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第85話 上司のマネジメントの適性の見分け方がある

2021-10-12 [記事URL]

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日本では、中堅職層にステップアップして部下が配属されてからマネジメントの教育を始めます。ところが、なかなか思うように上司が部下を成長させることができずに困っている経営者は多いでしょう。

まず知らなければならないことは、中堅職層にステップアップした社員はマネジメントができるから中堅職層になったのではなく、一般職層のプレーヤーとしての仕事が優秀であるために中堅職層にステップアップしたのです。その事実を忘れてはいけません。

マネジメントができるかどうか、通常は中堅職層にステップアップしてから分かることになります。中堅職層になった社員は中堅職層の成長シートを見て、自分の仕事は今までやっていたプレーヤーの仕事に、マネジメント(部下指導)の仕事が加わることを初めて知ります。このときに、中堅職層にステップアップした社員の「部下指導」の最初の評価は1点になります。初めてやる仕事の成長基準は、全て1点からスタートします。まずはこのことを経営者がその社員に伝えることが必要です。

本当にこの中堅職層になった社員が部下を育てることができるかどうか、経営者はヒヤヒヤしながら部下を任せた上司の日常の行動を見ているでしょう。実はこの心配を早く解決する方法があります。それは、一般職層の成長シートの成長基準に「他の社員に教える」を最高の評価5点に入れ、中堅職層にステップアップする前に説明しておくことです。それによって、プレーヤーとして優秀な社員は高い成果を上げるだけではなく、そのやり方を他の社員に教えることに取り組むようになります。

最初は高い成果を上げるやり方を他の社員に説明したからといって、それを聞いた社員が「はい分かりました」と成果を上げられるほど簡単ではありません。最大の問題は、他の社員に分かりやすく説明できるかです。これがなかなかできません。そのため多くの場合、「説明したのにやらないのはやる気がないからだ!」という一言で終わらせてしまう傾向があります。

優れたやり方を教えられた社員が理解をして、実際に行動して成果を上げることができたら、教えた社員はその苦労を経て“あること“を学ぶことになります。”あること“とは「言ってもできない社員がいる。それは本人の問題ではなく、自分の説明の仕方に問題がある」です。これを一般職層にいるときに理解することです。

苦労して教えた社員は、教えられて成果を上げた社員から感謝されるようになります。
「ありがとうございます!」
その一言がこの社員の更なる感謝欲を高めることになります。

成長シートの成長基準を工夫することによって、中堅職層にステップアップする前段階、一般職層の段階で他の社員に教えることができるかどうかを評価することができます。基本的には中堅職層にステップアップした段階で部下を持ち、部下の指導をすることになりますが、その段階ですでに部下指導が上手にできるか分かっているかどうか。これは組織運営上とても重要でしょう。

一般職層の成長シートではその成長基準の5点に「他の社員に教えた」を加えていますか?


第84話 採用難時代に社員の定着率を高める驚きの方法

2021-10-05 [記事URL]

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日々、労働力人口の減少が続く日本では、採用コストがこれからますます高くなっていきます。この先、社員が定着しない会社は、社員の採用コストが経営を圧迫し、全く利益が残らない状況になることが予想されます。場合によっては、存続できない恐れもあります。いわゆる人件費(採用費)倒産です。日本では既にそれに近づいている業界があります。そのため、これからの時代は社員の定着率を高める方法を本気で考えなければなりません。

今、採用の現場で行われているのが「社員の採用時の賃金を上げる」ことです。最も簡単な方法ではありますが、現在在職している社員の賃金とのバランスを考えると、大変な問題に繋がる可能性があります。つまり、初任給を上げるときに、ベースアップのように在職社員の賃金を一緒に上げると、一気に労働分配率が3%以上悪化することも考えられます。これでは一時期の問題ではないため、将来に大きな不安材料をつくることになります。それは、毎年初任給を上げざるを得ない時代になったからです。

一番大切なことは定着率を高めること。つまり、社員が辞めない会社になることです。そのためには、社員が辞める理由を明らかにし問題解決をすることです。

ただ、社員の辞めるときの本当の理由は通常、社員に直接聞くことができません。大手の就職情報誌を発行している会社の、「会社を辞めた社員の本音の理由」のアンケート結果を見ると、評価の問題だったり、賃金の問題だったり、人間関係だったりします。この本音のアンケートを見た経営者は次のように思っています。

「当社を辞める時の社員の理由と全く違う!」

実は社員が辞める時、本音(本当の理由)を言って辞めることはありません。建前の理由を告げて辞めます。この建前の理由は、経営者が引き止めることのできないような理由を言います。本音を言わないため、どうしても引き止めることはできないでしょう。例えば、次のような建前の理由です。
「本当にやりたい仕事が見つかりました」
この理由では、経営者も引き止められませんね。

ではいつ社員に本音を言ってもらうか。それは人事制度をつくって導入する時です。そのときに社員からの疑問や不平不満を全て聞くことです。「まさか?」と思った経営者の方は多いでしょう。人事制度をつくる会社は社員を大切にしている会社です。社員の成長、そして業績の向上につながり、その結果社員の賃金を上げてあげたいという気持ちがある経営者がいる会社であることは間違いありません。そうであれば、人事制度を導入するときに社員のその疑問や不平不満を全て聞き、対応していけば良いのです。

質問の80%は社員の誤解です。経営者は社員の賃金を上げたいと思っているのですから、社員が心配する「賃金を下げる」ことは考えていません。そのため、質問してくる社員はしっかりとその話を聞いてくれます。そして、自分の悩んでいたことは誤解であったことが分かったらどうでしょう。もうその社員は辞めることはないでしょう。

