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第95話 企業が経営環境適応業であることが証明されるとき

2022-01-11 [記事URL]

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今年最初のメルマガになります。今年もよろしくお願い致します。

新型コロナの影響は2022年も継続的に続くと思われます。そんな中、この新型コロナに適応して業態を変える会社が増えてきました。業態の変化を支えているのは当然ながら社員です。その全ての社員の行動を変えることができれば、会社全体も大きく変化することになるでしょう。

私は今まで1,330社の人事制度の可視化のお手伝いをしてきました。経営者によって評価(褒めること・叱ること)は違います。それに伴って決める昇給・賞与の金額も全く違います。それで経営をしてきたことに間違いはありません。1,330社、1,330人の経営者がつくった人事制度は全く違ったものになりました。今年も、この環境の変化に合わせて新たな動きをする社員が生まれてくることでしょう。それを常に成長シートに可視化して、この環境を乗り切ってください。

どのような環境の変化があっても、組織原則2:6:2が存在します。全社員その環境に適応すべく挑戦するでしょうが、やはり成果を上げるのは上の2割の社員です。これは他の社員が頑張っていないという意味ではありません。その成果を上げた2割の社員がやっていたことを成長シートに可視化し、みんなでそのゴールに向かって成長していくのです。

会社には損益計算書があります。この損益計算書の数字は社員の成長の平均値が表現されています。成長シートをつくれば成長点数が80点の社員、60点の社員、40点の社員がいることが分かります。そしてこの会社の損益計算書の数字は、社員の平均点数50点で成り立っています。つまり、全社員の成長によって、まだまだこの損益計算書の数字を変えることができます。

損益計算書の数字を変えるためには、全ての社員を80点以上にすることです。そして80点以上にする簡単な方法は、現在優秀な社員が成果を上げるためにやっている業務を、全ての社員に可視化し、共有化することです。

なかなか成果が上がっていない、苦労している社員は、この優秀な社員がやっている重要業務を真似して同じように実施することです。それによって、今まで以上に簡単に成果を上げることができるでしょう。結果として損益計算書の数字が大きく変化することになります。

5年後くらいには、何をすればこの時代に生き残れたのか分かるでしょう。しかしそのためには時間が必要です。その前に会社が厳しくなる可能性もあるでしょう。環境の変化を嘆かずに、優秀な社員のやっていることを全社員で共有化すること。たったそれだけでこの時代を生き残れます。

優秀な社員を可視化する成長シート、ぜひ今年はこの成長シートの運用を経営課題の最優先事項にして頂きたいです。そのための情報提供をこれからまた1年続けて参りたいと思います。よろしくお願い致します。


相模原商事株式会社様(出産用品、医療衛生資材・機器の卸・販売 神奈川県)

2021-12-24 [記事URL]

「従業員を納得させられる客観的な物差しとして人事制度を導入。現在は、年功序列だけでなく、できる従業員を正当に評価する成功序列の評価が定着しています」相模原商事株式会社 代表取締役社長 蛯谷 康一氏(写真)
個人の物差しではなく、全従業員が納得する客観的物差しを得るため、成長塾で人事制度を学ばれた相模原商事株式会社 代表取締役社長 蛯谷 康一氏に、その経緯と効果について詳しく伺いました。

●会社プロフィール
会社名 相模原商事株式会社
所在地 〒252-0317 神奈川県相模原市南区御園5-15-13
代表者 代表取締役社長 蛯谷 康一
資本金 1,000万円
設立 1968年1月
社員数 23名(パート1名を含む)
事業内容 出産用品、医療衛生資材・医療機器の病院(産婦人科)向け卸・販売
URL https://sagami-s.jp/

 

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1.出産・育児、介護まで人生をトータルサポート

―― 相模原商事の会社概要をお聞かせください。

相模原商事様の出産用品(写真)
取り扱っている出産用品のセット

1968年、私の父が相模原商事(個人事務所からスタート/1975年に相模原商事株式会社)を創業しました。コア事業は神奈川県全域の総合病院、開業医院の産婦人科に向けた出産用品、衛生材料、看護用品などの販売です。

この事業に取り組んだのは、昭和40年代前半の高度成長期、バタバタしながらたくさんの荷物を抱えて産婦人科に駆け込む妊婦の方々を見て、母子が幸せに過ごすためのお手伝いができないかという想いがあったからでした。現在のようにお産に関する情報が豊富ではありませんから、まずは手ぶらでも出産に対応できるように出産用品、衛生材料、看護用品などの提供を始めました。

2000年には出産関連の事業に加え、介護保険制度内で利用できる介護用具・機器の販売やレンタルを行うホームケア事業を開始。2019年には介護支援グループ すきっぷ株式会社の在宅福祉事業を承継して、当社のホームケア事業とすきっぷ株式会社を統合した新会社、エス・エスホームケア株式会社を設立し分社化しました。

現在の相模原商事株式会社は原点に立ち返り、出産用品、医療衛生資材・医療機器の病院(産婦人科)向け卸・販売に注力しています。従業員は正社員14名とパート9名の計23名。正社員14名のうち営業が8名で残りは管理部門、パートは事務と出産用品セットをパッケージングする作業部門、そして商品管理が主な業務です。

