジには必ず失敗を伴います。成功の確率は良くて3割です。チャレンジに失敗したときマイナス評価されてしまえば、結局社員はチャレンジすることをためらってしまいます。

社員の行動を一番左右するのは会社の評価です。ほとんどの場合、社長の「どうして当社の社員は…」の嘆きは評価に原因があります。どんなに失敗してもマイナス評価しない仕組みをつくってください。チャレンジするときは「チャレンジする」と必ず社員に宣言してもらって、誰がどのようなチャレンジをしているか組織全体で分かるようにすることです。

マイナス評価をしている会社では、社員が内緒でチャレンジしています。このチャレンジも組織内に可視化することです。

2022年は環境に適応した企業が躍進を続けました。私の周りでも中小企業が一気にその環境に適応して、かつてないほど業績を上げました。今年もこの激変する環境に適応して躍進していきましょう。

そのような情報を今年もお届けしたいと思います。今年もよろしくお願いします。


PAGE TOP



株式会社ENTOENTO

株式会社ENTOENTO

〒196-0003
東京都昭島市松原町1-18-11 ダイヤヒルズ2F
TEL:042-542-3631
FAX:042-542-3632




MENU

CONTACT
HOME