質問の中には20%程度、確かに改善すべき問題が社員の質問の中から出るでしょう。それはしっかりと解決をしていく必要があります。そして人事制度に対して社員が全く不平不満を持たないという状況をつくっておけば、社員は評価や賃金の問題で辞めることはないのです。人間関係もこの人事制度に関わっていることであれば、今まで辞めていった社員の約50%以上は辞めていなかったでしょう。この50%の社員が辞めている理由のほとんどは誤解退職(R)です。

是非、この人事制度導入時に社員の話を聞いて、現時点での不平不満を全て解消してもらいたいと思います。

ちなみに誤解退職の社員を無くすためにポケットブックがあります。詳細はこちらから。
『誤解して退職している社員を100%食い止める方法』


株式会社伍魚福様(高級珍味製造卸 兵庫県)

2021-09-30 [記事URL]

「上司間の甘辛を改善すべく、公平な評価を行うために成長塾の人事制度を導入。従業員の納得度が高まるとともに、昇給・賞与を決める仕組みを明確に説明できるようになりました」株式会社伍魚福 代表取締役社長 山中勧 氏(写真)
すでに導入していた人材育成手法による上司間の評価の甘辛の問題と、従業員の納得度の低さを改善するため、成長塾を受講し人事制度を学ばれた株式会社伍魚福 代表取締役社長 山中 勧氏に、その経緯と効果について詳しく伺いました。

●会社プロフィール
社名 株式会社伍魚福(ごぎょふく)
代表者 代表取締役社長 山中 勧(やまなか かん)
社員数 75名(2021年3月1日時点)
所在地 神戸市長田区野田町8-5-14
事業内容 高級珍味製造卸
URL  http://www.gogyofuku.co.jp

 

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1.お酒に合うエンターテイニングフードを提供

―― 伍魚福の会社概要をお聞かせください。

毎日の食卓をちょっと豊かにする全国各地の伝統的な酒の肴、世界の高級珍味、新発想のオードブル、くぎ煮・チーズ・生ハム・からすみなど、お酒に合う約400種類の「おいしさの歓び」をお客様にお届けするエンターテイニングフードメーカーが伍魚福です。

当社はおいしさに絶対の自信を持っています。例えば、長きに亘って売り上げトップに君臨する看板商品のひとつ「一夜干焼いか」は、国産の生のスルメイカからつくります。水揚げされた新鮮なイカを素早くさばき・開いて、ボイル・味付け・乾燥させ「ダルマ」と呼ばれる半製品の状態にします。イカをさばく工程は寒い季節でも、手作業でしかできません。さらに、やわらかな食感と噛むほどにじんわりしみだす旨みは、当社独自の製法と職人技ならではです。温度調節しながら直火で炙り、その後、イカを鉄板に挟んで高温で焼く二度焼きで香ばしさと独特のしっとり感を引き出します。味の決め手となるのは、焼いたイカを裂いた後の二次調味。イカの状態や厚みを見極めながら味を調節する技術は、熟練の職人だからこそできる技です。

こうした当社のエンターテイニングフードは阪神梅田本店「KOBE伍魚福」ほか、全国のスーパー、百貨店、酒販店、コンビニエンスストア、自社のオンラインショップや大手ネットショッピングモールでご購入いただけます。国内200以上の協力工場とともに素材と製法にこだわり、おいしさを追求する伍魚福は、これからも唯一無二の味わいや新しい食文化を創出し続けてまいります。

伍魚福様の「エンターテイニング」スパイラル(表)
従業員はもちろん、お客様や協力会社にとっても「面白い」をキーワードに展開。同社はエンターテイニングのスパイラルを回すことで、地域社会や食品業界、社会さらには日本にまで良い影響を与えたいと考えている

―― 山中社長の経歴をお聞かせください。

まず、当社は私の父と伯父が一緒に始めた会社です。私自身は事業承継を前提に東京の大学に進学し、大手商社に就職して商売のイロハを学びました。本当は経営のことを勉強するためにMBAを取得したかったのですが、阪神・淡路大震災の発生もあってそんな間もなく1995年に地元へ戻って伍魚福に入社しました。

入社2年目からは営業部長に就任。現場の陣頭指揮に携わりつつ、地域の経営者団体の勉強会などに参加しながら地道に経営を学んできました。社長に就任したのは2006年。以来、神戸から珍味、つまみ、惣菜、酒の肴などのエンターテイニングフードを日本全国にお届けする仕事にまい進しています。

2.評価に関する公平性への納得度が低い

―― 成長塾受講のきっかけをお聞かせください。

ワンマンで会社を切り盛りしていた父が、息子に会社を譲る前に「このままではまずい」と思ったらしく、2000年に著名な人材育成手法を導入しました。

ただ、人を評価する物差しとしては従業員からの納得度が低くかったため、改善の必要性を感じていました。

―― 人材育成手法と改善の必要性について詳しくお聞かせください。

伍魚福様の商品が製造されている様子(写真)その人材育成手法は経営理念から中期計画、年間計画、部門計画、月間・週間計画の目標をセルフマネジメントノートに落とし込み、上司と部下でそのノートを見ながら目標達成のすり合わせを行って、個々の目標シートに基づいて従業員の成長を促すというシステムです。

ノートを見ながら上司と部下が会話する仕組みは非常に機能していて、従業員が自主的に考えて行動するシーンは増えていったと感じました。

しかし、上司と部下という関係性を重視して現場に任せ過ぎたせいか、個人の考え方によって評価に差が生じるようになってきました。目標を厳しく高く設定する人、逆に目標を緩く低く設定する人がいたり、評価する上司のレベル間にも差があり、評価に甘い辛いが見られるようになっていたのです。