―― 蛯谷社長の経歴をお聞かせください。

5年ほどOA機器の営業を経験した後、1992年に相模原商事株式会社に入社。2004年に事業承継で代表取締役に就任しました。

2.従業員が納得する客観的な物差しが必要

―― 成長塾受講のきっかけをお聞かせください。

代表取締役に就任して、もっとも不安に感じていたのは従業員の評価でした。創業者である父は、自分の物差しで評価していましたが、当然、従業員との意見の食い違いはありました。実際、それで辞めてしまった従業員もいました。これついては「経営者の物差しはそんなには間違っていない」と松本先生がおっしゃるように私も同感ではありますが、「間違っていない」ことを証明し、従業員が納得できる客観的な物差しがありませんでした。

もちろん、父も「これではまずい」と思ったらしく、中小企業庁などの支援によってアサインされたコンサルタントによる一般的な職務基準の評価シートを導入したこともありました。しかし、基準が曖昧だったため、本格的に運用するまでには至りませんでした。5段階成長評価で何を基準にして1点なのか、あるいは3点なのかが分からなかったのです。やはり、ある程度の裏付けがあって従業員も納得するものでなければ、評価の物差しとしては機能しないと思いました。

そして私が代表取締役になり、従業員を評価する側となったとき、あらためて従業員が納得する客観的な物差しが必要だと切実に感じました。それが成長塾を受講するきっかけとなりました。

⇒成長塾についてはこちら

3.松本先生の著作を購入し、その仕組み・考え方に共感

―― 成長塾との出会いを教えてください。

物差しを得るため、さまざまな人事制度の本を読み、セミナーにも何度か足を運びました。しかし、今ひとつしっくりくるものがありませんでした。そのとき、インターネットで人事関連を検索して登録していたサイトからメールマガジンが届きました。それが松本先生でした。

かなり前なので詳細なメール内容は忘れましたが、面白そうだと思ってすぐに松本先生が出されている本「成果主義人事制度をつくる(鳥影社)」を購入しました。拝読させていただき、私自身、以下のような納得感を得ることがでました。それがきっかけで2006年2月、成長塾を受講させていただきました。

相模原商事様の会社入口(写真)
現在の相模原商事はホスピタル事業に注力
 <プロセスや人との接し方を評価する>

結果で評価するのはもちろん大事ですが、全体のプロセス、とくに人との接し方を見て評価することを奨励していました。当社としても挨拶や礼儀など、まずは人との接し方から身につけさせたいと思っていましたので同意するものがありました。「人との接し方次第で気持ちの伝わり方が変わる」「お客様に気持ちが伝われば成果にもつながる」という考え方は、まさに当社に合致していました。

 <自分の頭の中を可視化する人事制度>

期待成果を実現するために、重要業務を遂行し、知識・技術を習得し、勤務態度を遵守する仕組みがしっくりきました。この人事制度を勉強して当社に当てはめていけば、当社に合った人事制度がつくれるかもしれないと考えました。また、専門家に任せてつくるのではなく、自分自身で学習してつくれるところも良いと感じました。自分で自分の頭のなかを可視化できれば、これ以上のものはありません。

 <成長基準が分かりやすい>

以前に導入を試みた評価シートは基準が曖昧だったと述べさせていただきましたが、松本先生の人事制度はまったくの逆で、シンプルながらしっかりとした基準がありました。例えば、重要業務では「その業務をやっていない」は1点、「その業務を少しやっている」は2点、「その業務を基本となるやり方で実施している」は3点、「その業務を優れたやり方で実施している」が4点、「その業務を優れたやり方で実施しており、他の従業員にも教えた」が5点と、非常に分かりやすい点数の付け方でした。この人事制度なら、当社の物差しとして簡単に評価できると考えました。

4.点数を評価につなげて昇給・賞与に反映できる

―― 受講後の感想をお聞かせください。

ギャップなどはありませんでした。松本先生の本を読んでいたこと、神奈川県の中小企業診断士が作成した評価の定量的なフォーマットを学習していたこともあって、ある程度、人事制度づくりのイメージを描いて受講に臨み、成長塾がレクチャーする人事制度づくりに対して疑問点を質問することもできました。受講を終えたとき、成長点数が昇給・給与や賞与に反映できる成長塾の人事制度は、あらためて素晴らしいと思いました。

―― 受講後の運用をお聞かせください。

受講後、すぐに導入しました。営業や事務、商品管理などの業務ごとに成長シートを作成しましたが、それぞれ重要業務が異なるので多少の苦労はありました。ただ、当社は評価シートの導入を試みたことがあったので、五里霧中ではありませんでした。

従業員に成長シートを活用してもらい、成長を評価していくことを説明しました。その際、評価の仕方や昇給・賞与分配の仕組みを説明しただけでなく、まずはベースとなる賃金をアップしたいと目的も説明しました。それもあって、成長シートの導入は全従業員、好意的に受け入れてくれました。とくに営業の場合、コツコツと積み上げて数字を出していくルート営業が主体なので「成長シートならルート営業もしっかり評価してくれる」という期待感があったようです。

―― 人事制度の導入後、どのような定量的効果を得ることができましたか。

ホームケア事業を除き、出産用品、医療衛生資材・医療機器の卸・販売だけに絞って2019年10月 ~ 2020年9月をBefore、直近の2020年10月 ~ 2021年9月をAfterとして比較した定量的成果を以下に示しました。

相模原商事様の定量的成果の表
(クリックで拡大します)

5.導入後、定着率が大きく上昇

―― 蛯谷社長が考える定量的効果のポイントはどこになりますか。

人時生産性が向上している点です。ただ、人時生産性の向上を目的にした「時間内で業務を終える時短の評価」は、営業にはなかなか当てはめるのが難しいことが分かりました。担当するお客様の件数が増えれば、その分だけ忙しくなって事務の手間も増えますし、また、お客様からたくさんの発注をいただいて成果が上がれば上がるほど忙しくなるため、人時生産性は簡単には向上しません。今後はさらなる効率化が課題だと考えています。

表には記載していませんが、定着率も特筆できます。正社員に限れば人事制度の導入後、長く勤続する社員が増え、最長で30年勤めている社員が一人、20年が二人、13年が一人と、とにかく長く当社に貢献してくれています。

6.全従業員が人事制度に真剣に向き合っている

―― 成長塾の人事制度は客観的な物差しになっていますか。

相模原商事様の社屋(写真)
自社の社屋で業務を展開

私一人の物差しではなく、会社共通の物差しとして非常に機能しています。まず、一般の従業員を評価するのはマネージャー・リーダーで、そのマネージャー・リーダーを評価するのが私という仕組みで動いています。

さらに、マネージャー・リーダーによる1対1のフィードバック面談および、私から見た評価と直属のマネージャー・リーダーが見た評価を一致させる成長支援会議を実施。成長支援会議では評価に違和感があれば伝えますが、常に私の評価が正しいとは限りませんから、幹部みんなとしっかり議論します。ですので、この人事制度は「全従業員が客観的な物差し」と認識し、真剣に向き合っていると確信しています。

7.成長等級と成長点数で処遇を決定する成功序列が浸透

―― 従業員からの納得感は得られていますか。

この人事制度により、いわゆる年功序列がなくりました。全従業員、納得感を持って業務にあたっています。もちろん、勤続年数に応じた年功序列的な仕組みは完全には排除できませんが、客観的な成長シートによる評価が処遇(昇給・賞与)に反映されるため、納得感につながっていると考えています。私はそれを成功序列というネーミングで呼んでいます。

成功序列という考え方は勤続年数にとらわれず、成長シートの示したゴールに向けて成長していけば評価されるというものです。もっと簡単に言えば「成長等級と成長点数によって、公正・公平に評価され、昇給・賞与が決まる」仕組みです。勤続年数が長くても成長シートで評価されなければ年収は伸びません。逆に勤続年数が短くても成長シートで評価されれば、高い年収が得られます。成長が分かりやすく評価される人事制度ですから、従業員が一丸となって業務にまい進しています。

8.教えることが高ポイントになることを認識

―― 自分の賞与のためだけに働くということにはなりませんか。

もともと当社には教える文化があったため、「自分さえ良ければ」という考えは従業員にはありません。さらに前述した通り、成長シートでは「他の従業員に教えていた」が5点となりますから、教えることが高ポイントとなり、処遇(昇給・賞与)に反映されていきます。人事制度を導入して10年あまりですが、“従業員が主体性を持って行動する ⇒ ノウハウを教え合う ⇒ 売り上げが伸びる ⇒ 処遇(昇給・賞与)に結びつく”そんな良い循環が完成しつつあると感じています。

―― 今後の展開をお聞かせください。

分社化したエス・エスホームケア株式会社に、人事制度の導入を考えています。ただ、分社化して間もないこと、事業が福祉用具事業部、デイサービス事業部、訪問介護事業部、居宅介護支援事業部、地域交流カフェと多岐にわたることから、事業が軌道に乗るまでは様子を見るつもりです。そして必要な部門に人事制度を導入し運用してから、徐々に全社へ広げていく予定です。

9.形からでも、とりあえずやってみる

―― 人事制度に悩んでいる企業に向けて、御社からアドバイスがあればお願いします。

当社には「Chance(機会)・Challenge(挑戦)・Change(変化)」という行動理念があるのですが、人事制度の導入もこれにつきます。アドバイスになるか分かりませんが「悩んでいるよりも、まずはやってみよう」と言いたいですね。まずは形から入っていくのもアリだと思います。当然、中身は完璧なものではないと思いますが、ブラッシュアップをしながら継続していけば、必ず自社に合った人事制度が完成されていくはずです。

また、社内には「仕事を真剣に考え、自分の成長とともに成果に見合った評価を得たい」という幹部や従業員がいるはずです。私自身の経験にはなりますが、そうした幹部や従業員とコミュニケーションを取りながら、徐々に社内に浸透させていくのが望ましいやり方だと考えます。

―― 最後に一言お願いします。

私が松本先生の本と出会って十数年が経過していますが、松本先生の考え方は現在もまったくブレていません。本当に素晴らしいことだと思います。また、成長塾で人事制度を学び会社と従業員を成長させている企業様の多種多様な良い事例をオープンにし共有されている点も、本当に素晴らしいと感銘を受けています。

松本先生の人事制度を学びたいと集まってくる経営者の方々は、「人を成長させ、その結果としてお客様および地域社会に貢献していきたい」という想いが強いような気がします。なぜなら松本先生の人事制度には、そういった想いが込められていると感じるからです。ですから松本先生には、この人事制度を全国に広めるため、まだまだ頑張っていただきたいと思っています。私にできることがあれば微力ながらお手伝いさせていただきます。今後とも引き続き、よろしくお願いいたします。