それが明らかになったのは、従業員意識調査の結果からです。当社では年一度、従業員意識調査を実施していたのですが、そこで評価に関する公平性への納得度が一様に低いことが分かりました。目標が高い従業員は一生懸命に業務に取り組んでいるのに昇給しない、そんなに働いている感じがしない従業員なのに目標が低いために昇給していくという状況に、従業員は納得していませんでした。

もちろん、公平な評価を行うために役職者を集めて真剣に議論しましたが、そう簡単には上司の感覚的な部分の「さじ加減」は変わりません。何か良い改善策がないかと思案していました。

3.昇給・賞与決定の「可視化」ができる点に魅力

―― 成長塾との出会いをお聞かせください。

人事に関する本を読んだり、セミナーに足を運んだりしましたが、なかなか改善につながるような策は見つかりませんでした。

そんなとき、会長職に退いた父から紹介されたのが松本先生の小冊子でした。読み進めてすぐに面白いと思いました。従業員ごとの目標シートではなく、部門統一の成長シートを用いることで昇給・賞与の「可視化」ができる点に魅力を感じ、求めているものはこれだと感じました。

「善は急げ」と、2016年8月に東京で成長塾を受講。その後、本格的に導入したいと思い、幹部2人とともに大阪で開催された成長塾を再受講しました。成長塾の人事制度の運用は2017年の3月からです。一年間の仮運用を経て、2018年から本格的な運用を始めました。

⇒成長塾についてはこちら

4.成長シートと目標シートのハイブリッド型で運用

―― 新たな人事制度を導入するにあたって従業員の反応はいかがでしたか。

最初は非難轟々でした。まったく新規に人事制度を導入する会社ならすぐにマッチすると思いますが、当社の場合、部下が上司と相談しながら自身の成長を目指すこれまでの目標シートも継続したいと思っており、併用するのが前提でした。すると日々の仕事のセルフマネジメント部分と、部門内で統一したはずの成長シートとでは異なる評価が多々あることが判明。目標シートに立てた自分の目標を達成することが評価につながるはずが、自分の業務とはあまり関係ない項目が記載されている成長シートで評価されることになり、従業員の納得度はさらに低下。現場が混乱する事態となってしまい、可視化どころか、まったく先が見えない状況でした。

もちろん、そのまま併用したわけではありません。そもそも私は営業関係のことは熟知していましたが、販売管理、カスタマーサービス、社内システム、物流関係など、すべての業務を把握しているわけではありませんから、成長シートを運用するには各部門の業務を洗い出すことが肝心だと考えました。

そこで、業務の可視化のため、従業員に対して現在携わっている業務内容や重要業務のアンケートを実施。これにより、部門ごと従業員ごとの重要業務や知識・技術などは大雑把ではありますが把握できました。成長シートには、それらを共通言語化して入れたのですが、双方の相反する部分が埋められませんでした。

結局、納得度は低くてもこれまでの人材育成手法による目標シートは長年の運用で完成されていましたから、新たな成長シートとの連動性や整合性を調整するのは困難だという結論に達しました。そこで、思案を重ねて行き着いたのが現在のスタイル、成長シートと目標シートのハイブリッド型です。簡単に言うと、成長シートのなかに目標シートの達成度合いを問う項目を設け、成長シートで評価する仕組みにしました。

これで人事制度は完成というわけではありませんが、ベースの成長シートがあって個々の目標シートが連なるスタイルにしたことで、何とか連動性や整合性は調整できました。とりあえず現在は、上司も部下も成長シートと目標シートの内容を理解したうえで、適切な運用ができています。

5.成長塾の考え方をベースにした職場環境改善で残業時間を削減

―― 人事制度の導入後、どのような定量的効果を得ることができましたか。

導入直後の2017年3月 ~ 2018年2月をBefore、2020年3月 ~ 2021年2月をAfterとし、成長塾受講前後を比較した定量的成果を以下に示しました。

伍魚福様の定量的成果の表
(クリックで拡大します)

―― 定量的効果のなかで人事制度の恩恵と言えるものはありますか。

展示会で撮影された伍魚福様の集合写真もちろん、すべてに成長塾の人事制度が影響しているとは思いませんが、2020年3月~2021年2月期に達成した過去最高の売上高や労働分配率は、従業員の頑張りの影響だと考えています。

もっとも大きな恩恵と言えるのは、成長塾の考え方をベースにした職場環境改善による残業時間の削減かもしれません。

実は環境整備に力を入れ始めてから従業員が望む働き方は、少数精鋭で多くの賞与を得るよりも、多少賞与が減っても仕事の負担を減らして休みを取得できる方だということが分かりました。当社としても従業員が疲弊してしまったら困りますから、新卒や中途を積極的に採用する人材投資に注力。2017年3月~2018年2月と現在とでは10人ほど従業員が増えています。

さらに、1日8時間が基本ですが、出勤時間が選べる時差出勤制、育児休暇・介護休暇の導入、ICカードによる勤怠管理、在宅勤務の推進など、従業員のライフプランを優先する働き方の環境を整備。こうした取り組みが相まって、残業時間の削減につながったのだと思います。

おかげさまで、多様な働き方や仕事と生活の両立に先導的に取り組んでいる「ひょうご仕事と生活のバランス企業表彰」の2020度受賞企業にも選ばれました。

6.昇給・賞与を明確に説明できる

―― 定性的効果についてはいかがでしょうか。

成長塾で構築した人事制度により昇給・賞与を従業員へ明確に説明できるようになった点、まさに可視化できたことが大きな効果です。実際、昇給・賞与の決め方やその計算の仕方などは、すべて明文化し資料として従業員に渡しています。