蛯谷社長

相模原商事様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。


相模原商事株式会社様のホームページ
※ 取材 2021年10月


第94話 社員に積極的にチャレンジさせる秘訣とは

2021-12-21 [記事URL]

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もう賞与の支給は終わったでしょうか。新型コロナの影響で、会社ごとに支給の状況は様々でした。昨年よりも賞与が増えた会社もあれば、昨年と同程度の会社、昨年より減った会社もあり、受け取る社員の気持ちも様々でしょう。中には賞与の支給がない会社もあると思います。

100年に一度といわれるこの大きな経営環境の変化に対して、全ての社員が対応すべく挑戦をしなければならないときであることは間違いないでしょう。ところが実際は、社員がどんどん新しいことに挑戦することは、あまりないかもしれません。むしろ挑戦する社員が少なくなった感じがします。

その理由の一つは人事制度にあると私は思っています。社員の評価を決め、賃金を決める。それが元々の人事制度の目的でした。この評価の中に、社員が心配なことが一つあります。それは自分の失敗に対する会社の評価です。

新しいことへの挑戦は十中八九失敗します。成功するのは良くて3割でしょう。圧倒的に失敗の方が多いのです。この時に、社員は失敗したときの評価が心配で仕方がありません。評価がどう決まっているのか社員に分かる透明性があれば安心ですが、会社によっては最終的に賞与を決める調整会議等を行っている会社があります。そこではどのようなことが話されているのか、社員には全く分かりません。

ある中小企業での話です。一人の部長が新規事業の担当になりました。ところが残念ながら芳しい結果は出ず、1年足らずでその新規事業は撤退することになりました。その時この担当だった部長の賞与は前年対比で半分以下に減ったことが社内に知れ渡りました。

それからこの会社では、新しいことに取り組むことに対して消極的になりました。新しいことをやろうとしても誰も手を挙げなくなってしまいました。それはこの事実がチャレンジする社員を皆無にしてしまったのです。

大事なことは、社員が失敗しても、マイナス評価で賞与を下げることはないと社員に約束することです。

失敗しない唯一の方法は挑戦をしないことです。それでは企業はこの激動の時代を生きていくことはできません。会社は失敗してもマイナス評価はしないと宣言してください。社員は失敗しても隠さず、正々堂々と挑戦するようになります。

挑戦の成功の確率は最大3割と知り、万が一失敗したとしても評価を下げたり、処遇を悪くしないことです。企業が規模拡大していくプロセスには、数限りない失敗があります。それを認めるかどうか。会社ではその失敗をどのように評価されるか、今この時期に告知しなければなりません。早く手を打たなければ、この環境に対応できず大変な状況を招くことになります。

あなたの会社では、社員が挑戦した時の失敗をどのように評価していますか?


「週刊東洋経済」2021年12月11日号に代表の記事が掲載されました!

2021-12-15 [記事URL]

「週刊東洋経済」2021年12月11日号に代表の松本の記事が掲載されました。
ぜひご覧ください。

掲載号の詳細はこちら⇒https://str.toyokeizai.net/magazine/toyo/20211206/


第93話 賞与決定の仕組みをつくる最大のメリット

2021-12-14 [記事URL]

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賞与を決める仕組みがない企業では、経営者は毎年のように悩みながら賞与を決めています。

経営者が悩みながら賞与を決めている会社では、同時に社員も、どうしてその金額に決まったのか分からないまま受け取っています。それはつまり、社員はどうすれば賞与が増えるか全くわからずにいることになります。

基本的に「会社の業績が良く、そして社員が成長した場合」に賞与額が増えることはどの会社でも同じです。それを明らかにするための仕組みをつくってしまえば、賞与は社員が何千人いても1秒で決めることができます。仕組みで賞与を決めることができるようになれば今までの経営者の悩みはなくなり、社員もどのように賞与が決まるのか一目で分かるようになります。

そのためには、全社員が会社の業績の向上に取り組むようにすることです。まずは優秀な社員がやっていることを真似てみんなで一緒に成果を上げることに取り組みます。
そして社員の成長は、成長シートがあればその中に明記されているように、勤務態度を守り、知識・技術を身に付け、重要業務が遂行できるようになることです。その結果として成果が上がります。

成長とともに徐々に賞与が増えることがわかるようになりますので、賞与の問題で辞める社員は一人もいなくなります。

ただし、これで全てが終わった訳ではありません。仕組みをつくった経営者は、次にこのような相談をしてきます。

「賞与が簡単に決まるようになりました。しかしどうしても経営者として調整をしなければならないことがありますが、この調整をしてはいけないでしょうか?」

この質問に私は次のように答えます。

調整は後継者に事業承継するまで続くと思ってください。仕組みはつくって終わりではないのです。経営者が様々なことを学んだり、会社の成長発展によっても賞与の決め方は徐々に変更されていくことになります」