例えば賞与原資に関しては、住宅ローンの返済など従業員の生活保障的なところも考慮し、過去の支給実績をベースに月額200万円を定額で計上。よほどの赤字でない限り、営業利益ゼロでも賞与として年間2,400万円を支払うことにしています。これに営業利益の21.5%を加えた額が賞与原資となります。21.5%は半端な数字ですが、この数字と月額200万円を足した金額が営業利益の約3分の1となる計算で設定しました。

また、従業員ごとの賞与の増減幅が緩やかになったと思います。目標シートだけの頃は、個人成績によって極端に差が出てしまっていたため、社内が殺伐とした雰囲気のときが多々ありました。しかし、成長シートを導入してからは、個人の目標よりも会社全体の売り上げアップが目標となり、情報共有やチームワークも評価されます。結果的に賞与の極端な増減がなくなり、チームとして助け合う意識が高まりました。

7.従業員とのエンゲージメントで80点を目指す

―― 甘辛評価や納得度といった課題は解決されたのでしょうか。

もちろん、会社で統一して評価できる成長シートにより、上司による評価の甘辛はなくなりました。従業員の納得度についての意識調査はこれからですが、当社はエンゲージメントの調査ツールを導入しており、それである程度の把握は可能です。

実際、調査ツールによる最近の月1回のエンゲージメントでは約70点を獲得しています。ただ、当社としては目標を高く設定しておきたいと思っており、今後は80点を目指して取り組んでいくつもりです。

8.やりながら悩んだ方が解決は早い

―― 人事制度に悩んでいる企業に向けて、御社からアドバイスがあればお願いします。

「やる前に悩むより、やりながら悩んだ方が解決は早い」という松本先生の言う通りだと思います。

まずは成長塾を受講し、人事制度を導入することが先決。それにより、かならず課題は見つかります。その課題をひとつずつ解決してPDCAが回り始めたらしめたもの。可視化とともに、従業員の成長と会社の成長が見えてくるはずです。

―― 最後に一言お願いします。

私にとっては、成長塾の普及が社会貢献になるという想いがあります。

閉塞感がある今の日本、そして日本経済が良くなればという一心もあって、松本先生の考え方や成長塾をさまざまな方に紹介しています。そして、成長塾全国大会の登壇やこの当社事例も、良い日本にするためのきっかけになればという想いでお話をさせていただきました。

微力ながら今後も成長塾の普及に務めてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

山中社長

株式会社伍魚福様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。


株式会社伍魚福様のホームページ
※ 取材 2021年8月


第83話 大手企業だけの問題ではない「45歳定年説」

2021-09-28 [記事URL]

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サントリーホールディングスの新浪剛史社長が、「45歳定年説」を経済同友会のセミナーで話したことが大きな問題になっています。

これを大手企業だけの問題と考えてはならない理由があります。中小企業でも45歳はある節目を示しています。それは新卒で入って約20年後、通常であれば中堅職層から管理職層にステップアップするころです。

入社から45歳までの間にしっかり評価と賃金を一致させる人事制度を持っていれば、この45歳定年説を考える必要性は全くありません。実はこの45歳という年齢はある程度の賃金をもらっている年齢といえます。

今後は管理職層で活躍していくのか、またはその管理職層への昇格ができずに、そのまま中堅職層で仕事をするのか。どちらにしても常に成長をしていかなければなりません。成長するためには新しいテーマに取り組み、そこで発生した問題に果敢に取り組んでいく必要性があるでしょう。

ところが、年齢を重ねて気力・体力が衰えてくると、自分の賃金にある程度満足してしまいます。
「まぁ、こんなものか」
この自己満足が大変な問題を起こしていくことになります。

成長シートを活用している会社は分かりますが、毎年のように成長要素や成長基準は変わっていきます。つまり、ある年に80点という成長点数を取れた社員も、その後成長を止めてしまえば、成長シートの進化によって70点60点と点数が下がっていくことになります。そのため、自分の今の賃金を維持するためには何歳になってもこの会社で成長が必要であることが明確になります。

万が一、成長点数が下がれば成長等級が下がり、賃金が下がっていくことになります。ところがそのことを仕組みにして説明している会社はあまりありません。そのために、このような45年定年説という新しい問題が発生しているのです。

もし、成長シートがあれば成長点数が毎年出ますので、成長点数が下がることによって降格人事の対象になることを明確にすることができます。賃金の維持はできません。

同時に、もう一つ問題になっている年功序列型賃金があります。ほとんどの会社が定年まで昇給していくことになっています。そうなっている以上は決めた通り昇給しなければなりませんが、これが維持できない状況があります。過去において日本全体が経済発展していく前提で、各企業がこの年功序列型賃金をつくっていましたが、もうその時代は既に終わっています。

年齢給そのものの目的をどう考えるのか、これは一人一人の経営者の考え方に委ねられています。早くこの見直しをしないと中小企業でも頭を抱える問題になることは明白です。

当然ながら、こうした問題を取り上げていく会社は、社員の成長を考えている会社であることは間違いありません。だからこそ問題が出ます。果敢にこの問題を解決してください。


第82話 新型コロナは生産性を上げる最高のチャンス

2021-09-21 [記事URL]

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今、生産性を向上させることが企業の最も優先すべき経営課題です。そしてこの生産性を上げるチャンスが現場で生まれています。

生産性というと、一般的には労働時間を短縮する方向性だけで検討が進んでいますが、それは片手落ちです。政府が主導している生産性の指標は「1時間あたりの労働生産性」で、1時間あたりの粗利益を増やすことが生産性の向上です。つまり、生産性は同時に(A)「短い時間で済ます」という方向性と、(B)「粗利益を増やす」2つの方向性があるのです。