「例えば成長等級が同じ5等級のA社員とB社員がいたら、通常どちらも同じような賞与額になります。ところがA社員は営業所長、B社員はまだ営業所長になっていない場合、仕組み上は成長等級で賞与額が決まっていたとしても、『営業所長には部下がいるから大変だろう』と経営者が思えば、当然A社員に対して賞与の加算をすることになります。これは必要な調整でしょう。経営者である以上、どのような社員に加算するかを考えて支給しなければなりません」

「そして、この『役職者に対して加算をする』と調整したことをまた仕組みにするのです。それによって同じ成長等級であっても役職に就いている社員と、そうでない社員では賞与額が違うことが分かります。これは、その経営者の考え方であり、他の経営者とは違っていいのです」

このように、経営者が調整が必要だと思ったことを全て調整し、次回からは同じ調整をしなくて済むようにしていくのです。

現在の賞与を決める仕組みは、10年後には今とは全く違ったものになっている可能性もあるでしょう。しかし、その過程で賞与に対して不平不満を持つ社員がいない状況をつくることはできます。

調整はずっとしていいのです。間違っていると思わずにどんどん調整し、そして何故調整したかということを、賞与支給時に説明してください。

賞与の決め方に関して悩みを持たずに決めることができているでしょうか。


冬期休業のお知らせ(2021年度)

2021-12-08 [記事URL]

弊社では誠に勝手ではございますが、本年度の冬期休業日につきまして、以下の通りとさせていただきます。

◆ 休業期間 2021年 12月25日(土)~2022年 1月4日(火)

【セミナー・研修へお申込みいただいた際】のご請求書の郵送につきましては、以下の通りとなります。

12月17日(金)16時30分までにいただいたお申込みにつきましては、24日(金)までにご請求書を発送いたします。

【ご注文いただいた商品の発送】につきましては、以下の通りとなります。

●お支払方法【代金引換便/払込書】でのお申込
12月17日(金)16時30分までにいただいたご注文につきましては、24日(金)までに発送いたします。
※在庫切れの場合にはその限りではございません。ご了承ください。

●お支払方法【銀行振込】でのお申込
12月17日(金)16時30分までにご入金いただいたご注文につきましては、24日(金)までに発送いたします。

12月17日(金)16時30分以降の商品のご注文・ご入金につきましては、1月5日(水)以降に発送させていただく可能性がございます。

なお、冬期休業中もFAXやEメールによるお問合せは受付けておりますが、12月20日(月)8時以降のお問い合わせ等につきましては、来年1月5日(水)以降に順次対応させていただきます。

大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。

ご不明な点等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。


第92話 社員が業績に関心を持つと何故か賞与が増える

2021-12-07 [記事URL]

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経営者の次の相談は12月に入ると一気に増えます。とても深刻な相談です。

「賞与を支給する時期が近づくと、社員が『社長、今年の賞与は期待できますか?』と質問してきます。業績が良ければ賞与はたくさん出せるし、業績が悪ければ賞与は少なくなる。そんなの当たり前ですよね? どうして社員はそんなことも分からないのでしょうか?」

それは経営者にとっては当たり前のことですが、社員からすれば当たり前ではないのです。例えば、ある企業では毎年夏の賞与は1か月、冬の賞与は2か月と決めていました。これは社員にとってみれば、賞与は業績と全く関係ないものだと理解します。

この会社の場合、社員が業績に全く関心を持たないのは当然と言えるでしょう。そのため、社員に損益計算書を見せながら会社の業績を説明しても、全く聞く耳を持ちません。

会社の業績は全社員の成長の合計を表しています。にもかかわらず、業績に関心を持たないのは、社員それぞれが自分の成長に関心を持っていないも同様です。もし、会社に成長シートがあれば、社員は成長点数で自分の成長を確認し、関心を持つようになります。
また、成長シートには期待成果の大きさも評価されます。自分の期待成果が大きければ、当然会社全体の業績も良くなる。この因果関係を社員に理解してもらう必要があるでしょう。

そしてもっと大事なことは、業績によって賞与の合計額、“賞与原資”は変わる仕組みにすることです。先ほどの企業であれば、「今期の経営目標が実現できた時には、夏は1か月、冬は2か月支給する」と説明しなければなりません。

これによって社員は、経営目標を実現しようと一致団結して取り組むでしょう。なぜなら、全ての社員が「目標を実現することで夏は1か月、冬は2か月支給される」と理解するからです。毎月の損益計算書を真剣に理解し、努力をするでしょう。

さらに社員に関心を持ってもらうためには、夏1か月、冬2か月と固定的に決めるのではなく、業績が良い時は夏なら1.2か月になるなど、賞与が増えることを検討してください。もちろん、業績が厳しい時は0.9か月、0.8か月と賞与が少なくなることも検討する必要があるでしょう。事前にシミュレーションすれば、リスクなく発表できます。

そのような発表を前もってすると、社員は「賞与が減るのは困ります」と言ってくるでしょう。ここで成長シートがあれば、「この会社には高い成果を上げている優秀な社員がいる」と社員に説明することができます。その社員のやり方をみんなで学び、そして真似をして実行すれば、この会社の目標は簡単にクリアできます。みんなで学び合おうとするでしょう。そうやってお互いに成長していくことが、最終的に会社の業績が良くなり、そして社員の昇給・賞与が良くなることに繋がっていきます。

考えてみてください。もし社員一人一人が「みんなで一緒に賞与をたくさんもらいたい」と考えているとすれば、経営者と全く同じ考えを持っていることになります。元々、経営者は「全ての社員にたくさんの賞与を支給してあげたい」と思っています。

賞与は、一つ間違えると自利の考えの社員にしてしまいます。「自分さえよければ良い」という発想になってしまう恐れがあります。その一方で、全ての社員が一緒に成長し、協力して全員が賞与をたくさんもらえたらいい考え方になることで、この会社の業績はさらに良くなります。

経営者の考えていること(=頭の中)を完全に理解できる社員はいません。しかし、仕組み(=可視化)にして社員に説明することで、経営者の考え方を理解することができます。経営者は経営が驚くほど楽になります。経営者が苦労しているときは、業績が良くならないことをご存知でしょうか?