今は様々な業種が新型コロナの影響で粗利益を落としています。ところが、その一方で現場では、お客様から新しい要望、新しいニーズが求められるようになりました。
今まで通りの業種の枠内で仕事をしているとその要望やニーズに応えることができませんが、この新しい要望やニーズに応えることができれば、その業界でダントツの新しい粗利益を増やすことができます。

新型コロナにより、現場に新しい要望やニーズが生まれている点が最大のポイントです。
「生産性を上げる」社員が優秀であるとの評価が会社にあれば、お客様のその要望・ニーズに応えるべく商品・サービスを提供することを考えます。

その要望やニーズに応える具体的な行動は、新しい商品開発である可能性もあるでしょう。新しいサービスの提供になる可能性もあるでしょう。それをお客様が求めるのであれば、同業他社にないその新商品・新サービスは一般的には粗利益率が高いといえます。

ただし、社員がすぐ目の前にいるお客様のその要望・ニーズに応えられるような仕組み(人事制度)がなければ、残念ながら社員はそのお客様の要望・ニーズに応えようとしません。

この現場で生まれている要望・ニーズに応えて粗利益を上げることが最も生産性が高い行動であることに気がついている会社は多くありません。社員が自らその要望・ニーズに応えることができるように、つまりチャレンジできるように仕組み(人事制度)をつくる必要があります。

現場を知らずにするチャレンジは十中八九失敗します。しかしお客様の要望・ニーズに応えるこのチャレンジは十中八九成功します。

社員が現場で楽しく生き生きとチャレンジできるような組織作りが、最も求められています。そしてその行動をとったことが成果に結びつけば、それは評価の向上になり社員の処遇の向上に繋がっていかなければなりません。これがこの激動の時代の人事制度の役割になります。

単に過去の評価基準で現在の社員の評価を決めることではこの時代に生き残る人事制度とはいえないでしょう。今すぐ社員がチャレンジできて、失敗してもマイナス評価にならないような人事制度のバージョンアップに取り組むことが最も優先されるべき経営課題になりました。お気づきでしょうか?


日本経済新聞に新刊ポケットブックの案内が掲載されました!

2021-09-17 [記事URL]

本日、9月17日の日本経済新聞の一面に弊社代表 松本順市の最新ポケットブックの広告が掲載されました。

9月17日日経新聞

 

社員をダメにした目標管理と社員を成長させた目標管理

経営者は常に社員の成長を望んでいます。入社したときには大きな成長を期待していた社員が、気がついたらあまり成長していないことに憤りを感じているかもしれません。それには理由があります。社員の「高い目標を設定して成長しよう」という考えが入社後に失われてしまったからです。社員のせいではありません。

その理由は、目標管理制度です。目標管理制度を導入している会社の社員は必ず「目標が低い」傾向があります。これには1つも例外がありません。理由は簡単です。根本的な原因は目標達成率で評価しているからです。この目標達成率評価を止めない限り、永遠に社員は高い目標を設定しないでしょう。どうしたらよいか頭を抱えている経営者がほとんどです。

その問題を解決する方法があります。社員が楽しそうに高い目標を掲げ、挑戦できるようにするための仕組みを導入すれば良いのです。その目からウロコの目標管理制度の方法を、一冊のポケットブックにまとめました。60分で読み切れて『一生』役に立ちます。

今までの目標管理について納得できなかった、満足できなかった、そして思うように社員が成長していないと感じている経営者、経営幹部の方に読んで頂きたいです。
社員が本気で高い目標設定して成長する目標管理制度。
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第81話 マラソン選手と社員の成長に共通する大切なこと

2021-09-14 [記事URL]

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全ての社員は、自分の得手の仕事をしたいと考え、会社を選んで入社します。その入社時に、この会社で40年間どのように成長できるかを明確に説明している会社と、そうでない会社では、社員の成長に全く違った結果をもたらします。

会社に入社すると通常は40年の間、会社員として過ごすことになります。つまり、社員はその長い年数をかけ、最終的な成長のゴールを目指して成長することになります。では、その社員に40年後の成長のゴールを示しているでしょうか。

「頑張れ」という発言は一般職層、いわゆるプレイヤーの社員に対して「高い成果を上げなさい」というときだけに使っていないでしょうか。この「頑張れ」を言われ続けることによって、好きな仕事で成果を上げることを、このままずっと40年間続けると勘違いする社員は少なくありません。

このとき3階層の成長シートがあれば、我が社には最終的な成長のゴールがあることを簡単に示すことができるのです。これは欧米と違って日本特有の成長のゴールだと考えていいでしょう。それは一般職層(プレーヤーの階層)から始まり、この一般職層を卒業して中堅職層(プレーイングマネージャーの階層)にステップアップします。そして中堅職層を卒業すると管理職層にステップアップし、経営者と一緒になって、この会社を通じて世の中に大きな貢献をすることになります。この世の中にお役立ちをすることが最終的なゴールであることを説明していない会社があまりにも多すぎます。

この会社を通じて、世の中に貢献することが最終ゴールだと知らされた社員は何を考えるでしょうか。社員はこの会社での40年間の成長を考え始めるでしょう。そしてこの会社で成長することの意味を考えるようになります。つまり、それはほぼ「人生の目的を考える」ことと言えるでしょう。

何のために私はこの会社に入社したのか。そして何故私は最終的に、経営者とともにこの会社を通じて世の中に貢献することが必要なのか。一体私の人生の目的は何なのか。この大切なことを入社の時に考えることができる社員と、とにかく目の前のことを考えるだけの社員では成長のスピードが全く違うことは想像がつくと思います。

オリンピック・パラリンピックでも同様にマラソン選手たちは42.195kmの長い道のりを、私たちでは追いつかないようなスピードで走り続けました。それはゴールがあるからです。そして目指したゴールに到達したときのあの笑顔は、その達成感からでしょう。やりきったという満足感で満ち溢れています。そんな経験を、退職時に社員に味わってもらう必要性があるかと思います。

そのためにも、私たちはこの会社を通じて世の中に貢献する社員を育てるという重責を担っていますが、まずは40年後の成長のゴールを示すこと。それは3階層の成長シートを示すだけで良いのです。

もちろんこの3階層の成長シートは毎年のように見直しがあるでしょう。その今現在の成長シートを見ることによって、最終的には自分の人生のゴールを考えることができる。その社員は幸せだと思います。そのためにもこの最終ゴールを社員に示してもらいたいと思います。


第80話 オリンピックメダリストと優秀な社員の意外な共通点とは!

2021-09-07 [記事URL]

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東京2020オリンピックで日本が獲得したメダルは過去最多の数になりました。あらゆるメディアにメダリストたちのインタビュー記事が掲載されていますが、その記事を読むとある共通点に気がつきます。

それは、メダリスト全員が「オリンピックに出場したい」「オリンピックでメダリストになりたい」と目標を立てていたことです。アスリートにとっては夢のような高い目標です。多くは、最初から「無理」と諦める人が多いでしょう。

高い目標を掲げたアスリートは、その高い目標に向かって、通常では考えられないような練習を休まず続けてきたことでしょう。それを「辛いか?」と聞かれれば「辛い!」と言うに決まっています。しかし自分の目標に到達するために、その必要な練習を懸命に続けてきました。

そして彼らがメダリストになったときのインタビューで同じように口にするのが、「このメダルが多くの人たちの勇気や元気に繋がれば嬉しいです」という言葉です。
つまりメダリストたちは、当初は自分のためにという目的で始めたとしても、そのメダル獲得が様々な人たちの勇気に繋がってもらうことを望んでいたのです。メダルは自分のため(自利)だけでなく多くの人のために(利他)という目的がそこに垣間見えます。
その感動の話を聞きながら「私も頑張ろう!」と思っている人は多いでしょう。

しかしこの話題を企業内で考えるとどうでしょうか。
企業の中で「金メダル(高い目標)を獲得したい」と思っている社員はどれくらいいるでしょうか。いえ、それ以上に「自分の40年後の最終ゴールは何であるか?」を明確に決めている社員はどのくらいいるでしょうか。その目標を決めている社員がいないとすれば、それは企業が社員の目標について説明していない結果だと考えざるを得ません。

社員は企業の中で一般職層、中堅職層、管理職層へと成長していきます。なぜその成長が必要なのでしょうか。最後は管理職層にまで成長して、経営者と一緒にこの企業を通じて世の中に大きな貢献をするためです。
その壮大な目標があることを説明していない会社がとても多いと感じています。実際に中小企業であれば、そこまで到達できる確率は大手企業以上に高いのです。

ところがそれを阻害している制度があります。それが目標管理制度です。あなたの会社がもし目標管理制度を導入しているとすれば、社員の目標は信じられないほど「低い」という現実を知っているでしょう。
1年間の目標が低い社員は、40年間の目標も当然高い目標を掲げることはないでしょう。これでは社員は成長することはありません。そしてその企業も発展することはないでしょう。目標管理は社員を駄目にしている制度だということに早く気がつく必要があります。

この問題を一挙に解決するのが成長シートを使った目標管理制度です。成長シートがあれば、社員はその最終ゴールである40年後の目標を知ることができます。そして自分の人生を考えるようになるでしょう。ぜひ3階層(一般職層・中堅職層・管理職層)の成長シートを使って社員の40年後の目標を教えてあげてほしいと思います。


「日経トップリーダー」2021年9月号に代表の松本の記事が掲載されました!

2021-09-03 [記事URL]

「日経トップリーダー」2021年9月号に代表の松本の記事が掲載されました。
ぜひご覧ください。

上記トップリーダーの記事を基に構成されたweb版は、こちらからご覧いただけます。

日経ビジネス電子版
シリーズ企画第4回 人事制度の悩み「五問五答」
定年再雇用制度の良い例、悪い例を知りたい
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19nv/120500136/082400552/

専門家の力を借りて、人事制度をつくるときの注意点は
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19nv/120500136/082400553/

年功序列と実力主義、どちらが中小企業に向いている?
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19nv/120500136/082400554/


株式会社電建様(電気設備工事、空調・換気設備、通信関連設備、防犯・防災設備、その他電気機器販売 兵庫県)

2021-08-31 [記事URL]

「給与やボーナスの根拠が分からないモヤモヤ感を、従業員に持ってほしくない想いから成長塾を受講し、人事制度の導入に成功。今後は自信を持ってリクルート活動に力を注いでいきます」株式会社電建 代表取締役 松本晃幸 氏(写真)

自分が知りたかった評価や処遇の仕組みを従業員に伝えたいという想いから、成長塾で人事制度を学ばれた株式会社電建 代表取締役 松本 晃幸氏に、その詳しい経緯と効果について詳しく伺いました。

●会社プロフィール
社名 株式会社電建
所在地 〒660-0805 兵庫県尼崎市西長洲町1丁目2-45
資本金 5,000,000円
設立 2008年8月
事業内容 電気設備工事、空調・換気設備、通信関連設備、
防犯・防災設備、その他電気機器販売
URL  https://www.m-denken.com/

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1.高圧設備工事が得意な電気設備工事会社

―― 電建の会社概要をお聞かせください。

電建様の新社屋(写真)2008年に私自身が設立した電気設備工事の会社です。もともと父が経営していた電気設備工事会社を事業承継するつもりで電気系の専門学校に入学し第二種電気工事士を取得。しかし、学生時代にトライアスロンに没頭してしまったこと、レールの上の人生に疑問を感じてしまったことから、事業承継のタイミングを逸してしまいました。