有限会社サワイデンキ様(家電販売・電気工事 滋賀県)

2021-12-01 [記事URL]

「松本先生の本に出会い、成長塾の受講を決断。仮運用期間で成果が得られ、新たな事業に向けた一歩を踏み出すことができました」有限会社サワイデンキ 代表取締役 澤井幸平 氏

街の電気屋さんという業態の将来と社員が働く環境を案じ、成長塾で人事制度を学ばれた
有限会社サワイデンキ 代表取締役 澤井幸平 氏に、その経緯と効果について詳しく伺いました。

●会社プロフィール
会社名 有限会社サワイデンキ
代表者 代表取締役 澤井 幸平
社員数 7名(パート1名を含む)
所在地 滋賀県大津市和邇高城11-6
事業内容 家電販売・電気工事

 

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1.地域密着が強みの街の電気屋さん

―― サワイデンキの会社概要をお聞かせください。

サワイデンキ様の店舗内(写真)
店舗では定期的にイベントを開催している

今から約45年前、私の父(現在は会長)が創業した会社で、パナソニックの家電販売と個人宅向けの電気工事が主な業務となります。いわゆる街の電気屋さんですね。お客様は地域住民の方々で、その大半は固定客およびリピーターで占められています。依頼があれば家電のコーディネートから手掛け、さらにはお客様宅の電気工事、例えばエアコンや分電盤・ブレーカー工事なども携わっています。

当社の特徴は、街の電気屋さんならではの軽快なフットワークです。得意先から困りごとなどのお問い合わせをいただけば、2~3時間以内には駆けつけて対応します。家電に関連しないことでも、お客様の生活の困りごとなら可能限り迅速かつ的確に解決するのが当社のモットーです。大手量販店やネット販売にはない「手が届きにくいところへの手厚いサービスやサポート」は地域密着だからこそできる当社の強みだと思っています。

―― 澤井社長の経歴をお聞かせください。

約1年半前、コロナ禍のなかでの事業承継で代表取締役に就任しました。といっても父と母、私を入れた3人に、社員4人(1人はパート)の計7人体制の小さな会社です。

私自身の入社は17年前になります。専門学校を卒業後、当社と同じパナソニック系列のお店で修行させてもらい、21歳のときに入社しました。以来、父をサポートする形で業務に携わりながら経験を積んできました。

2.事業承継後も会社を存続させるには改善が必要

―― 成長塾受講のきっかけをお聞かせください。

5年前くらいから経営に関わる部分に携わるようになり、会社のあり方や将来を考えるようになったのがきっかけです。「それなりに売り上げは上がっているのに手元に現金が残っていないのはなぜか?」「社員が同じミスを繰り返してしまうのはなぜか?」などは代表になる前から感じており、どうしたら改善できるか模索していました。

会社の働く環境を良くしたいという想いもありました。メンバーが変わっていないとはいえ、残業が当たり前になっていた状況は問題と感じていました。また、福利厚生の整備が必要だとも思っていました。

私としては、事業承継後もできる限り会社を存続していきたいと考えていましたから、今のやり方を変えるしかないと決断。それが、成長塾の受講の決意とつながりました。

―― 成長塾以外で実践したことはありますか。

そもそも、もっと会社を良くしたいという想いに拍車をかけたのは、当社の税理士から紹介された会社経営に関するセミナーに参加したことでした。今の会社の経営状況を分析し今後の経営計画を作成するセミナーで、会社を変えるための方向性を見出すことができました。これが大きな転機になったと思います。

3.松本先生の本で腑に落ちる

―― 成長塾との出会いを教えてください。

セミナーを機に、本格的に会社組織の改善につながるような手立てを模索していたとき、2019年の春ごろだったと思いますが、インターネットで偶然、松本先生の本に出会いました。

書籍『社員が成長し業績が向上する人事制度』社員が成長し業績が向上する人事制度(日本経営合理化協会出版局)』という本です。1万円以上もする高価な本というもあって目に留まり、興味を持ち購入したところ、腑に落ちることがたくさん書いてあって、直感的に「これだ!」と思いました。

―― 腑に落ちた点とはどういったところですか。

サワイデンキ様の店舗内のナショナル坊や(写真)
店頭ではナショナル坊やがお出迎えをしている

当社はパナソニックの系列店ということで、松下幸之助氏の「事業は人なり」「社員の成長なくして会社の成長なし」といった言葉がインプットされています。ですから、松本先生の本の内容「会社が大きくなったのは人が成長したから」というところがすんなり入ってきました。しかも、大きくなった理由やクリアすべきことなども具体的かつ実践的に記載されており、非常に説得力を感じました。