結果、回り道をしましたが、私が設立した電建で父の会社の従業員を受け入れるという形で再出発しました。といってもスタートは私のほか正社員2人、契約社員1人の計4人。現在は私のほか正社員3人、パート3人の計7人態勢で業務を行っています。

当社の主な業務は高圧設備工事、空調設備工事、防災設備、照明工事、動力電源工事、弱電工事、PCB廃棄物処理取次窓口、BCP対策など。なかでも、オフィスビルや商業施設などの高圧設備工事は得意とするところで、具体的には電気室内の高圧設備機器の交換工事、キュービクル内部の高圧機器の交換工事、屋外高圧機器(ケーブル・開閉器など)の交換、高圧設備の新設などを手掛けています。

我々が徹底しているのは、万が一に備えたスピード感のある対応。どんな状態なのかを把握できるようにお客様カルテを作成し、社内共有を図って担当者以外でも対応できる社内体制の構築に努めています。また、緊急時すぐに駆けつけられる距離を目安に、大阪・兵庫・奈良を中心に活動しています。

当社はお客様をはじめ、従業員・家族・取引先・地域の人々など、関わる人すべてに喜ばれる会社を目指しています。そのために、常に考え、挑戦し、心豊かな集団であることに重きを置き、高付加価値を生み続けられる会社でいられるように努力と精進を続けていきます。

2.自分が体験した評価や処遇のモヤモヤ感を払拭したい

―― 成長塾を受講した背景をお聞かせください。

もともと私が会社勤めをしているとき、給与の根拠を聞きたかったのが背景にあります。東京の会社に勤めていたときは大きな会社で、ここでの給与に不満はなかったため、とくに何も思いませんでした。しかし、地元に戻って中小企業に入ったとき、給与が大きく違っていました。よく考えると、東京の大きな会社と地元の中小企業を比べること自体おかしな話であり、中小企業の社長として会社を切り盛りしている今となっては、当時の社長の気持ちがよく分かります。

ただ、当時は給与や昇給・賞与の根拠が分からず、納得できないモヤモヤ感がありました。実際、社長に直談判して給与の根拠を聞いたこともありました。しかし、アヤフヤな回答で最後まで納得することはできませんでした。

会社を起こしたときも、ずっとモヤモヤ感がありました。自分の経験から「これぐらいの給与や昇給・賞与を得るにはどうすれば良いか」しっかり従業員に提示する必要があると常に考えていました。頑張るのは当たり前ですが、頑張るやり方を間違えてしまっては意味がありません。トップが求める頑張るところを伝え「業務を可視化することが会社の発展につながる」と考えていた部分もあります。つまり「従業員に説明できる人事制度を導入できないか」とずっと思案していました。

ちなみに従業員が人事制度を求めていたわけではありません。当社の従業員は真面目で黙々と働くタイプ。もしかすると当時は必要なかったかもしれませんが、私の想いを優先させました。付け加えると、リクルート活動を行ううえでも説明できる人事制度は必須と考えていました。

電建カラーの赤と黒のドアでミーティングルームを完備する電建様の事務所(写真)
電建カラーの赤と黒のドアでミーティングルームを完備する事務所

3.経営のベースとなる人事考課制度を学びたい一心で3回受講

―― 成長塾との出会いをお聞かせください。

私が所属している大阪府中小企業家同友会のセミナーに登壇された方が、松本先生のものではない小さな本を片手に「当社は人事評価制度を導入して社員を育てている」と話されているのを拝聴。私もすぐにその本を購入しました。

ところが、その本を読んでも分からないところが多数あり、セミナーで話された内容と違う印象がありました。それで、本人に確認したところ、「本当は成長塾で勉強した」と吐露。それなら百聞は一見に如かずと、成長塾を受講しようと思った次第です。

⇒成長塾についてはこちら

―― 成長塾を3回受講されているのはなぜでしょうか。

最初に受講したのは2015年5月でした。初めてだったこともあり、思った以上に学習しなければならないことが多くて消化できませんでした。とくに自分の想いを成長シートに落とし込む作業が難しく、導入までに至りませんでした。成長塾での「学び」は経営のベースとなる人事制度となるという気持ちが強かったので、ブラッシュアップ受講制度を利用し、2017年4月にもう一度受講しました。

その後は仮運用を経て、無事2018年7月に人事制度を導入。PDCAが回り始めたとき、会社のなかに人事制度を理解する仲間を増やそうと思い、2019年6月に事務の従業員を連れて三度目の受講をさせていただきました。さらに、松本先生のアドバイスをいただきたいと考え、現在も継続的な個別コンサルティングもお願いしています。

4.ビジョンに賛同する人材を集めて前に進む

―― 人事制度を導入するにあたって従業員の反応はいかがでしたか。

スキルを活かして高圧設備工事に従事する電建様の従業員(写真)もともと人事制度自体がありませんでしたから、導入に対する反対はありませんでした。スムーズに導入できたと思います。ただ、父の代から在籍していた豊富な経験と技術力を持つ一人の従業員には理解してもらえませんでした。彼は給与が高かったこともあり、成長シートと照らし合わせて給与に見合う業務を求めたのですが、どうしても変えることができず、1年後に退社しました。正直、少ない大事な戦力だったので大打撃でした。

とはいえ、会社としては前に進んでいかなければなりません。ですから、小さな会社ということを認識したうえで「社長のビジョンに賛同する人がどれだけ集まってくるかにかかっている」という考え方を人事の基本方針に据えました。