こうした松本先生の話は、しっかり現場を経験してきたなかでの取り組みですから、私としては腑に落ちました。

―― 受講の経緯をお聞かせください。

実は手前味噌になりますが、本に書かれていた成長シートを自分で作成してみたことがあります。これで運用できれば良かったのですが、自信が持てませんでした。正直、これが正解なのかどうか、自分で判断することができませんでした。思案したあげく、受講した方が早いと考え、2019年12月に成長塾を受講しました。

4.あらためて自社の重要業務に向き合う

―― 受講後の感想をお聞かせください。

何より、本の知識だけで作成した成長シートが「使えない」ことにすぐに気付きました。受講して分かったのは、期待成果と重要業務は因果関係がなければいけないことです。私がつくった成長シートは見直すまでもなく、期待成果と重要業務の紐付けがまったくできていませんでした。

それと同時に、私自身が重要業務について理解していなかったことに気付かされました。人に伝えることを念頭に置き、重要業務を成長シートに可視化する作業を行った際、自分の思い通りに「自社の重要業務」が出てこなかったのです。自社の仕事内容を分かっていなかったわけですから、社員に伝わるわけがありません。このほかにも、成長塾では勉強になることが多々ありました。受講して良かったと心から思いました。

⇒成長塾についてはこちら

―― 受講後の運用をお聞かせください。

2020年8月から2021年8月まで仮運用を行い、現在は本稼働に切り替わっています。もちろん、社員には成長塾の人事制度の導入は伝えていました。

私としては「それは困ります!」「これはどうなっていますか?」といった意見が出ると思っていたのですが、社員はすんなり受け入れてくれました。前例がなかったので、比較も否定もできなかったのかもしれません。

―― 人事制度の導入後、どのような定量的効果を得ることができましたか。

導入前の2018年8月 ~ 2019年8月をBefore、仮運用期間の2020年8月 ~ 2021年8月をAfterとし、成長塾受講前後を比較した定量的成果を以下に示しました。
サワイデンキ様の定量的成果の表
(クリックで拡大します)

5.仮運用期間で成果が得られる

―― 澤井社長が考える定量的効果のポイントはどこになりますか。

売り上げベースで見てみると、導入前よりも7%アップを実現することができました。仮運用とはいえ、人事制度を通じた社員の成長が売り上げアップにつながっていると言っても過言ではないと思っています。

業務では教え合うシーンが増え、現場に入る前の確認事項や打ち合わせも綿密になったと感じています。また、売り上げという期待成果に紐づく重要業務への取り組みが前向きになったことも大きな要因と言えるかもしれません。

6.総合職の重要業務にデータベースマーケティング(DBM)を据える

―― 「売り上げという期待成果に紐づく重要業務」について詳しく教えてください。

重要業務そのものの説明からさせていただきます。まず、当社は限られた社員で運営している会社ですから、営業職や技術職といった職種では分けていません。1人の社員が特定のエリアを受け持ち、営業から納品、修理やメンテナンスなどのアフターフォローも行う総合職として業務に携わるのが当社の働き方になります。当然、私自身も総合職のプレーヤーとして担当エリアを受け持っています。

総合職として成果を上げるには、当社の全顧客の個人情報や購入履歴、アンケートなどをデータベース化した売上台帳をもとに行うデータベースマーケティング(DBM)が重要になってきます。売上台帳を見れば、購入した家電製品の年月日から何年経過しているかなどがすべて分かりますから、例えば、購入後8~9年が経過しているエアコンがある顧客をリストアップすれば、「エアコンの調子はどうですか?」といった訪問営業が可能になります。

こうしたきめ細かいサービスが街の電気屋さんたるゆえんですから、私としても苦労しながらDBMを重要業務にしました。とはいえ、DBMを実行するには売上台帳を分析する知識・技術が不可欠。さらに「自分の家の家電はサワイデンキが見てくれているという安心感」を持ってもらうための営業力も必要になります。つまり、知識・技術と経験の積み重ねがDBMの能力として表れるわけですが、これまではなかなか客観的に評価することができませんでした。

人事制度導入後は、DBMを重要業務にしたことで、社員も「どうやったら認められるか」を理解できたようです。人事制度によって承認欲求が高まり、自ずと重要業務であるDBMへの取り組みも前向きになっていく図式になりました。

7.労働時間を削減しながらも売り上げや人時生産性は向上

―― 残業時間が大幅に減っているのも成果でしょうか。

労働環境を何とかしたいと思っていましたので、残業時間を大幅に削減できたのは大きな成果だと考えています。年間120日の休日は実現できていませんが、年間休日の最低ラインはクリアすることができました。以前までの残業時間を大幅に減らすことができたことを考えると、大きな進歩となりました。

しかも、労働時間を削減しながらも売り上げは向上しています。仮運用でこれだけの成果が出たのは、私としては嬉しい限りです。

8.私がやらなくてもできる仕事は社員に

―― 澤井社長ご自身が感じる効果はありますか。

さらにENTOENTOさんが開催しているTTM(タスク&タイムマネジメント)研修を受けたおかげで、私自身の時間の使い方が変わってきました。自分が本当にやるべき仕事かどうかを見極め、私がやらなくてもできる仕事は社員に任せるようにしたことで、本来自分が携わるべき経営の業務に注力できるようになりました。