大きい会社なら多種多様な人がいて良いと思います。それらがシナジーを生むこともあるでしょう。しかし、一人一人の役割が大きい小さな会社は、同じ方向にベクトルが向いていないと、企業文化の構築はもちろん、売り上げにも大きく影響してくると考えています。良い意味で割り切りは大事と考え「私のビジョンに賛同する人材を集めて前に進んでいこう」と思うようにしました。

5.経営的な数字をオープンにして、可視化の仕組みを実現

―― 人事制度の導入後、どのような定量的効果を得ることができましたか。

導入直後の2017年8月~2018年7月をBefore、2019年8月~2020年7月をAfterとし、成長塾受講前後を比較した定量的成果を以下に示しました。経営的な数字の部分はほぼオープンにしています。役員報酬も見せていますから、従業員は私の報酬も知っていると思います。

それでも、評価や処遇を聞いてくる従業員はいますが、ありがたいことに成長塾の人事制度は説明することができます。従業員との信頼関係をつくる意味でも、しっかり仕組みができたのは、本当に素晴らしいことだと思っています。

電建様の定量的成果(表)
(クリックで拡大します)
 

6.勉強会を通じて従業員が成長

―― 粗利益、粗利益率、人時生産性がアップしています。効率的な働き方ができているということでしょうか。

部下の育成が上手くいっているのだと思います。当初の3か月面談は採点の話だけで終わっていましたが、中堅従業員と部下育成の話になったとき、もっと意識的に育てていくべきという結論に達しました。そもそも私自身の力は知れていますし「一番先に電建を離れていくのは年長の私であること」「そのときに今のメンバーが成長していなかったら会社の将来はどうなるのか」という話からこの結論に至った次第です。

加えて、会社が成長しないと給与は上がらないことも伝えました。例えば、今のメンバーが10年後に全員50万の手取りが欲しいと思ったら、売り上げや人件費を考えると今よりも会社は大きく成長していないと絶対無理。大勢の従業員がいて、たくさんの受注があって、利益が出ている状態じゃなければ手取り50万円は不可能です。現在は従業員もこの会社の仕組みを通じて理解していると思います。

―― 部下の育成で具体的に行っていることはありますか。

勉強会を行っています。当社の従業員は真面目なので、勉強会を実施しようとなったら最初は2時間のカリキュラムを提案してきました。さすがに2時間は詰め込み過ぎで、飽きてしまいます。「必要なところだけを抜粋して30分の勉強会にしたら?」とアドバイスしたところ、スムーズな勉強会が行われるようになりました。

もちろん、部下の育成は成長シートとも連動していますから、部下が成長すれば成長点数が加点されます。こういった部分まで可視化できるのが成長塾のすごいところだと感じています。

実際、勉強会に参加した従業員の成果も上がっています。ある入社間もない従業員は、すでに高圧工事の見積もりができるようになっています。しかも、以前は1時間かかっていたのが今は10分程度。こういったことの積み重ねが、高い人時生産性につながっているのだと思っています。

7.会社の成長に欠かせない人材のリクルート活動に注力

―― 今後、注力していきたいところをお聞かせください。

まず、当社の業務に合うように成長シートをブラッシュアップしていきたいと考えています。とくに定性的なところは、評価に落とし込みやすい定量的な業務に比べるとアバウトになりやすいため、運用しながら随時見直しが必要だと実感しています。

そのうえで、従業員のより良い労働環境を目指し、まだまだ残業が多い勤務体系を変えていきたいと思っています。さらに、土日の仕事が多いとはいえ、週休2日制の導入も必須。可能であれば、来期以降一斉に導入しようかという考えもあります。

こうしたさまざまな施策は、従業員と会社の成長のために行います。そして成長に欠かせないのが人材。会社としては人事制度のほか、働きやすいオフィスの整備、福利厚生の充実などに務めていますが、なかなか業界的に厳しいのが現状です。やはり今後、私自身が注力すべきところはリクルート活動と言えます。

和気あいあいとした雰囲気が心地良い社風

和気あいあいとした雰囲気が心地良い社風

8.とにかく、成長塾を受講することが近道

―― 人事制度に悩んでいる企業に向けて、御社からアドバイスがあればお願いします。

私は成長塾で学んで本当に良かったと思っていますから、大阪府中小企業家同友会の月例定例会報告でも当社の人事制度導入の話をさせていただいています。その話で成長塾を受講されている方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

実体験として言えるのは、ちゃんと勉強しないとダメだということです。「本を買って」「人に聞いて」だけではやっぱりダメなんです。私も最初は「いけるかもしれない」と思いましたが、考え方はもちろん、成長シートの細かいニュアンスや運用方法など、直接松本先生とやり取りしないと身につきません。とにかく、成長塾の受講をおすすめします。

―― 最後に一言お願いします。

おかげさまで当社は、ひょうご産業活性化センターの経営推進部成長支援課が決定する「成長期待企業」に認定されました。この認定は、経営関係の書類の審査、聞き取り調査、活動内容の調査といった度重なる厳格な審査があります、そのなかで、人事制度の導入を高く評価していただきました。

また、さまざまな高校の先生に自社の活動をアピールする場面があったのですが、その場に参加していたほとんどの会社が地元の100年企業。10年そこそこの当社では太刀打ちできないと思い、人事制度の話をさせていただきました。生徒の成長を可視化できる点に興味を持ったようで、先生方から大きな反響を得ることができました。

私だけでなく、第三者の目から見ても評価される成長塾の人事制度は本当に素晴らしい仕組みだと思います。私としては松本先生には感謝しかありません。このままずっと成長塾が続いてほしいと願うばかりです。引き続き、よろしくお願いいたします。

松本社長

株式会社電建様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。


株式会社電建様のホームページ
※ 取材 2021年5月


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