成長塾で「経営者がプレーヤーの仕事ばかりしているのは会社にとって良いことではない」と気付かされましたので、これからも任せられる仕事は任せようと思っています。これにより、少しは肩の荷も降りる気がしています。

9.リフォームを新たな事業の柱に据えたい

―― 今後の展開をお聞かせください。

当面の目標は、闇雲に会社の規模を大きくするのではなく、売り上げや人時生産性を第一に考えた経営をしていくことです。具体的には今の社員のまま、5年後ぐらいを目途に現在の月収から2倍にすることを考えています。つまり、少ないリソースで人時生産性を上げることが目標です。その動きのなかでどうしてもリソースが足りない場合には、必要に応じて人材を確保していくつもりです。

―― 地域の顧客だけでは難しいところもあるかと思うのですが、その辺りはどうお考えでしょうか。

おっしゃる通りです。街の電気屋さんのままでは、頑張って家電のリピーターや工事を増やしてもすぐに限界が近づいてきます。そこで、現在は私自身の取り組みに留まっていますが、ゆくゆくは当社のもうひとつの柱に育てていきたい事業があります。それは、パナソニックの強みを活かしたリフォームの提案です。キッチンから風呂・トイレ、リビングダイニングの改修までさまざまな提案になりますが、お客様の生活に寄りそっている当社だからできることだと思っています。

リフォームに関しては、あまり歓迎できない業者もいますので、そういった業者に唆されないようにするためにも、地域密着の当社がフォローすべきだと思っています。とくに高齢の方は、当社をはじめ地域のフォローが何よりも重要だと考えますので、まずはたくさんの実績をつくって、安心してリフォームを頼んでもらえるように精進してまいります。

10.社員への想いは自分の手で伝えるべき

―― 人事制度に悩んでいる企業に向けて、御社からアドバイスがあればお願いします。

自分で成長シートをつくりながら、やっぱり「自分の会社のことは自分にしかわからないことがある」と思いました。第三者に「これが良い」と言われたから「これにする」では、経営者の想いは社員に伝わらないのではないでしょうか。自分で考えたことを言葉や文章にし、成長シートに可視化していけば、かならず社員に伝わります。

今回、人事制度を運用して本当に実感しています。社員に届けたい想いがある中小企業の経営者には、ぜひ成長塾の受講をおすすめします。

澤井社長

有限会社サワイデンキ様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。


※ 取材 2021年9月


第91話 社員が本当に知りたいのは賞与の金額の根拠です

2021-11-30 [記事URL]

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賞与を決める仕組みを発表していない会社の社員は、”ある”ことで悩んでいます。それは社員の毎年の賞与額が上下に変動することです。

あらゆる会社で、基本的に毎年の賞与額は変動します。社員自身は「自分は成長している」と思っていますので、毎年賞与が増え続けると考えています。

通常、実際の賞与の決定手順は次の通りです。まず、経営者は今年の賞与の支給合計額を決定します。この賞与合計金額は業績によって異なります。つまり各社員の賞与額は、その社員の成長の度合いによって決める前に、会社の業績が大きな決定要素となっているのです。

「そんなこと社員は分かっているはずだ」と考えている経営者が多いようですが、残念なことに経営者がその計算方法を発表しない限り分かりません。そのため、この賞与合計額の計算方法を仕組みにしなければならないのです。

仕組みにしていないために、賞与を支給した日に社員から経営者に対して質問される場合があります。基本的にこのときの質問は「自分の賞与の根拠を教えて欲しい!」、または他の社員と比較して「どうして自分の賞与は少ないのか?」です。仕組みをつくっていない経営者は、自分の賞与を決めた感覚通りに答えるでしょう。

例えば、B社員が「なぜ私はAさんと比べて賞与が少ないのですか?」と質問してきたときに、経営者なら何と答えるでしょうか? 簡単です。「Aさんの方が優秀だから」。正直な回答です。決して間違った回答ではありませんが、この回答を聞いたBさんの気持ちはどうでしょう?「BさんはAさんに比べて優秀ではない」と経営者に断言されたのです。この社員はもう賞与の金額云々ではなく、すでに相当モチベーションを落とすことになるでしょう。

このようなやりとりで、毎年どれほど多くの社員が賞与支給日にモチベーションを落としているのか気がついていないでしょう。経営者は、賞与の決め方を仕組みにして社員にオープンにしなければなりません。それによって社員は自分の成長によって賞与が増えることは間違いないが、それ以上に会社の業績によって賞与額が変動することを知ることになります。もっともこれは事業年度の最初に示すべきものでしょう。

仕組みを示すことによって社員は他の社員と自分の賞与を比べる必要がなくなります。これはとってもいいです。会社の業績が良いこと、そして自分が成長すること。この2つによって賞与が増えますが、業績が悪ければ自分が成長しても賞与が前回よりも下がる可能性があることも1年前に理解します。

社員は、仕組みがあると賞与に対する不満が一切なくなります。賞与をもらった後に会社を辞める社員もいなくなるでしょう。経営者が正しく賞与を決めていても、賞与を決める仕組みにして発表していないために大きな損害を生んでいることに早く気がついてください。

もう既に賞与を決める仕組みはできているでしょうか?


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2021-11-19 [記事URL]

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